長良川河口堰:開門調査、賛否意見420項目に 専門委、報告書まとめ来月に /愛知

 運用開始から16年目を迎える長良川河口堰(ぜき)(三重県桑名市)を検証する県の専門委員会が27日開かれ、「開門調査が必要」とした報告書案に対するパブリックコメントが報告された。賛否それぞれの立場から多数のパブリックコメントが寄せられたことから、専門委は報告書案の表記を修正するため、報告書のとりまとめを11月7日の次回会合に持ち越した

 パブリックコメントは9月24日〜今月23日に募集。53人から延べ420項目の意見が寄せられた。
 開門調査が必要とした専門委の判断について「開門に伴う農地の塩害が懸念される」「開門調査に伴う費用は愛知県と名古屋市で全額を負担すべきだ」などの意見があった。また、専門委の議事運営について「開門ありきで議論している」「河口堰反対派が多数を占め中立性を欠いている」などの批判もあった。

 専門委はパブリックコメントについて意見交換。パブリックコメントを反映させた上で、開門調査実施を盛り込んだ報告書をまとめることで合意した。

 一方、委員を務める藤田裕一郎・岐阜大流域圏科学研究センター長(河川工学)の辞任も報告された。辞任理由は「本業が多忙になった」としているが、関係者によると、開門調査に踏み込んだ議事運営に不満を募らせていたという。報告書のとりまとめが大詰めを迎えているため、後任の専任は見送る。

 河口堰の開門調査は大村秀章知事と河村たかし名古屋市長が共同マニフェストに掲げた。専門委は河川工学や環境、生態学などの専門家で構成。環境や利水、治水、塩害などのテーマごとに議論してきた。

 報告書は上部組織の検証プロジェクトチームを通じて大村知事に提出される。大村知事は報告書を踏まえて対応を判断するが、開門調査には国や岐阜、三重両県の同意が不可欠だ。【加藤潔】

毎日新聞 2011年10月28日 地方版

■これだけ読むと、長良川河口堰開門調査に対して、塩害があるとか、費用を愛知と名古屋で負担せよとか、委員会が中立でないとか、批判ばかりがきたように思えてしまいます。これはウェブ上の毎日新聞ですが、朝日新聞は「批判的な意見のほうが多かった」と書いています。

■もう憶えていない人も多いでしょうけど、河口堰の建設が議論になっていたころ、NHKも民放も新聞社も賛否の世論調査を頻繁にしていました。町長が魚を捕っていない人まで漁民にして補償金をばら撒いた某町を除けば、岐阜も愛知も大半の地区で6〜8割の人が建設反対だったものです。09年にも、長良川河口堰のアリバイ作りともいえる木曽川水系連絡導水路に対して、名古屋市民の8割超が反対だという調査結果が出ています。

■にもかかわらず、開門調査に批判の意見ばかりくるのはおかしいでしょう。ついでにいうと、委員会が中立でないって意見もきたとありますが、世論に比例させたら半々でもおかしいわけで、途中で降りた藤田とかいう人は、原子力村ならぬダム村でしかものが言えない御用学者か何かだったのでしょうね。

■注目しなければならないのは、パブコメに意見を寄せた人の数です。53人ですよ! 53人! ヘンなものと比べてしまいますが、ブラックバスの特定外来生物指定のパブコメは10万件でした。ほとんど一般の人に知らせずに、パブコメ集めをしていたということになりませんか。

■そんな、こっそり行われていたパブコメに意見を寄せた人って、どんな人たちなんでしょう。原発のヤラセ説明会みたいです。