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 2020年2月7日、毎年恒例フィッシングショー大阪に行ってきました。昨年からカーナビで行っていますが、なぜか昨年通った第二京阪経由のコースではなく、名神を直進して豊中から阪神高速池田線に乗るコースを案内しおりました。でも、30年前堺から琵琶湖に行った帰り、池田から阪神高速に乗るときヤクザの車にぶつかりかけて、高速上で前をふさがれて車を止められ、ドアを思いっきり蹴ってへこませれて以来よお乗らんので、吹田から近畿道で南下してインテックスまで行きました。(2020/2/10)

 ヴァンキッシュが先に出て、フェードアウトか出てもXDモデルみたいに中型以上のサイズに絞るかじゃないかと思っていた20ツインパワーが出ました。アルミ/カーボンのハイブリッドボディにMgもしくはAlのメタルローターという新しい組み合わせ。ヴァンキッシュがMg/カーボンのハイブリッドだから当然と言えば当然かしら。

 モノコックボディは金属だけかと思ったらルビアスもモノコックになりました。なるほどなるほど。そういえば去年はウェブだけだったカタログは、今年紙が復活していました。

 感想がたんぱくなのは、コロナ肺炎怖さでササっと行ってササっと帰ってきたから。見学を禁止したチェーン店もあったという話で、人は例年の半分くらい。中国の人も少なかったように感じました。かかっても危険度はインフルエンザくらいなのでたぶん死なないと思いますが、うちは両親が80を超えていて、しかも親父が昨年から老人施設なので、面会などで持ち込んだらシャレになりません。そんなわけでマスク着用(目前でくしゃみでもされない限り効果はないそうですが……)で、半日くらいで帰ってきました。

 たんぱくなのは、まあこれ以上良うしてもしゃあないやんかみたいな気分もあったりします。でもメーカーはそんなことを言うわけにいかないので、大変です。いやはや。

 リール以外では富士のニューコンセプトのハードガイドセットが面白かったかな。ワンセット1000円ちょっとで未経験者をガイド改造の世界に誘い込もうというもの。どうせならKガイドのほうがいいような気もしますが、PEはSiCということ(タテマエ?)なので旧式のL&Yガイドになるのかしら。

 富士の人と話していたら、ガイド巻き替えは投げ釣りと淡水ルアーの人がメインだそうです。意外にもルアーでもソルトの人は少ないそう。海ルアーが本格化したのはバスバッシングでバサーが海に進出した2000年くらいから。たとえばこのころエギングロッドが登場しましたが、すでにニューコンセプトになっていて、Kガイドこそ未登場だったもののLDBやLCはありました。だから、このころのロッドは今も使えるちゃあ使えますもんね。

 劇的に変わるのはニューガイドコンセプト登場の1995年以前のものでしょう。となると、ガイド改造のメインが淡水のロッドというのもうなづけます。

 自分もここのところ渓流でいちばん使っているのは、フェンウィックランカーギア56ULのガイドを数据え置きK・Rコンセプト(?)にしたものです。改造前は8mmトップに振り回されるデロンデロンのロッドでしたが、とても軽くシャンとなり普通に使えるようになりました。ジョイントが盛大に突っ張る90年代台湾製フェンウィックでこれなのですから、ちゃんとしたメーカーのものならもっと良くなるはずです(ロッドブランクこそ、これ以上良うしてもしゃあないやんの世界かも。特に6ft以下のものはグラスだって使えるくらいなんだからカーボンなら昔のでも十分でしょう。ナノアロイとかで折れにくくなったったって、そもそもルアーロッドなんて折るほうがおかしいわけで……おっといけねえ、これじゃあ前々回に書いた昭和の老害そのものやんけ)。

 話は戻ってニューコンセプトのハードガイドセット、モーターやら何やらを揃えて手間暇をかけるならせめてSiCくらいにしそうな気がしなくもありません。いっぽうで、すでにロッド改造をいくつかやった経験者が、子供が釣りを始めるときにお父さんが昔使っていたロッドを巻き替えるとか、いつもSiCにしていたけどそもそもハードガイドってどんなもんなんよみたいな好奇心で巻いてみることもありそう(自分がガイドを巻き替えるときもどんな風に調子が変わるかの好奇心が動機のかなりの部分を占めています)。どういう人が購買層になるか興味深いです。

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 2020年2月1日、一応岐阜県は渓流解禁日ということになっているので、根尾川をちょろっとのぞいてきました。上流の橋に見えるのは魚を放流するためのホース。その下に放流目当てのエサのオジサン方が集結しております。遠巻きにして下流で投げてみましたが、放流数時間でここまで落ちてくるはずもなし。(2020/2/3)

 今年は大野橋周辺など下流域の放流はやめになりました。それにともなって最下流に設けられていたルアー&フライ専用区は漁協前になり、それ以外のところは写真のような堰堤下のスポットや、人工的な分流、小支流だけになってしまいました。

 下流域の広いところに成魚放流をすると、カワウが居付いちゃうからでしょう。下流は土砂の堆積が進んで魚が隠れるところがなく、たとえ漁協のあたりでも魚が残るような環境ではなくなったように見えます。谷汲大橋のあたりで放流していたころは、その下の流れにカワウがずーっといたものです。だからスポットに放して、エサで全部釣っちゃってよ下手に残すとカワウが来るし、てなところでしょうか。

 それ以前に、そもそもあのあたりはアマゴ域じゃない……かというと、20年くらい前に買った岐阜のフライ釣り場ガイドみたいな本に、漁協前の堰堤上のプールで夏前に本流アマゴがでんでんみたいなのを読んだ記憶があります。

 根尾川はあまり昔には行っていなかったので自信がありませんが、同じ揖斐川水系の粕川は中学時代地元釣り雑誌で完全に平地になる県道のあたり(現在はフラットな砂利の川原にわずかに水が流れるのみ)までアマゴが釣れるような記事を見た記憶があります。そこまでいかなくても、日東あられの工場のあった谷っぽくなりはじめるあたりで、川で生まれたような小さいアマゴを見たことがあります。だから昔はけっこう下までアマゴはいたはずです。

 20年前に恩田俊雄さんを取材したとき、郡上八幡では解禁初期(長良川も2月解禁)に谷に入るのは恥ずかしいことで、アマゴは吉田川や長良川の本流で釣るものと聞きました。

 2月に渓流で釣りをするのはそもそも無理無理で、本来平地に近い本流域でアマゴを釣るものだったのでしょう。しかし現在川の中流域は、土砂の堆積で河床が上がりかつ砂泥底になったところへカワウは来るわ夏はゲリラ豪雨で流されちゃうわで、渓流魚の棲めるところではなくなった感じがします。吉田川や長良川の詳しい様子は知りませんが、20年前の恩田さん取材時すでに本流ではアマゴは釣れなくなってきているとのことでした。

 魚が棲めない所へ放流しても再生産はおろか、さらにカワウを増やすだけ。ならば、放流などやらないほうがいいということになるでしょう。

 上がった河床を掘り下げれば治水上も良さそうですが、各地の堤防強化ですらダムを作るためにあえて抑えているなんて説もあるくらいだから、ムリでしょうなあ。

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 2020年1月26日若狭湾のメバルです。夕方近くになってなにやら5cmくらいの細い魚が水面近くをわらわら泳ぎはじめ、夜になったらそれを食いにメバルが浮いてきそうな気もしましたがこれでおしまい。基本夜釣りが嫌いで暗くなったら帰るのでいつもこんなもんです。この1.5倍くらいのカサゴも釣れましたがピンぼけでした。五十歩百歩か。(2020/1/27)

 海なし県の岐阜からだと一番近い若狭湾でも2時間はかかるんでたいてい夕方までで帰ります。で、この日は帰りに敦賀の吉野家で夕食を取りました。吉野家は学生時代に100円引きセールをやっていて、270円目当てによく行ったものです。

 数十年ぶりに入っていまだ三百数十円というのはエライことやなあと思ったのですが、びっくりしたのはえらく待たされたこと。学生の頃は、注文を言ったら即座に出てきたもんです。遅くなった理由のひとつはドライブスルーができてそっちの袋詰めで忙しいこと。もうひとつはメニューがめちゃくちゃ増えているせい。昔は牛丼の並と大くらいしかなくて、せいぜいおまけに卵や漬物、みそ汁をつける程度だったものです。こりゃスタッフの人もかなわんわ。

 似たようなことは同じく敦賀の丸亀製麺でも経験していて、昨年暮れに行ったときのこと、駐車場も店内の席も空きがあるのに、注文待ちの人の列が店の外まで続いていました。ここも、かけ、かまゆで、ぶっかけ、おろし醤油の基本うどんに加えて、海鮮なんとかかんとかみたいなメニューが増えたおかげでスタッフさんがついていってない感じ。

 中央の本部はいろいろ考えて新メニューやら戦略を考えるんでしょうけれど、末端からしたら労働強化ですわな。

 この日使ったロッドはHMGの60UL。ライトソルトロッドも何本か持っていますが、最近はええやんこれでの気分。ロッドなんてキャストウエイトが合っていればたいてい使わるわけで。

 もっとも、そんなことを言っておったら釣り具メーカーは軒並み倒産してしまいます。だから魚種別タックルが出てきて、吉野家や丸亀製麺もメニューを増やすわけです。企業が需要喚起をするのは当たり前のことです。

 基本モデルや基本メニューだけでええやんというのは、アブなら5000Cミッチェルなら408みたいな時代を経てきた昭和世代の感覚なのでしょう。ぼちぼち老害になりかねない年齢なので、こういうことは言わないようにしようかと思う今日このごろ。

 魚種別リールに関しては、『特化型リールの理由』をどうぞ。最初の『川マス』や『マイナーリールの紳士録』から、最新の『BB、BM、そしてバンタム』、『Reeling in Area』まで電子書籍全27冊「釣り」ランキング独占中です(?)。

 今さらながら2020年年賀状のバージョン2です。ちいとも釣れませんが昨年は根尾川東谷をけっこううろうろしました。車横付けで入りやすいのと、西谷がカワウ除けのヒモだらけでやっとれんというのが理由でした。(2020/1/20)

 ロッドは昨年ガイドを替えて遊ぼうとタックルベリーのネットショップで買った3000円しなかったコータック。タックルベリーは各ショップがロッドやリールをアップしているため担当者の判断に幅があるようで、ランクBなのに新品というラッキーなロッドでした。

 もったいないのでそのまま使ってみると、いいロッドでした。ジョイントのカーブもスムーズです。ガイドはハードロイ(グレーのアルミナリング)で、アルミナはSiCより比重が高くて重くなるはずですが、後期のハードロイガイドはリングがSiCより薄くしてある(ただしSiC-Sやトルザイトのような大口径化ではなく横から見た厚みが薄い)ので、重量差はあまりないはず。

 中学生時代大垣の釣り具店で「シマノやダイワのような大手のように宣伝に金を使っていないからこっちのほうがいい」と当時シェイクスピア日本だったコータックの竿をすすめられた記憶があります。買いませんでしたが……。

 昔は世の中が左寄りで(?)大会社は悪いみたいな意識があって(当時公害が社会問題だったことも「企業=悪」だった理由)、こう言われたのだと思いますが、コータックが良心的なタックルを供給し続けたのはたしかではないかと思います。現在釣り具は契約アングラーの名前で売っているようなものですが、コータックはそうしたこともなく地道なイメージでした。

 コータックといえばのコンデックススプーンは『マイナーリールの紳士録3』をどうぞ。最初の『川マス』や『マイナーリールの紳士録』から、最新の『BB、BM、そしてバンタム』、『Reeling in Area』まで電子書籍全27冊「釣り」ランキング独占中です(?)。

 2020年1月12日、天竜川のニジマスです。相変わらずの“流れのある大安トラウトレイク”状態で朝からアタリもチェイスもなし。こんなところへ高速代ガソリン代その他もろもろ1万近くかけて行くのってどうなんだと思っていたらこの魚。(2020/1/12)

 今回は、冬も楽しめる本流トラウトフィールドという幻想は捨てて、単なる管釣りと解釈し、エリアの釣り方でやろうと釣行しました。実際犀川みたいに魚が定着しているわけではなくて、冬に養殖魚を放しているだけなのですから、エリアルアーのほうが釣れるはず。

 ところが、ベストに突っ込んでいったエリアルアー用ワレットを開いたら、空でんがな。昨年朽木渓流魚センター(現在休業中)に行ったとき、ワレットよりコンパクトなプラスチックケースに移したのを完全に忘れていました。

 そんなわけで企画倒れになってしまいましたが、そういうつもりの釣行だったので、ラインは細めの0.8号、ロッドもバックウォータースペシャルBWS-55としたのでした。

 BWS-55って自然渓流用ロッドじゃないのと思った人がいるかもしれません。ちょっと前の『鱒の森』にも、もろネイティブ用と書いている部分がありました。

 しかしこれ、もともと完全なエリアロッドだったのですね。でもウエダのイメージ上エリア用とは言いたくなかったので、こういう名前にしたのです。実際自然渓流用と思っちゃってる人がいるんだから、ネーミングは成功だったということでしょう。

 バックウォータースペシャルの名前の由来などもろもろについては『マイナーリールの紳士録3』をどうぞ。最初の『川マス』や『マイナーリールの紳士録』から、最新の『BB、BM、そしてバンタム』、『Reeling in Area』まで電子書籍全27冊「釣り」ランキング独占中です(?)。

 2020年年賀状バージョン1です。昨年の庄川禁漁間際に釣ったまさかの大ヤマメ。前のともども四隅に余裕があり過ぎるように見えるのは、フチなし印刷で少し画像が削られるのを見込んでのことです。(2020/1/6)

 まさかシーズン終わりに人家の真下でこんなのが出るとは思わなかったので、びっくり仰天の魚でした。リールはバンタム10SGにアベイルスプールをはめたもの。100だったらもっと写真が映えたなあ、とはリールに悪いですね。

 10SGを持ち出したのはたまたまこっちに1号ラインを巻いたスプールが入っていたからです。もちろんスプールを入れ替えるくらいなんでもないのですが、使い心地は10SGのほうがいいというのも、あえてこっちを持っていった理由でした。

 まずハンドルがつまみやすい。100のウッドハンドルノブはたしかにかっこいいし、ウッド否定派の私でもバンタム100にはあのハンドルしかないだろうと思います。でもやっぱり、使い勝手は10SGのノブのほうが上です。

 もうひとつはレベルワインダーで、樹脂製の10SGのほうが圧倒的に軽い。作動も振りバランスも10SGのほうが軽快です。

 40年も前のリールを持ちだしておいて使い勝手がどうのというのは野暮ですが、せっかくひさびさ近代兵器(カーディフNX B50UL)を買ったので、ちいとでも軽くて軽快なものをと思ったのですね。

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