![]() アン・ピーブルスが「MAKE ME YOURS」という曲を歌って いてオリジナルを歌ったベティ・スワンというシンガーに興味が 湧き探し求めて入手したのがこのアルバムです。 ベティ・スワンは44年にルイジアナで生まれ50年代末にロス へ移り64年にレコードデビューしました。 マネーから発売されたこの盤が初めてのアルバムになります。 このアルバムはノーザンありディープありのまさに60年代の ソウルミュージックの美味しい部分を寄せ集めて作り出したかの ような空気を感じ取れる素晴らしい内容である。 タイトル曲の「MAKE ME YOURS」は歌い方はメアリー・ウェルズ そっくりであるし曲調もモータウンやシカゴのノーザンソウルのエッ センスを感じさせる名曲です。 続く「FALL IN LOVE WITH YOU」も同タイプのノーザン調の曲。 そしてアレサ・フランクリンの妹キャロラインが書いた「DON'T WAIT TOO LONG」で軽くステップを刻み心地よくなってきた頃合いにレ イ・チャールズのカヴァー曲「I CAN'T STOP LOVING YOU」でディープ でソウルフルに歌い込む彼女の歌唱力に驚かされるのです。 そして7~10曲目とお洒落でチャーミングなノーザンダンサーの オンパレードが続きます。 そして、渋めのブルースナンバー「WHAT I S MY LIFE COMING TO」をタイトに決めてラストに持ってきたのが極めつけの名曲。 ディープソウルスタンダードの「A CHANGE IS GONNA COME」。 この時代の大半のシンガーがそうであったようにゴスペルで鍛え あげてストリートで認められたものにしか身に付かないような実力 をこうした曲を聴いてみることで確認できるのです。 このアルバムはいわゆるディープ/サザンソウルが好きな人もお 気に入りに挙げることが非常に多いです。 彼女の基本スタイルはノーザンなのですがその歌い方にゴスペル 色が濃いディープな感触を漂わせていることがディープソウルファン に受け入れられる理由であろう。 後に彼女はあのFAMEで録音することになるのであった。 とにかく先に述べたように60年代ソウルの空気を思う存分に感じ とれる素晴らしいアルバムです。正直「MAKE ME YOURS」はアン・ピーブルスのほうがバックのハイサウンドが重みをだしていて軍 配が挙がるのだが、踊ってよし、しんみりと聞いてよしの名盤であ ることに間違いはないであろう。 |
BETTY SWAN MAKE ME YOURS(67) 1.MAKE ME YOURS 2.FALL IN LOVE WITH ME 3.DON'T LOOK BACK 4.DON'T WAIT TOO LONG 5.DON'T TAKE MY MIND 6.I CAN'T STOP LOVING YOU 7.I THINK I'M FALLING IN LOVE 8.YOU GAVE ME LOVE 9.THE HEARTACHE IS GONE 10.I WILL NOT CRY 11.WHAT IS MY LIFE COMING TO 12.A CHANGE IS GONNA COME |