小沢代表論文「政権とればISAF参加」国連中心強調
2007年10月06日06時37分

 インド洋で海上自衛隊が行う給油活動をめぐって、民主党の小沢代表が近く論文を発表する。激しい対米批判を展開し、給油活動への反対姿勢を改めて強調。そのうえで、国連決議に基づいてアフガニスタンで活動する国際治安支援部隊(ISAF)について「私が政権を取れば、参加を実現したい」と明言した。民主党はこの論文を踏まえ、テロ対策特別措置法に代わる政府の新法案への対案づくりを進める。

 9日発売の月刊誌「世界」(岩波書店)11月号に掲載される。給油活動をめぐる小沢氏の発言に対して「『アメリカの戦争』というだけでは不参加の十分な理由とはならない」などと論じた川端清隆・国連本部政務官の寄稿(同誌10月号)への「反論」の形をとった。

 小沢氏はブッシュ政権のアフガン戦争やイラク戦争について「米国は自分自身の孤立主義と過度の自負心が常に、国連はじめ国際社会の調和を乱していることに気づいていない」と批判。「世界の平和は国際社会みんなで力を合わせて守っていく以外に論理的にも現実的にも他に方法がない」と主張する。

 インド洋での給油活動については「国連活動でもない米軍等の活動に対する後方支援」とし、「(憲法が禁じる)集団的自衛権の行使をほぼ無制限に認めない限り、日本が支援できるはずがない」と批判した。

 一方で、小沢氏は国際社会への日本の対応について「平和維持への責任をシェアする覚悟が必要」と強調。「国連の活動に積極的に参加することは、たとえ結果的に武力の行使を含むものであってもむしろ憲法の理念に合致する」とし、「私が政権を取って外交・安保政策を決定する立場になれば、ISAFへの参加を実現したい」と踏み込んだ。さらにスーダン西部のダルフール地方への国連平和維持活動にも「当然参加すべきだ」と明記した。

 ただ、現実の派遣判断に関しては「合憲なら何でもやるということではない。国連決議があっても実際に日本が参加するかしないか、どの分野にどれだけ参加するかはその時の政府が政治判断する」との考えを示した。

 論文の最後で、アフガンの現状に言及。「貧困を克服し、生活を安定させることがテロとの戦いの最も有効な方法だ。銃剣をもって人を治めることはできない。それが歴史の教訓であり、戦争の果てにたどり着いた人類の知恵だ」とし、民生支援を重視する姿勢も強調している。

asahi.comより

■ニセモノ野党の本領発揮やね。

■ISAFってもう外国軍が700人も死んでいるそうです。海上給油よりよほど危険。これは議論になるでしょう。一見、というか筋論でいえば正論なのかもしれません。でも、この間の参院選で民主党が「イラク特措法延長反対」と言っているのを聞いて投票した人の中には、国際貢献は非軍事でやるべきという人もたくさんいたはずです。そういう人たちの票までかっさらって大勝し、選挙が終わってこれは、ずるいでしょう。

■ほかにも、もともと小沢代表は規制撤廃・新自由主義論者だったはず。前原前代表にいたっては「小泉改革は手ぬるい」とまで言っていました。それがこの間の選挙では格差是正だとかなんとか・・・。先日小泉元首相が「民主党は協力政党」「自民党非主流派」と発言しましたがまったくそのとおりです。

■そもそも民主党自体ヘンな政党ではありませんか。ここの議員はよく「民主党の最大の目的は政権交代」だと言います。でも、「こういう社会を作りたい」という理想こそ政党の「目的」なのであって、政権交代はそのための「手段」のはずでしょう。つまり民主党は「こういう社会を作りたい」という理想の前に、政権党になるのが「目的」なのです。自分でそう言ってるのですから。だから政策もころころ変わるわけです。

■なに? 釣りやリールと関係ない? じゃあ、リールの話をしましょう(あくまでこじつけなので新聞記事や前半とは何の関係もありません)。

■リールなどの商品にも、「こういうものを作りたい」ということより先に、とにかくシェアをぶんどろうというものが多くありません? 92年に初代が出たステラを考えましょう。アルミボディの高級スピニングは89年に出たダイワ・トーナメントEXが打ち出したコンセプトです。最初シマノは「あんな高いものは売れない」と高をくくっていました。しかし、意外にもヒットしてしまったトーナメントEXに、やっぱり対抗品を作ることにしました。それがステラです。

■どうすればトーナメントEXをやっつけられるか? そのために出てきたのが回転バランスを突き詰めることでした。トーナメントEXは巨大なラインローラーのために回転バランスが犠牲になっていたからです。はたして92ステラをはじめとしたアルテグラまでの4兄弟は大ヒット。こんなものを出されてはかなわないと、ダイワ精工はスピニングの製造ラインを一時止めてローターの改良にかかったそうです(当時シマノの人から聞いた話なので多少大げさかもしれません)。

■でも、私は初代ステラが出たとき、正直がっかりしました。まだ純粋だった私はステラのティザー広告を見て、スカートレスのコンパクトモデルか、カーボンボディーの超軽量モデル、ゴールドスピンのような大口径スプール小ボディーのリールではないかと夢を膨らませていたのです。しかしステラはシマノ版トーナメントEXでした。回転バランスを突き詰めるため開発陣は大変な苦労をしたそうです。でも、失礼を承知で言えば、シマノがダイワ製品の改良をやったに過ぎません。

■ステラは確固たる地位を築きました。でも、その後はどうでしょう? 特にここ何代か、ダイワの打ち出したABS、S字カムによるシンプル構造などの新機軸(ついでに言えば新ルビアスのカーボンボディーも)に対し、フリーズしてしまったかのようです。そもそもの出発点がトーナメントEXをやっつけてシェアをぶんどろうということで、こういうリールにしたいとかこういうリールがほしいといった本当の理想がなかったから、今のようになってしまったのではないかと思います。

■こんなことを書いていると、シマノがよそのコンセプトを後追いしているだけのメーカーのように思えてしまいそうです。でも、BMやバンタム、エアロキャストのころ、つまり私があこがれたころのシマノはそうではなかったと思います。これは私が美化しているだけなのでしょうか・・・。

■反対に、私が(かつての)ミッチェルやシトロエンなどのフランス製品が好きなのは、まずシェアを取ろうではなく、自分たちが理想だと思うものを作ろうとしていたからです。

■たとえばミッチェル4400だって、堅実に売ろうとするなら300シリーズのイメージをもっと入れたはずです。日本に入ってこなかった90年代のイリジウムとかクォーツなどのリールもかなりへんてこなものでした。シトロエンのデザインが個性的というかヘンなのも昔からです。プラナマティックもハイドロニューマチックもあえてこれを採用しなければならない機構ではありません。でも、これが彼らの理想なわけです。ついでに言えば300Xeシリーズがつまらないリールになってしまったのは、たくさん売ってシェアを取るには売れ線のリールのデザインをマネすればいいと考えたからです。

■商品も政治もシェアばかり考えているとつまらないものになるということです。かといって、独自路線が成功するとも限りませんが。