忠さんのスプーン |
こだわってこそルアー |
ロッドティップが引き込まれた。 |
(2000年発売週刊釣りサンデーより) |
【筆者による7年後の解説】 ■はじめて雑誌連載になった「モノ語り/マイナーリールの紳士録」の番外編です。このシリーズでは忠さんのスプーン、シマノファイティングロッド、ウェルナーパックロッド、グリスの4回で例外的にリール以外のものを取り上げました。 ■文中の「初めて揖斐川でサツキマスを釣った」のは、正確には2尾目かもしれません。ただ、その場合の「1尾目」は高校生のときにブレットンで釣ったものになるのですが、これは30cmを切るもので、戻りシラメというのが適当かもしれません。そうするとやっぱりサツキらしいサツキの1尾目はバイトの1尾ということになりましょうか。 ■忠さんのスプーンは80年代の前半にシマノから販売されたことがありました。ダイワのダンサーが150円くらいの時代に550円でちょっと手が出ませんでした。 ■その後シマノからの販売がなくなり、85年くらいに「ブランクスプーン」による販売が始まりました。カラーを金、銀、パールスペシャルの3つに絞り、本体だけを290円で売るというものです。 ■私が本格的に使い出したのはこのころ。通信販売でまとめ買いし、スプレーラッカーでカラーリングしたものです。そのころから、お金を送る封筒に手紙を同封し、よく返事をもらったものです。直接お会いしたのは6年前ですが、そのときもおぼえていてくださいました。 ■「ブランクスプーン」が始まったころ、月刊フィッシングに忠さんの連載がありました。スプーンだけでいろいろな魚に挑戦しようというもので、あれはおもしろかったですね。トラウト系だけでなく、バスやクロダイなどがスプーンをくわえた写真は、当時でも珍しいものでした。 ■タイアップ記事といえばそうだったのかもしれませんが、いまどきの新製品を売り込むのが見え見えのものもじゃなくて、ルアーの原点たるスプーンの可能性を試す一味違うものだったと思います。実際対象魚(たとえばシーバスなど)によってはあまりいい結果は出ていませんでした。でも、それが逆によかったですね。 ■私がいい思いをしたころの忠さんのスプーンは、パール系が抜群でした。このころのパールは少しシルバーメタリックがかった色でした。さらに裏面にも塗装がしてあり、下地の金色が少し透けてなんともなまめかしいものでした。 ■しかし90年くらいにその塗料が生産中止になり、普通のパールホワイトに変わりました。それからパール系の効果は薄れてしまいました。現在は金、銀系を中心に使っています。 |