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 2015年4月26日揖斐川水系のイワナです。今年初めてまともな渓流魚を釣りました。なんや、寒波がきたり、雨が雪解けとまじったりで、こんな年初めてやで。この日は、まだ水は多かったんで雪解けかと思いましたが、水温は前週の7度から一気に上がって12度くらいありました。何はともあれ、めでたしめでたし。 (2015/5/2)

 またしても、尾ビレの上が欠けてました。養殖魚でムナビレがないのは過密飼育で噛み合うせいだそうですが、イワナは尾ビレの上を噛むのかしら。でも、ほかのヒレは完ぺきにあるから、居着きのような気もするしなあ。

 中国製308のストッパーレバーがぶっ飛んだおかげで、この仏台合作308プラナマティックにベールやスプールを移植して、ベストオブ赤線308ができたわけですが、ピニオンが減ってゴリゴリするのは惜しいところ。で、前、ピニオンをステンにしたらなあ、なんて書いたのですが、できんかったんやろね。

 次の『ギジー』の連載のテーマはカーディナルC3で、よくよく考えたらこのリールをテーマで書くの初めてなのね。で、それでいろいろ調べていたら、あのリールはステンピニオンの切削がネックだったそうです。先に見積もりが持ち込まれた日吉産業が断ったのは、ピニオン加工が不可能だったからだそうです。

 図面上の歯底径とスプール軸用穴が近すぎ、製造した瑞穂機械製作所でも、歯切りすると穴の内面に肉がめり込んでしまって切れず、そのため、ブランクのスプール軸穴を小さくあけておいて、歯切りしたあと穴をあけ直すということをしたとかいう話です。

 ミッチェル408Aのピニオンも、歯底とスプール軸用穴がかなり近かったですから、ステン化は無理だったんでしょうねえ。だからといって、あの耐久性はなあ……堂々巡りやな。

 あ、テーマにするんなら、C3持ち出してフィールド写真撮れよってところですが、いつベールが死ぬかわからんリールやからねえ……。

 なんか今年は2月からボウズばっかで、疲れたわ。29日(いつ休もうがええのやがけじめがなくなるのでカレンダー通りにしとるんね)は、時間はあったのですが、釣り行かずに映画見に行っちゃいました。GWにおっさんがひとり映画見にってどーなんってとこですが、こないだたまたまテレビで前編を見た「寄生獣」の完結編がたまたま時間が合ってたので、見てきました。マジ面白かったな。2回泣いたぞ。ストーリーはあーゆーふーに作らなあかんのか。

 2,015年4月25日霞ふ頭のマゴチです。今年は川に行っても雪解けやら寒波やらでボウズ続き、先週も水温7度で新子アマゴ1匹という悲惨な初ヒットがあったのみで、やんなっちゃったので、三重方面の海に行きました。塩水誌でクロダイエキスパートの電話取材をしているうちに釣れそうな気がして、ルアーを買い揃えて行ったのですが、釣れたのはこのヒトでした。 (2015/4/26)

 前はこういった釣りにはフィネッツァの76ULTを使っていましたが、もう少し強い調子がよかろうと、バックリバーの76MTを持っていきました。Mとありますが、適合ルアー3〜10gで硬すぎず、ファーストテーパーで穂先が軟らかくバットは強いのでぴったりでした。LSG&YSGのガイドですが、PE(スーパーブレイド0.8号)のキャストがらみも起きませんでした。

 まあ、竿ってなあ、硬さと長さとテーパーの組み合わせなわけで、それが合っていれば使えますわな。ガイドはチタンフレームですし、アルミのスクリューシート部の塩を抜くことと、コルクをふやかさないよう、グリップを洗いすぎないことを気をつければ、全然問題ないはずです。

 リーダーはフロロの2号を使いました。2.5号だとPE0.8号に勝ってしまって、根掛かりしたときFGノットのところでいってしまうからです。でも、これはちょっと失敗でした。カキガラの固まっているところにジグヘッドの頭やクランクベイトのリップが掛かったとき、ロッドをあおるとリーダーに傷が入ります。こうしたときのことを考えるともっと太いのが欲しくなります。

 こんなときに限ってほかの太さのリーダーを持っていっていないもので、このときは先端をダブルにしていました。リーダーを全部太くしてしまうと根掛かりを切るときFGノット部でいってしまうので、2号の先に2.5号なり3号なりを30〜50cm繋ぐのがいいかなあと思いました。

 ルアーは、ネガカリノタテ&ブリームキャッチャー(魚の左に写っている赤いの)で、たしかに根掛かりしにくいみたい。シマノのソフトルアーは生分解なのがいいです。それでいて、保存液がいらないので扱いが楽です。マリアも前はこういう素材でしたが、やめちゃいましたね。なんでやろ。

 しかしまあ、なんや知りませんが、ここ2、3年マゴチに好かれているような気がします。

 ネットは、磯ダモにウレタンネットを取り付けました。コンクリートの上で撮影するにしても、直置きよりましだろうと考えました。しかし、この魚はエラの裏側くらいまでルアーを飲み込んでしまって大出血してしまったので、キープしました。リリース磯ダモの意味がないじゃないか。

 やっとこさ出ました、キンドル本第7弾『TACKLE RESEARCH [磯LBスピニング編]』です。ちらちら書いていたように、すでに1か月前、アマゾンにはアップしてあったのですが、パソコン用キンドルアプリ(パソコンのディスプレイ内の大きいの)で見ると、写真が飛ぶ障害が出て、ジャストシステムとキンドルのサポートを行ったり来たりで、今までかかりました。基本的にはキンドルアプリの問題らしいですが、6800円もの巨費を投じて一太郎を2015版にアップグレードしたのに、こともあろうにそれが原因だったということで、結局2013版に戻すはめになりました。 (2015/4/17)

 どぼじでこんなひどい目に遭わなければならないのでせうか。

 前の『TACKLE RESEARCH [スピニングリール編]』もそうなのですが、写真メインの記事をまとめるのは、なかなかにめんどくさいのです。スマホなどで見ることも考えて、写真1枚1ページにしていますが、そうすると、キャプション(写真の説明文)を、写真に合成することになります。

 ということは、文字が画像になってしまうので、一太郎に貼り付けたとき、検索がききません。だから、表記ゆれなどのチェックができなくなります。さらに、間違いが見つかったときも、一太郎では直せないため、イラストレータのファイルまで戻って修正し、それをJPEGに変換して貼り付けなおすことになります。

 そんなふうに、作る側としては、めちゃくちゃめんどくさいのですが、読む立場になってみると、元記事が写真中心で文章自体は少ないので、読みでがありません。

 なので、[スピニングリール編]では、章ごとにやや暴走気味の総括&解説を書き加え、[磯LBスピニング編]では、掲載時は年表のみだった「レバーブレーキスピニングの歴史」を書き下ろして独立した章にしました。さらに、価格も、ほかの本より抑えています。

 それでも、このシリーズは、一番セールスが悪いです。まだ[チヌリール編]の素材もあるんやけど、やめよかな。

 なわけで、[チヌリール編]をすっとばして、テキストオンリーの第8弾がほぼ完成しております。でも、今度のは内容的に表紙が写真ではしっくりこんのですな。で、自らイラストを描こうとしたのですが、描けんわ(あたりまえや)。プロに頼むか!?

 内容は秘密やが、アダルトではないと思うぞ。

 2015年4月12日、九頭竜川に行ってきました。金曜日に雨が降ったので、たぶん渓流は雪解け含みの増水であかんにきまっとる、どうせだめなら、はなからダメなところへ行こうという、なかなか合理的な選択なわけです。まあ、こういう姿勢で行っておるので、90年以来、年2〜3回ずつ釣行しつつ、釣ったのは5年前の1匹のみということになるわけです。 (2015/4/13)

 なんとなく釣行に力が入らんのは、今年天候に恵まれずめげているほかに、キンドル本第8弾を書くのが楽しくて、そっちに気が行ってるというのもありますけどな。第8弾は(完成すれば)たぶん誰も予想しなかったものになりますが、その前に実はこのサイトの「電子書籍」のページにまだ載せていない第7弾をすでに出しています。しかし、表示不良(ページをめくると写真が消える)がいまだ解決せず、ジャストシステムとアマゾンのサポートでかれこれ1か月も対策中という悲惨なことになっております(iOS機器は解決済みで、ペーパーホワイトも大丈夫っぽいですが、まだ買わないでください)。

 リールはストラディックCI4 2500F。いま『ギジー』に載っとるやつですな。軽くスムーズで何も言うことはありません。前回バットガイドを石割れさせてしまったフェンウィック・ワールドクラスは、SiCリングのみ交換しましたが、無論全く問題なし。昨年、穂先3個の最小限のKガイド化改造をしていますが、この日もPEライン(スーパーブレイド0.8号)の絡み付きは皆無でした。

 とまあ、タックルは好調なのですが、結果はいつもの通り。わらしはどうせ渓流がダメだからというネガティブ極まりない理由で釣行したのですが、皆さんは雨の二日後という絶好のチャンスを捉えようという至極まっとうな理由で釣行されたようで、ポイントはどこも車と人だらけでした。小心者のわらしはほとんどルアーを投げられず、唯一尺上のウグイを釣ったのみでした。ヒットしたのが昨年某川でサクラマスを釣ってしまったダムサイド10gだったので、一瞬「やったあ」と思いましたが、直後茶色っぽい魚体が飛び出して、あ〜あでした。あらためて、なんで釣ったらあかん川で釣れて、釣ってええ川で釣れんのやと、ちょっと怒れてきました。

 写真は昼飯を食ったあと、河原に停めた車で寝ていたときのもので、このころからおなかがゴロゴロしてきていました。昼は、せっかく福井に来たんだからと、ソースかつ丼定食を食ったのですが、机にメニューがなかったので適当に頼んだら、いつも食べるミニ丼のセットではなく、フルサイズが来たのでした。

 わらしのガラスのおなかは、朝早起きしたときや、昼飯の時間がずれたときなど、普段とペースの違うことをすると、簡単に壊れます。釣りなんてのは最悪なわけで、負担をかけないよう昼食は少しで済ませるようにするのですが、一方で農家出の親に育てられたために、食べ物を残せんのですな。この日も、やべえかなあと思いながら、昼飯を全部平らげたら、案の定でした。

 なわけで、午後の釣りは中止、公園やらコンビニで難を逃れたあと、夕方なんとか収まってから、せめてメバルでもと、帰りに敦賀に寄ったのですが、こっちも不発。悲惨なことになりました。

 もっとも、昼からも九頭竜で釣ってたって、結果はいっしょだったでしょうけど。

 今年はこともあろうに開幕以来自然河川9連敗という悲惨なことになっています。写真がないので、昨年7月19日の犀川のニジマスです。この日は朝、尺くらいのブラウンが釣れて、そのあと全く反応がなかったのですが、ふと足元を見たら50cmくらいのニジマスがゆーっくり川を上っていくところでした。砂利底ばっかりでカワウも多いし魚がいないような気になっていましたが、それを見てちょっとやる気になったらこの魚(足元で見た魚とは別)が釣れました。 (2015/4/6)

 信じて投げろとは、よう言ったものですな。

 この日最初のブラウンを釣ったところは、川への下り口から下流へしか釣れないところでした。そういうポイントだったということもありましたが、本流は釣り下るものとされているっぽいので、ルアーを流しては下りしていきました。

 ポイントを半分くらい釣ったとき、エサ釣りのおじさんが来ました。愛想のいい人で、挨拶してポイントに入ってきました。ところが、私の下流側10mくらいのところに入ります。

 あれあれ、と思っていたら、一回振り込むごとに、川を上ってきます。どうやらこの人は、渓流釣りのセオリー通り、釣り上るようです。だから、私に気を遣ってというか、私も釣り上っていると思って、私の下流側に入ったのでした。

 これでは、わらしは、すでに自分が釣ったところをおじさんに追われるように、釣り上ることになります。困ったなと思ったあと、この人は人の上流に入ったらあかんと思っているわけだから、下流に入ればええんやと気がつき、ぐるーっと迂回して、おじさんも釣っていない下流側に入ったら、この日最初の魚としてブラウンが釣れたのでありました。

 九頭竜川なんかだと、(きっとフライ屋さんが決めたんだと思うけど)完全に釣り下ることになっとりますが、実際のところ、ほかの川はどうなんでしょうな。そういえば、天竜川のルアーフライエリアで、東京の人らしきふたり連れに「この川は釣り上るんですか? 釣り下るんですか?」と聞かれて、「こんなん釣り堀やから関係あらへんで」と答えたことがありました。まあ、そんなとこでしょう。

 この日、犀川に行ったもうひとつの目的に、高速SAでわさびふりかけ(好物)を買うというのがありました。この前の釣行でわさびふりかけを買ったはずだったのに、うちに帰って見たらほとんど箱のデザインが同じ野沢菜ふりかけだったという悲惨な目に遭ったからです。

 この日はしっかり確かめて、わさびふりかけを買って帰りました。しかし、これがさらなる不幸の元でした。ご飯にかけて食べているとき、カリッという音がしました。わさびふりかけにはソバの実が入っていて、それを噛んだのだと思っていたら、接着が外れたハイブリッドセラミックのクラウンでした。いつもなら違和感と同時に噛むのをやめるのですが、そばの実と区別がつかなかったので噛み砕いてしまっていました。

 そんなわけで、岐阜にある大森のインスプールリールみたいな名前の歯医者さんにまた行く羽目になりました。ハイブリッドセラミックはそういう事故が多いのでもうやってないとかで、ゴールドのクラウンを作ることになり、諭吉さんが大挙して飛び去っていったのでありました。それ以来わさびふりかけはよう食べません。

 最近魚の写真が出てこうへんがやという人がいそうです。何を隠そう今年はとうとう3月までまともな魚が釣れなかったという悲惨なことになっとるのであります。釣行は15回もしておるのにの。昨日は九頭竜川でも行こうかと思って準備までしたのですが、天気予報が雨だったので、どうせ釣れへんのに雨の中でやるのもあほらしいなと(最初からそういう姿勢やから5年前に釣ったきりなんやわ)、揖斐川水系に行ったらやっぱりボウズでした。 (2015/3/30)

 なんか最近ネガティブであかんな。

 写真は、全然関係なくて、『磯釣りスペシャル』のいま売っている号の質問コーナーです。この、「公式」「非公式」というのは地球上で10人くらいしかわからんギャグなのです。

 S社にいたころ、私の文章によく出てくる原氏という、日吉産業というリールメーカーでリールを開発していた方が、シンガポール・マレーシア工場立ち上げのために移籍してこられていました。この方が、シンガポール・マレーシア工場から送ってくるファックスなどに、「非公式測定」というのがよくあったのですね。

 たとえば、リールのローターやらハンドルのガタつきは、ダイヤルゲージを当てて0.2mmとか0.4mmとか測ります。原氏くらいになると、ダイヤルを当てなくてもだいたい数字がわかるのですね。で、そういう数値を「非公式測定で0.3mm」とか連絡してくるわけです。たぶん、現地採用の品管メンバーの顔をつぶさないためとか、氏自身は品管でなかったから、ということもあったのだろうと思います。

 それをまあ、まねして、「非公式測定で○○」とかやっとったわけです。そんだけのことなんやけどね。

 当時わらしもシンガポール・マレーシアにかかわって……という話は、『川マス』にちらと書いてあって、まあ、あの部分だけはこの本の中で唯一のフィクション、と言いたいのですが、誠に遺憾ながら100%あの通りであります。思い出したら死にとうなるわ。

 でもな、当時、シンガポール・マレーシアからの研修生女子には一番人気やったんやで。果てしなくどうでもええな。

 ルックスといえば、上の顔写真も10年以上前のやな。ぼちぼち偽装表示か?

 2015年3月21日、ずーっと渇水低水温でボウズ続きのところに雨が降ったと思ったら、雪解け絡みでこのざまですがな。1月24日に敦賀でミニミニメバルとハゼを釣って以来10釣行連続ボウズという悲惨なことになっています。 (2015/3/23)

 こないだ買ったブレニアスは、右ハンドルにしました。最近のトレンドは左ハンドルで、特に渓流ベイトは手返しがいいのを長所とする人が多く、その点でも左ハンドルが主流みたいです。

 右を買ったのは、すでにレボLTの左を持っているから、というのもありますが、左のベイトはなんだか中途半端な感じがしたのも理由です。

 ベイトの安定したリーリングは、パーミングしてこそだと思うのですが、左ハンドルだと投げたあと持ち直さないといけません。ならば、右ハンドルで持ち替えても、あまり変わりません。微妙な距離でなければ、飛行中に左に持ち替えて左手親指で着水時のスプール回転を止めてもOKです。左ハンドルで右手のトリガー位置をずらすよりもスムーズでしょう。

 左のベイトで持ち替えずキャストを繰り返すなら、いわゆる芸能人持ちみたいなグリップのままで巻くか、手首が硬くなるいわゆるツーフィンガーで投げるかですが、私はどっちもベイトリールの良さをスポイルしているように思います。

 そもそも、特に渓流トラウトなんて投げれば投げるほどスレていくわけで、あんまりバンバン投げることにメリットがあると思えないということもあります。

 もう一つ、このクラスだと真鍮ギアなどでハンドル側が重いので、左ハンドルは振りバランスも気になるところです。こうなるとベイトのメリットである投げる楽しさが損なわれてしまいます。

 唯一、トゥイッチングの器用さは左ハンドルに及びませんが、これは仕方のないところです。

 私はベイトの一番のメリットは巻き感度だと思っているので、右ハンドルでルアーの抵抗を捉えながら巻くのも結構いいのではないかと思っています。特にこのリールはC2000HGS同等の巻き速度で、アップストリームキャストしたルアーも余裕で巻いてこられます。ハンドルを一生懸命回す必要がないので、トゥイッチングも慣れてこればそれなりに入れられるようになるのではないかと思っています。

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