1.ボルダの振り子

問題 重力加速度gは何によって生ずるか。原因となる力を2つ挙げよ。
    また、地上よりの高さhや緯度とgとの関係はどうか。その理由を
    図や式を使って説明せよ。

解答 

1.1 重力加速度g[kg/m・s2]が生ずる理由

 重力加速度はその名のとおり地球の重力、すなわち万有引力によって生ずる加速度である。

地球が物体を引き寄せる力と、物体が地球を引き寄せる力の2の力によって生ずる。

 地球の質量をM[kg]、半径をR[m]、物体の質量をm[kg]とすれば、地球上の物体にはたらく

万有引力F[N]は、

   (1.1.1)

である(Gは万有引力定数G=6.67259×10-11[N・m2/kg2])。この力が物体にはたらく重力

であり、重力加速度をg[kg/m・s2]とすると、

F = mg   (1.1.2)

であるから式(1.1.1)、(1.1.2)より、

   (1.1.3)

である。

 

1.2 地上よりの高さh[m]とgとの関係

 地表での重力加速度をg[kg/m・s2]、地表からの高さh[m]での重力加速度をg’[kg/m・s2]、

地球の半径をR[m]とすると、式(1.1.3)より

   (1.2.1) ,     (1.2.2)

よって g’/ g は、

   (1.2.3)

となる。高さh[m]が地球の半径をR[m]に比べて小さいときには、次の近似式が成り立つ。

 なお、式中「〜」を上下に2つ重ねた記号は「≒(ほぼ等しい)」と同じ意味である(Wordの数式エディタ

には≒がないのである)。

   (1.2.4)

 式(1.2.4)から重力加速度g[kg/m・s2]は、地表からの距離h[m]が小さいときは、hの値が変化しても、

ほぼ一定の値をとる。しかし、ひじょうに高い場所ではgの値が変わる。

 

1.3 緯度とgとの関係

 地球の赤道半径をR[m]、赤道上での万有引力をF[N]、自転の角速度をω[rad/s]とすると、赤道上の

物体にはたらく重力mg[N]は、

mg = F - mRω2   (1.3.1)

となる。両極では遠心力がなく、

mg0 = F   (1.3.2)

だから、式(1.3.1)、(1.3.2)より赤道上の重力加速度g[kg/m・s2]は、

g = g0 - Rω2   (1.3.3)

となり、両極での重力加速度g0[kg/m・s2]よりRω2だけ小さくなる。

 緯度θ°の地点では自転半径が r[m] = R cosθとなるから、物体にはたらく遠心力は、

mrω2 = mRω2 cosθ   (1.3.4)

となる。この遠心力万有引力とは同一直線上にないので、図1.3のように、平行四辺形の法則で

合成して得た力が重力となる。

 また、地上よりの高さhや緯度のほかに重力に影響を与える原因として、地球がわずかに極方向に

つぶれた回転楕円体であることや、地球内部の密度分布の不均一性などが考えられる。


トップ