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 Kガイドに換装したフェンウィックレガシー66Lの試し投げに行ってサワラを釣って以来、ちょくちょく日本海に行っています。釣れたのは最初の敦賀と二回目の小浜きりですが、ジグは投げるだけでも楽しい。ただ、レガシー66Lは適合ウエイト上限10gなので慎重に投げても15gが限界。そのうち力を入れすぎて折っちゃったり自分を釣ったりしそうです。それでレガシーの66ミディアムが欲しいなあとか思っていたのですが、フェンウィックにこだわらなきゃ66ミディアムあるやんけと引っ張り出したのが、写真のシマノマグナムライトGT2652ファイティングロッドでした。(2019/11/18)

 ここまで読んで、ガイドが違うやろと思った人は……おらんやろけど、そのとおり。このロッドは学生時代に買ったもので、湖西線に乗って琵琶湖へバス釣りに行ったものです。ところがこのロッド、免許を取った直後の夏休み、親父のスカイラインを借りて庄川御母衣ダムに行ったとき、同行者に車のドアに挟まれて1番が折れてしまいました。そして、釣り具店に修理に出したところ、すでにGT2652のパーツはないということで後継機種マグナムライトXL2652の1番が付いてきたのでした。

 メガホンブランクのファイティングロッドはマグナムライトGTが最初でした。XLはガイドフレームが金色になったほか、シングルハンドベイトのシート部分がスリムになりました。次のスピードマスターSMではスピニングとダブルハンドベイトのシート部分がそれまでの樹脂成型品インサートから、ブランク一体の中空になって軽量化されました。続くビーストマスターBMはたしかヘビーモデル中心だったような記憶があります(国内では売らなかったかも)。このほか海外向けにはブルウィップBWなど低価格版がいくつかありました。

 そして最後がバンタムスコーピオンファイティングロッド、と書きかけてそんなのあったかなとググったらありました。記憶があいまいなのは最近ぼけてきたのと、ちょうどこのころ(90年ころ)ファイティングロッド自体が廃れたせい。ともあれ、国内専用ということもあって、やっとここからSiCガイドになりました。

 ファイティングロッドの直感ブランク(直感グリップ)といえば、こないだ出た『シーバスライフ』のエクスセンスロッド記事のカーボンモノコックグリップのところで「ルーツは80年代にシマノが渓流竿などに導入した直感グリップ」と書こうかと思ったのですが、すでにハイパワーXのところで似たようなことを書いとるし、昔話ばかりもなんやなと思ったのでやめときました。

 話は戻って、マグナムライトGT2652(ワン&ハーフの1番が変わったのだからもはやXL2652か?)は弟にやったのですが、実家に放置してあって、再び私の元に戻ってきたのでした。トップガイドは石割れし、フレームも緑青を吹いていたので、こいつをKガイドにしてしまおうと。改造が終わったころ、サワラはまだいるのか?

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 2019年11月10日、先々週の思わぬ1匹、先週の2匹という天文学的サワラ釣果にまたしても日本海に行ってしまいました。しかし3度目の正直でボウズ。ちがうか。(2019/11/11)

 早起きはしんどいのでいつものように朝の人が帰る昼ごろ着いて夕方まで。3時ごろバイブレーションで1匹釣った人がいました。ジグにスレているのかとジグ以外で唯一持っていっていたダムサイド10gを投げたら2回アタリがあった(!)ものの掛からず。あとは港内でジグをシャクってエソが釣れただけ。エソでもええから写真撮ればよかった。

 この日も適合ルアー3.5〜10.5gのレガシーLG65SL-2で15gまでのジグを投げていました。ガイド数据え置きのK・Rコンセプトもどきですが、軽くノントラブルでよく飛びます。もしかしたら富士の言う標準数まで増やしたらさらに性能が上がるのかもしれませんが、オリジナル状態(あれはあれで味だがそっちバージョンはランカーギア版を持っているし)より軽くシャープなのは確かなんだからよかろう。

 でも、もう少し重いのも投げたいし、間違って大きい魚が来たときとかを考えると、もうワンランクごついロッドが欲しいなと。素直にショアジギロッド買えよというか、そこまでいかなくてもすでに持っているアルジェンテ86Lとかワールドクラス83ML(ティップをKガイドに換装済み)を使えばいいのですが、高い釣り座が嫌いで写真みたいな低い堤防しか行かんし、66くらいの竿が体も楽でいいんですな。身軽が身上のルアーフィッシングらしいし。

 で、思い出したのが、今年の春に某中古ショップをぶらついて見つけた2100円のランカーギアLG65SM-2でした。よっぽど買おうかと思ったのですが、そのときは使い道が思いつかなかったので、見送ってしまいました。あれを買っておいてKガイドにしたらちょうどよかったのに。こういう古いロッドはたいていヤフオクなどネットでしか手に入りません。そうすると1000円やそこらは梱包配送料でかかります。ということは店頭で2100円なら、ネットで1000円の竿を買うのと同じだったわけで、つくづく失敗したなあと。

 別にフェンウィックそれも誰も欲しがらん90年代台湾製のものでなくてもええやんけというところですが、最初に買ったのがこのレガシーだったので、これがイメージなのですね。ルアーを知ったのは70年代ですが、あの時代のフェンウィックはとんでもない高級品で手にしようという気がせず、かえってイメージが残っていません。デザイン的にもグラス時代のクロススレッド飾り巻きは個性的でしたが、カーボンになったころのは見た目も特にぱっとしなかった感じ。台湾時代のはデザインと、グリップも好きかな。昨今のトラウトロッドみたいにどや渋いやろみたいな気取ったところがなく、かといってバスロッドほど先鋭的でもなく、そして何より握りやすい。

 せやけどまあ、赤線ミッチェルをありがたがるがごときヘンタイなのは確かか。赤線ミッチェルも好きやけど。

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 2019年11月4日、小浜のサワラです。またまた朝食後ゆったりと出発して新敦賀港に向かったものの、どうせまた満員だろうし柵越しに投げるのも嫌だなあと、敦賀へ入る所で気が変わって方向転換、小浜に向かいました。11時前に着いて、真昼間に1匹、夕方もう1匹。上出来ではあるまいか。(2019/11/4)

 ロッドはまたまたフェンウィックレガシーLG65SL-2をハイフレームKガイドに換装したもの。1/8〜3/8oz(3.5〜10.5g)指定ですが、ゆっくり乗せて投げれば写真のジグパラ15gも大丈夫。でもやっぱり気持ちよく飛ぶのは7〜10gくらいで、竿が負けない分このくらいのほうが飛びます。

 ラインは引き続きPE0.6号にフロロ1.5号のリーダーです。最初の魚を釣ったあとリーダーに傷が入っていたので、リーダーの先にフロロ5号を30cmつないで使いました。

 リーダーを全部5号にすると、根掛ったときFGノットでいってしまうので、メインは1.5号のままです。以前サンラインのカタログで並のPEはナイロンの2.5倍の強度と書いてありました(現在はPEが強くなったのでもう少し上の数字になっています)。だからPE0.6号なら2.5倍の1.5号フロロまでにしています。

 写真のラインはラピノヴァ0.6号で、表示強度14lb弱くらいです。でも、ノットのバラツキとか繰り返し根掛かりを切ったときとかを考えると、2.5倍の号数くらいまでにしておくのが無難ではあるまいかと思っています。

 FGノットといえば、この前の釣行から結ぶときPEにグリスを塗るようにしたら、編み込み部がきれいに仕上がるようになりました。特に細い号柄はハーフヒッチでメインラインを何回もこするのがヤバそうなので、この部分の強度も安定するのではないかと思います。

 話変わって、また今日もインドで『80年代リールの歴史』が売れました。以前からインドでだけポツポツ売れます。しかも売れるのはこれだけでほかのは出ない。インドで何が起こっておるのでしょうか。

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 2019年10月26日、敦賀湾のサワラです。アジかサバが釣れないかと7gのメタルジグを投げていたら釣れてしまいました。レガシーLG65SL-2でサワラを釣る日が来るとは思いませんでした。(2019/10/26)

 リールは15ツインパワーC2000HGS。なんか雰囲気が違うのは夢屋のC2000Mスプールを付けているからです。

 このリールは買って早々に部屋で落っことして、オシュレーションスライダーとメインシャフトの組みを交換しました。その際ついでにウォームシャフトの前後をBB支持に変更しました。そこへこのスプールで、なんだかけっこうお金をつぎ込んだリールになってしまったのに、あらためて振り返るとヤマメとアマゴを少々釣っただけでした。

 それで、こりゃあもったいないぞと、PE0.6号を巻いて久しぶりに持ち出したのでした。

 最近のだるーいパターンで、朝飯を食ってから敦賀へ走って、11時過ぎにフェリーターミナルの前の釣り公園みたいなところに行ったものの満員御礼だったので、旧敦賀港に逃げました。足下に小さいジグを落としてみたもののメバルもアジもついてこないので、7gのジグを投げて底をしゃくったら30cmくらいのエソが釣れました。

 1匹目のエソに続けて釣れたのがこの魚で、ちょっとびっくり。この後もぽつぽつエソのアタリとヒットがあって、けっこう楽しめました。元々夕方のメバル・カサゴがメインで、ジグはKL-Hガイドに換装したレガシーのキャスティングによるストレス解消のためみたいなつもりだったので、良き日でありました。

 もっとごついのが来ちゃうとライトアクションロッドにPE0.6号はヤバいかもしれませんが、メタルジグは飛距離が出るので、もうちょっと強めならこのくらいの長さのロッドも軽くていいような。

 そういえばツインパワーの前にストラディックが19型に新しくなりました。ツインパワーは今のXDみたいにあとから大きめのだけ出すのかな。

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 最近のキンドルの中身。『特捜部Q』はデンマーク製のサスペンス。こないだ「前これ読んだなあ」とアマゾンプライムビデオで映画版を見ました。ところが、購入履歴を調べると小説版は買っていませんでした。なんと以前プライムビデオで見たのを忘れて、もう一回見たのでした。しかも見終わるまで全く気付かず。なんたる記憶力……。(2019/10/19)

 で、あらためて第一作を読んだら面白い。で、結局7作(うち1作は上下巻なので8冊)全部買って読んでしまいました。あらためて見たらけっこうな金額だがや。

 で、同じ欧州製のサスペンスもので読んでみたのが『ミレニアム』。でもこれは半分行かずに投げました。面白いとか面白くないとかではなくて、描写の書き込みが多すぎます。たとえば登場人物が事務所に入るシーンで、事務所の間取りやら備品やらが1ページ以上かけて書かれます。で、それがストーリーに関係あるかというと、特にない。全編こんな感じで、描写を読んでいるうちにそもそも何の話か分かんなくなってギブアップ。

 対照的なのが次の『ペンギンを愛した容疑者』。これはシリーズ物の3冊目で、以前テレビドラマになっていたやつ。著者大倉崇裕氏は同じくドラマになっていた福家警部補シリーズとかアニメ版ゴジラのノベライズ本を書いた人。話も面白いですが、よけいな描写がなくてめちゃめちゃ読みやすい。

 昔買ったアンソロジーに入っていた伊坂幸太郎の短編で、老夫婦がボロアパートに住んでいることを書くためだけに、冒頭から1ページ以上使って、こんな道を通って角を曲がって坂を上ってスーパーの裏を通ってうんぬんかんぬんとアパートまでの町の様子が描写してあるのがありました(1ページといっても字の小さい本だったから文字数はかなりのもの)。私のような頭の作りの粗末な者は、一生懸命脳内に地図を浮かべようとしていきなり疲れてしまいます。で、これまた『ミレニアム』と同じく、ストーリーに何の関係もない。

 以前忠類川に行ったときホテル川端で会ったアングラーが「開高健の文章を読むと鬱蒼とした森や川の風景が脳内に浮かび上がる」と言っていました。残念ながら私は開高を読んでも難しい漢字がたくさん使ってあるわ文がくどくど長いわで、脳内にはなんも浮かんできません(そういえば昔忠さんに「開高健の文章はちっともいいと思わない」と言ったら変な顔をされました)。

 おそらくこのアングラーみたいな上等な脳みその人は、『ミレニアム』やら伊坂幸太郎やらを読むと、瞬時にして映画のセットのようなものが脳内に構成されるのでしょう。私は小学生のころから、漢字の読みテストはいつも満点なのに書き取りテストはからきしで毎日居残りさせられていたような人で、おそらく物の形を正確に描くことができない脳みそなんだと思います(だから図面も描けんわけや。よおそれでリールを設計したいなどと言っとったもんやな)。

 昔新人賞獲らせますみたいな本で、「小説はとにかく書き込め」と読んだことがあります。少なくとも私レベルの脳みその人にそんなことはないと断言しときます。

 『スワロウテイルの消失点』もシリーズものですが、この著者のものはこのシリーズ以外のものも含めてまったくハズレがありません。全巻買ってしまいました。

 『極悪鳥になる夢を見る』は、『新世界より』とかの貴志祐介氏のエッセイや講演を集めたもの。面白いですけど、バスやらアリゲーターガーに関する記述は貴志氏でもこんなもんかとちょっと思いました。やっぱ一般の人の受け止め方はこんなもんなんでしょう。

 『労働者の味方をやめた世界の左派政党』はタイトルそのままの本。たしかに今はトランプとかルペンとか右派がむしろ労働者に支持されてます。

 でまあ、私の小説やエッセイは自分の脳みそでも読めるように書いている(というより難しいことはよう書かん)ので『川マス』『ユキ』『アキ』『フィッシングライター陽子』とも、読みやすさだけなら大倉崇裕氏に負けません。

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 2019年9月22日、大江川のバスです。なんと今年2匹目のトップ。いつだったか足下ですごい捕食音がして、何事かと思ったらハラビロカマキリが水面でもがいていたことがありました。本物ですら寸前で食わないくらいスレているのにプラグで釣ったわしは偉い? (2019/10/11)

 いつもちっこいトラウトばっかり釣っているため、たまにバスを釣ると重くてよく引いて面白い。しかしHMGグラファイトGFS64Jのベンディングカーブがひどいへの字だということも、バスが足下に突っ込んだときようわかりました。グレードの低いレガシー(ランカーギア)よりいびつとはなんということ。

 なんかこの竿は「先ペラ」みたいな感じ。先ペラとは昔シマノでいわれていた言葉で、渓流竿などを店頭で振ったとき穂持ち(2番)から先がプラプラするような調子のことです。うっかりすると、繊細なティップとしっかりしたバットを併せ持ついい竿と思いがちなのですが、カーブのつながりがなくて、実際はダメダメという。

 このころのGFSのブランクはレガシーと共通だと思うのですが、外周研磨が雑(前も書いたがジョイントの肉厚が左右で倍以上違うほど)で調子にバラツキがあるのかも。

 もうひとつ考えられるのは、ガイド配置です。一応上級グレードなので、GFS64はレガシーLG65SL-2よりもガイドが一個増えています。GFS64はガイドが増えた分密にしていると同時に、バットガイド位置がかなり手前に来ています。

 ジョイントの周辺には、補強やジョイント部の重なりで曲がりにくい部分と、その前後の曲がりやすい部分があるはずです。この、曲がりにくい部分にガイドの足がきても調子は変わりませんが、曲がりやすい部分に足が来るとその部分は硬くなるはずです。

 そう思って見ると、LG65SL-2に対しGFS64はバットガイドがジョイントから遠ざかり、バットのいちばん曲がる所に来ているように見えます。さらにバットガイドのひとつ先のガイドは、補強やブランクの重なりで元々曲がらないジョイントのところに来ています。それで、GFS64のほうは1番が軟らかく、2番が硬くなって、先ペラみたいになっちゃったんじゃなかろうかと。

 似たようなことはイーグルGT EGTS66L-2でも経験しました。このロッドは何年か前にクロームメッキのガイドをSiCニューコンセプトに巻き替えました。しかしこのころ私は富士のガイドスペックを見間違えていて、ガイド位置をリングではなく脚がスレッドから立ち上がる部分で決めていました(はずかし)。こうすると、LSGはほとんど変わらなくても、YSGは全体に前に寄ってしまいます。

 で、数年後に気づいて(遅いわ)、YSG8L〜YSG25をバット寄りにずらしました。

 すると、ガイド位置修正前は手元からしなるような感じだったものが、修正後はスロー気味ながら普通のレギュラーテーパーな感じになりました。

 ふうむ面白い。

 なんのかんのと最近ときどきバス釣りに行きます。このへんの複雑な心境は『川マス』にもちらとあります。釣り人は心に傷がなんとやら。

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