薫風




   群青の空
   跳ねる鯉のぼり
   握りこぶしに 光る汗

   木洩れ日
   銀色の風車
   言えないままの言葉が 回る

   葉の上 たちのぼる熱気
   すうっと息を吸い込んだ
   眉の間を まるい風が吹き抜けていった


(2005.5.3)