第8話
「世にも不思議な昔ばなし 呪いの猫塚」
●放送日:1978年7月5日(視聴率:4.4%)
●脚本:高久 進
●監督:田口勝彦

◆ゲスト◆
田中筆子(役名:古寺に住む老婆)・「帰ってきたウルトラマン(#43)」等にも出演
藤本節子(役名:怪猫獣に襲われる女A)
茂野文代(役名:怪猫獣に襲われる女B)・「ジャッカー電撃隊(#15)」等にも出演
田崎元子(役名:怪猫獣に襲われる女C)・映画「フユニシ」等にも出演
古川美代子(役名:幼稚園の先生)
三原順子(役名:怪猫獣に襲われる女D)・「電子戦隊デンジマン(#4 , 21)」等にも出演

■登場マシーンベム:怪猫獣


猫塚が荒らされた。
そこには若い娘を襲い、生き血を吸ったという猫の骨が埋めてあった。
その魂が現代に蘇り、呪わしい場面が次々に再現されていく。


(写真・左)
雷鳴が轟く不気味な夜であった、
ニンダー達はモンスター教授の命令で古寺にある猫塚を荒らし、
埋めてあった猫の髑髏(シャレコウベ)を奪い去っていった。

「ニャーッ」
一匹の猫がランランと目を光らせその様子をじっと見ていた。

この朽ち果てた古寺には一人の老婆が住んでいた。
「ニャーッ」
先程の猫が飼い主の老婆の所へやって来てしきりに何かを訴えている。
「誰が来た?・・・墓を荒らした?」
どうやら老婆は飼い猫の言葉が分かるようだ。
血相を変えた老婆は墓場の奥へ走って行き、あばかれた猫塚を見て愕然とした。
「誰が一体こんな事を・・・怪猫の呪いが必ずくる!」

(写真・中)
「アマゾネス、この猫は江戸時代、怪猫と怖れられ
人間どもを数十人噛み殺したのじゃ。今もこの髑髏は人間どもを呪っている」

髑髏の眉間には刀傷が残っていた。
どうやら怪猫はその昔何者かに斬り殺され、壮絶な最期を遂げたようだ。
モンスター教授はこの怪猫を生き返らせ、マシーンベム「怪猫獣」を造り上げた。
新しい生を受けた怪猫獣は夜な夜な人間(若い娘)を襲い次々に殺していった。

(写真・右)
一方、拓也はひとみの取材に駆り出され
“猫と話が出来るお婆さんがいる”という噂のある例の古寺を訪ねた。
拓也は荒らされた猫塚の話を老婆から聞いて漠然たる不安を感じ取った。
だがその不安がどこから由来するのかその時は分からなかった。





「ボディはやめときな!」
(写真・左)
今回はあのセクシーナイト・三原順子(当時香山浩介と同じ事務所に所属)が、
江戸時代の町娘の役(怪猫に喉を噛み切られる!)で出演している。
これは「金八先生」に出る前の無名時代のもので、
もちろん彼女の芸歴からは抹殺されている。

(写真・中)
江戸時代、化け猫を始末したのは山城拓也の先祖だった。(香山浩介2役)
拓也が猫塚を見て漠然たる不安を感じ取ったのはここに由来していたようだ。

(写真・右)
若い娘が何人も惨殺されたニュースが報道され、
拓也は怪猫獣の正体を知ろうと再び老婆を訪ねた。
だが老婆はモンスター教授の命令を受けた怪猫獣により既に殺されていた。
老婆の傍らには老婆の飼っていた子猫が寂しそうに寄り添っていた。
「同じ猫でも人間と心を割って話し合える猫もいるというのに、
人間を襲う化け猫の仕打ちは許せない。お前のためにも化け猫を倒してやる」
拓也の目は怒りに燃えていた。





(写真・左)
と、そんな時、拓也の前に怪猫獣が現れた!
「その顔だ! 決して忘れはしない。お前が私を切ったーーっ!!」
怪猫獣は拓也の顔を見て、その昔自分を殺した男(拓也の先祖)と勘違いをした。
拓也は怪猫獣の鋭い爪の毒で大きな痛手を負い、一時高熱にうなされた。

(写真・中)
実は老婆は怪猫の弱点である「猫封じのまじない」の最中に殺されていた。
それに気づいたスパイダーマンは老婆にかわって「まじない」をした。
怪猫獣は頭を押さえ激痛にのたうち回ったが、死に至らせることは出来なかった。

(写真・右)
しかし超能力を持つスパイダーマンは怪猫獣のうめき声をしっかりと聞いた。
怪猫獣の居場所を突きとめ、追い詰めたスパイダーマン。
怪猫獣はスパイダーマンと格闘するも、形勢が不利になるとすぐに巨大化。
スパイダーマンもマーベラーを呼びレオパルドンに乗り込んだ。
怪猫獣は腕を飛ばしレオパルドンに攻撃した。
(これで一応レオパルドンに触れたことになる)
このあとも火炎砲で苦しめるが、最後はソードビッカーでとどめを刺された。


この世に呪いと憎悪がある限り、世にも不思議な出来事は途絶えることはない。
スパイダーマンは一人静かに幸せの来る日のことを思っていた。



■レオパルドン戦闘データ■
《戦闘時間》
1分05秒16
《使用した必殺武器》
アームロケット
アークターン
ソードビッカー

「怪猫獣」はレオパルドンに触れることができたか?→○


〈補記〉
レオパルドンはプロポーション重視の設計になっており、高下駄を履かせているのは有名な話である。
マシーンベムとの格闘シーンがほとんど無いのもこれが原因の一つといわれている。
ところが今回は珍しく同一画面にレオパルドンとマシーンベムが収められたシーンがある。
写真で見るとまるでマシーンべムが遠くにいるようだが、カメラからの距離は両者変わらない。
まるで遠近法を無視したかの如く、異様なカットである。
これでは巨大化してからの接近戦のシーンが撮れないのも頷ける。

怪猫獣はスパイダーマンをおびき出す為に「なかよし幼稚園」のバスをジャックし、自ら運転した。
(幼稚園バスジャックは特撮番組の悪組織が行う常套手段の一つ)
その時スパイダーマンは「猫封じのまじない」をしており、
怪猫獣は苦痛のあまり運転不能となり、バスは塀にぶつかり止まった。

怪猫獣に襲われた拓也を見舞ったひとみの心配そうな表情が印象的。
劇中では何も語られていないが、ひとみが拓也を深く想う気持ちがわかる貴重なシーン。

怪猫獣の声を当てていたのは、
「それいけ!アンパンマン」(おむすびまん 役)の声でも有名な京田尚子。
第10話のへび女、第23話の魔女猿の声も担当している。


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