4.電子の比電荷
| 問題 電子の電荷を求める、ミリカンの実験について述べよ。 |
解答 その前に、比電荷を測定する実験をしたのはミリカンではなく、J.J.トムソン(イギリス、1856〜1940)では?
それは置いといて(笑)、現在は精密な測定により電子の比電荷e/m[C/kg]と電気素量e[C]は
次の値であることが分かっている。ここでm[kg]は電子の静止質量である。
電子の比電荷 e/m = 1.75881962×1011 [C/kg]
電気素量 e = 1.60217733×10-19 [C]
電子の静止質量 m = 9.1093897×10-31 [kg]
ミリカン(アメリカ、1868〜1953)は図4.1のような装置で実験をした(1909)。


電圧を変えて電場の強さを調節し、油滴が浮かんだまま静止するようにする。このとき、油滴に
はたらく重力と静電気力とがつり合うから、油滴の質量をm[kg]、重力加速度をg[kg/m・s2]、電荷
をq[C]、電場の強さをE[V/m]とすると次式が成り立つ。
mg = qE (4.1)
電場を0にすると、油滴は落下し始め空気の抵抗力と重力とがつり合うな終端速度になり、等速で
落下する。空気の抵抗力は速さv[m/s]に比例するので、比例係数をkとすると次式が成り立つ。
mg = kv (4.2)
式(4.1)、(4.2)から式(4.3)が得られる。
q = kv/E (4.3)
ミリカンはこのような実験を繰り返し行い、式(4.3)から油滴の電荷q[C]を求めた。すると、常におよそ
e=1.6×10-19 [C]の整数倍になることが分かった。この実験からe[C]が電気量の最小単位、すなわち
電気素量であることが分かった。