ベールスプリング |
ペンチだペンチ |
シマノML-1というスピニングリールがあった。僕が中学生時代に使っていたリールだ。それまで持っていた安物リールとちがって、5.25対1のギアは飛び切りハイスピードだったし、ボールベアリングは2個も入っていた。275gの自重は「ルアー用リールは300gが標準」とされていた当時の入門書からいって、超軽量に思えた。 |
(2001年発売週刊釣りサンデーより) |
【筆者による6年後の解説】 ■はじめて雑誌連載になった「モノ語り/マイナーリールの紳士録」に続いて連載された「パーツは饒舌」のうちのひとつです。 ■「ルアー用リールは300g」というのは、入門書がカーディナル44やミッチェル300あたりを基準にしていたのではないかと思います。単行本から情報を得るのですから、その時点でも遅れた情報だったと言えそうです。現在のネット社会との差を考えると隔世の感があります。 ■文中に登場する「O社」はオリムピック釣具のことです。文中に「大手総合メーカー」とあるのでわかると思いますが、大森製作所ではありません。 ■「O社をばかにしていた」の部分は雑誌掲載時、「見下していた」に変わっていました。大阪の人(週刊釣りサンデーは大阪の会社)に「ばか」はきつく聞こえるのだそうです。今にして思うと「見下す」のほうがきついような気がしますが・・・。 ■このサイトをよく見ている人の中には「桁が違う」規格を持っているのに、「Broke? Broken?/ベールの破損」のようなことがなぜ起きたのか?と疑問に思う人がいるでしょう。特に私は入社前にもベールワイヤを折ったことが1度ならず(ML-1はベールスプリングだけでなくベールワイヤも折れましたし、カーボマチックはスプリングより先にベールワイヤが折れました)あったわけで・・・。このあたりからも私がどんな社員だったかがうかがい知れるわけです(おい!)。 ■「BMやバンタム100がアブ・アンバサダー並みの評価を得ていた」というのは当時の雑誌でもっていた印象だったのですが、実際追い越しちゃったんですから、間違ってはいなかったのですね。いまはバリバリの反日分子(笑)ですが、けっこうバンタムが出た中学生ころは国粋主義者でしたね。 ■でもバンタムは持っていませんでした。ベイトなんて高いものは子供が持っちゃいけない(不良になっちゃう)と思っていたのです。へんに分をわきまえた子供だったわけで・・・。このときバンタム100を手にしていたらどうなっていたのかなと思います。 ■上に「2001年発売週刊釣りサンデーより」とあって、正確な日付がないのは、掲載号が紛失していたから。この回だけでなく「パーツは饒舌」の載っている号は半分も残っていませんでした。連載が終わったころ「いまいちやったなあ」と思った記憶があったので、あえて残さなかったようです。でもこの回をあらためて読むと、けっこうおもしろいような気もしました。どんなもんでしょうか。 ■私は壊れちゃうMLのおかげで機械に興味を持ちました。でも、いまの子供たちはこういう興味の持ち方はできないでしょう。それどころか、いきなり親しむ機械が携帯やらパソコンでは、仕組みに興味を持つ余地もないでしょう。これが日本の技術が衰退していく原因に・・・というのは考えすぎ? |