]  
   
  

 インプレッションズの名曲「FOR YOUR PRECIOUS LOVE」
を歌い込むリンダ・ジョーンズを聞いているときに気の利いた理
屈など決して浮かんでこない。
ただ、一言「ソウルミュージック!」と感嘆の叫びをあげてしまう
のであった。
天井を突き抜けるかのようなシャウト。ディープですがるような
時にやるせなさが伝わる感情的な彼女のヴォーカルスタイル
は「ソウルミュージック」という言葉から思い浮かぶ多くの言語
表現を包み込んでいると思います。
 この
ニュージャージーの素晴らしきレディ・ソウルは6歳の頃
からゴスペルで鍛え上げて実力を磨きあげた。
その彼女をプロデュースしたのがあの
甘茶大王と呼ばれモーメ
ンツやエスコーツ
などのスウィート系グループを手がけた事で
有名な
ジョージ・カーである。
彼女のディープでアクが強い独特な印象を与えるヴォーカルもジ
ージの魔法にかかり見事に甘く切ないオブラートに包まれるの
であった。しかし、そのオブラートは限りなく薄く作られていた。
オブラートはすぐに穴が開いてしまい、その隙間から木漏れ日
のように眩しい光が眼孔を突き刺す。
その光は心地よい暖かさを私たちに与えてくれる。
 情熱的なディープさと甘くどこかやるせないスウィート感覚
という相反すると思われる要素を見事にミックスして極上の
ソウルミュージックを生み出したジョージ・カーの魔法は見事
としかいいようがありません。
「IF ONLY HAD MET SOONER」モーメンツでも有名な「NOT
ON THE OUTSIDE」
などの曲はこうした試みの典型的な名曲で
あります。

また、タイトルの
「FOR YOUR PRECIOUS LOVE「I DOなど
で惜しげもなく見せるヒステリックなまでの高音のシャウト。
心身共にエネルギーを絞り出してしまうかのようなそのスタイ
ル。聞いている私達までエネルギーを吸い取られてしまうか
のようです。良い意味で疲れ果ててしまうのです。
 彼女は
72年28歳という若さで病気でこの世を去ってしま
った。70年代。ソウルミュージックが熱く燃え上がったこの時代
にニュージャージーで真っ赤に狂い咲き華々しく散ったソウル
ミュージックの花であった。
花言葉は「ソウルミュージック」それ以外考えられません。



LINDA JONES
YOUR PRECIOUS LOVE(72)


1.YOUR PRECIOUS LOVE

2.I DO

3.I LOVE YOU(I NEED YOU)

4.I'VE GIVEN YOU THE BEST
       YEARS OF MY LIFE
                 

5.DON'T GO

6.NOT ON THE OUTSIDE

7.DOGGIN'ME AROUND

8.LET IT BE ME

9.HYPONTISED

10.IF ONLY WE HAD MET SOONER

11.FUGITIVE FROM LOVE

12.I'M SO GLAD I FOUND YOU

13.STAY WE ME FOREVER

14.THINGS I'VE BEEN THROUGH

15.WHEN HURT COMES BACK

16.I CAN'T MAKE IT ALONE

17.BEHOLD

18.DANCING IN THE STREET