諫早湾干拓:国が控訴 環境アセスを実施 開門調査先送り

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防開門を国に命じた佐賀地裁判決を不服として、国は10日、福岡高裁に控訴した。一方で、同日会見した若林正俊農相は、開門を求める地元の声に配慮し、開門の影響を探る環境影響評価(アセスメント)をすることも明らかにした。ただ、事業を主管する農林水産省では、中長期の開門調査は「農漁業への悪影響が大きい」などと否定的な声が強く、実際に開門調査をするかどうかは今後のアセスメントと政府内の調整に先送りした形だ。

 一方、原告側も「福田政権の無策と理不尽な控訴に抗議する」として、11日に控訴することを明らかにした。

 同訴訟は、潮受け堤防閉め切りで漁場環境が悪化したとして、佐賀、福岡、熊本、長崎の4県の漁業者ら約2500人が国を相手取り堤防撤去や常時開門を求めた。6月27日の佐賀地裁判決は、諫早湾などで起きている漁業被害との因果関係を一部認めたほか、国側が中長期の排水門開放を拒んでいることについて「原告に対する立証妨害」として、5年間の開門を命じた。

 農水省は(1)開門すれば海水が調整池に流れ込み、干拓地での営農が困難になる(2)水位調節ができなくなり、洪水などの危険性がある−−などと主張。同訴訟に先立つ工事差し止めの仮処分申請で原告側の主張を退けた福岡高裁の決定(最高裁で確定)との整合性もないとして、法務省などと協議の結果、控訴に踏み切った。

 一方で、若林農相は佐賀、熊本両県を中心に開門を求める漁業者らの声が強いことから、環境省と調整してアセスメントをし、地元関係者の同意を得ながら開門調査を含め今後の方策について検討していくことを表明した。ただ「判決が命じたような(長期間の)常時開放でない形も探るべきだ。(アセスメントの結果)開門しないこともあるかもしれない」と述べ、短期の開門にとどめたり、開門を実施しないことも選択肢として排除しない考えを示唆した。【行友弥】

2008/7/11 毎日.jpより

■環境をテーマにした洞爺湖サミットが終わるのを待って控訴です。姑息です。

■アセスメントもくそも航空写真の水面の色を見れば堰を開放すべきは明らかでしょう。ただの時間稼ぎです。

■諫早干拓、長良川河口堰、徳山ダム、進行中の川辺川ダム、無視された淀川水系流域委員会の提言・・・全部土建業界と政治家、役人の癒着でしょう。この国は腐りきっています。

■こんな国がエコだの生物多様性だのCOP10誘致だのと、あほらしくてものも言えんわ。