どうしたカーディナル

 シンプルで使えるリールかなと買ってみたものの・・・。

カーディナル302
 カーディナル302です。なかなか高級感のあるグリーンメタリックボディ。チタンコーティングステンレススプールリング(たぶん)が、最近日本メーカーがやっているゴールドアルマイトの偽スプールリングと違うのがいいです。
 でも、金色のベールとかストッパーレバーは、シルバーのほうがいいと思うけどな。スプールの穴もくどいかも。

アブのこだわり
 私の記憶のかぎりでは、アブはベールの支持部にタップボルトを使ったことがありません(ごめん、灯台下暗し。現行CDシリーズはボルト止めでした。たぶんローターは樹脂だからタップボルトでしょう)。金属製の軸を止め輪で止めます。
 実際動きがスムーズで、ベール反転も好感触です。

ただのオムツじゃないぞ
 ボディ後部にオムツを付けるのが、昨今のデザイントレンド。でもこのリールのはただのオムツではありません。
 カバーを取ると、ギアが見えます。ボルト1本外せば、ギアのグリスアップができるのです。シマノの“オイルインジェクション”よりギアがよく見える分いいと思います。
 なぜこれをカタログで言わない。勉強不足だぞPFJ。

平行巻き機構
 カタログでは“ギアリダクション”と書いてありましたが、最近ダイワ・カルディアなどが採用している、新平行巻き機構です。
 よく見るとオシレーションスライダー(摺動子)が、S字(の裏返し)型をしています。これによって、死点に近づくときスライダーをぐっと押し出して、スピードを上げて糸が盛り上がるのを防ぎます。ふたたび、勉強不足だぞPFJ。
 でも、死点から遠ざかるときは・・・あれれ、なんで平行に巻けるんだ? まあいいか、ちゃんと巻けるし(結局わかってない・・・)。

あれれ
 このリールを買ったのは、ハンドルがよさそうだったから。アンバサダーのハンドルはこのタイプのベストだと思います。
 ところが、このリール、デザインは同じでも、カーブが違います。見た目だけコピーしています。OEMしているメーカー(オオクマか?)が、そこのところをわかってないようです。

げっ
 ハンドルの予感が当たりました。リールをわかってる会社なら、こんなことはありえません。スプールに人差し指が届かない! 糸を人差し指にかけるのも、やっとこさです。これじゃ、使えません。
 OEMしたメーカーが悪いとしても、これを通してしまうアブもお粗末です。

言い訳はさせません
 アメリカ人ならこのくらいでも届く? あのね、それならカーディナル44は日本向けにボディを作ったんですかい? しかも、33/44は、ラインコントロールしやすいように、ローターブレーキまで付いていたんですよ。
 それに、「アメリカ人なら届く」なんてのは、80年代、シマノ社内で私が、「シマノスピニングはスプールが遠い」と指摘したとき、開発メンバーが決まって言った回答そのものです。そのシマノでも、いまやスプールを近づけて、ローターブレーキを付けてるのに。
 アブが15年前のシマノになっちゃった !!

 最後の指の届きにくさは、リールの脚を小指と薬指の間に挟む人なら問題ないのかもしれません。でも、リールというのは、基本的な使い方でまず問題なく使えるようにしなければならないものだと思います。
 たとえば、前のページのEONは、人間の手を考え尽くしたリールです。その同じアブから、なぜこんなリールが出てきてしまうのでしょう。これ以外の部分はけっこういいのに、本当に残念です。 (2003/5/28)

AbuGarcia