河村・名古屋市長の支持率63% 導水路「不要」83% 2009年10月20日 朝刊

 河村たかし名古屋市長が28日に就任半年を迎えるのを前に、中日新聞社は17、18の両日、市内の有権者500人を対象に電話世論調査(無作為抽出方式)を実施した。河村市長を「支持する」と答えた人は63%に達し、議会との対立で足踏みが続く市政運営とは対照的に、依然として高い支持率を保っていることが分かった。

 市長を支持する理由は「政策に期待できる」が44%で最高。「親しみを感じる」が2位の25%だった。

 河村市長が就任直後に撤退を表明し、民主党政権で凍結が決まった「木曽川水系連絡導水路事業」は83%が「不必要」と答え、市内では不要論が支配的となっている。

 二大公約に掲げている「市民税減税」と「地域委員会」は、「福祉にしわ寄せがない」など条件付きも含めると、それぞれ86%、56%が「導入すべきだ」と回答した。

 9月定例会で減税案が継続審査になり、教育委員の人事案が否決されるなど、対立が目立っている議会との関係については「議会は市長に協力すべきだ」が47%で、「市長が議会の意見に耳を傾けるべきだ」は24%だった。

 一方、河村市長を「支持しない」と答えた人は9%。理由は「人柄が好きになれない」がトップの45%を占めた。河村市長に「投票した」と答えた270人中、「今は支持しない」のは1人だけだった。

 市長の名古屋弁は63%が「もう少し上品に」「やめてほしい」と否定的だった。

 過去最高の51万票を獲得した4月下旬の市長選での得票率は58・56%だった。


尾張8市、河村流に「ノー」 導水路事業で対立
 2009年10月31日 朝刊

 河村たかし名古屋市長の政治手法が波紋を広げている。親しみやすいキャラクターで支持を集めてきたが、議会との対立を深める姿勢に、選挙で1票を投じた有権者から戸惑いの声も。撤退方針を示す木曽川水系連絡導水路問題では、周辺の市長も“反撃”ののろしを上げた。対立の行方はどうなるのか。

 徳山ダム(岐阜県揖斐川町)の木曽川水系連絡導水路事業で、撤退方針を掲げた河村たかし名古屋市長が近隣33市町村長を招いて11月9日に開く意見交換会をめぐり、愛知県尾張地方8市の市長らは30日、一宮市役所でそろって記者会見し、「河村流」にノーを突き付けた。

 一宮、津島、犬山、江南、稲沢、岩倉、愛西、弥富の市長らが出席。田中志典犬山市長が「(河村市長は)導水路の現状が本当に分かっているのか」と口火を切った。

 伊藤文郎津島市長も「海抜の低い土地では市民の安全にかかわってくる」と厳しく批判し、堀元江南市長は「木曽川の自然生態系を守るためにも導水路は着実に進めるべきだ」と語気を強めた。

 市長らは会見に先立ち、河村市長に対して「意見交換会では河村市長本人と話し合いたい」と申し入れた。

 申し入れによると、河村市長が15日付で各市長に送った開催案内で、河村市長は「司会進行」で、導水路反対派の専門家との意見交換になっていると抗議。「私たちが話し合いを求めているのは、第三者ではなく河村市長本人だ」と訴えた。

いずれも中日新聞より

■この2つのニュースを読み比べると、首長が市民よりも土建業界のほうを向いているのがはっきり分かります。導水路しかり、八ッ場ダムしかりです。

■最近、地方分権がさも良いことのように言われることがあります。私は絶対そんなことはないと思っています。本当に地方に権限を委譲してしまったら、いままで以上にダム工事や道路工事にお金が使われるようになることでしょう。