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 9月12日13日と犀川に行きました。普通こういう本流はシーズンの早いうちに行って、夏とかシーズン後半は上流へ行くもののような気がしますが、ああそういえば今年行ってないなあとふと思い立って行ってきました。なんたる行き当たりばったり。 (2015/9/14)

 ロッドはスーパーパルサーFWS-60L/C。犀川というと、8ftくらいの剛竿に12lbくらいのナイロンとかPEとかのイメージもあったりしますけど(?)、これで釣りたかったので持ってきました。よほどの化け物でもかからない限り6lbナイロンで上がるはずですし。

 あらためて、こんないいロッドを20年以上眠らせていて、もったいなかったなあと思いました。3〜10gの指定ウエイトがしっかり投げられます。バットに向かってぐっと太くなっているので10gのスプーンも腰砕けになりません。この日はスプーンしか投げませんでしたが、渓流用5cmミノーだってグラスブランクのしなりで投げられます。旧式の大口径ガイドは、明らかにニューコンセプトやマイクロガイドよりスムーズにラインが伸びていきます。ライトパワー以上で極端に穂先の軟らかい先調子でなければ、こっちのガイド構成のほうがいいんじゃないのかなあ。ガイドの販売個数は落ちるやろけど。

 肝心の釣りは、台風の雨の後遺症で川が濁っていてこれ1匹の貧果。いつも上流漁協の管轄に行っていたので、一回場所を見てこようと、行ったことのない下流に行ったら、激茶色の支流が流れ込んでいたり、ダムが濁水をためていたりで、どろんどろんでした。

 その途中、川の駅なるところで昼食を食べたら、釣り案内の看板に「犀川の魚」としてイトウが載っていました。あれって、何年か前に台風かなんかで逃げ出したのがたまたま釣れたんじゃないのかい? それとも、去年釣れたシルバーサーモンといい、こっそり撒いちゃってんのか!?

 釣ったのはまだ濁りがひどくない上流のほうで、増水すると魚は岸沿いの流れの緩い所に避難するはずなので、そういう浅場を肉の薄いマスター5gでひらひら引いたら釣れました。おお狙い通りじゃあと思ったのもつかの間、よりによって次のキャストで根掛かりさせてロスト。せっかくヒットパターンがわかったと思ったのに、予備もなしで戦意喪失です。

 忠さんのスプーンに限らず普通スプーンはトリプルフックのほうが尻を大きく振って安定して泳ぎます。マスターも写真のシングルにすると、ふらふらひらひらと頼りない泳ぎになってしまいます。どっちの泳ぎがいいのかは条件次第だと思いますが、このルアーに関しては、このシングルフックセッティングがかなりいい印象で、実績もあります。細身で不安定なのがハスルアー的なんじゃないかと思います。忠さんのスプーンでもバイト以外の細いのは人気がないそうですが、これとかダムサイド10gとか、けっこう釣れます。

 バイトのシングルフックにウエイトを付けて、トリプルフック時代のように大きく尻を振るようにしたのも使いましたが、反応はありませんでした。条件が条件なので、いいのか悪いのかわかりません。ただ、トリプルフック時代は大きく尻を振って、寄ってきた魚のほっぺたをひっぱたいて釣っちゃってたようなケースも多いので、シングルで同じ動きを出すと、こと大きいスプーンでは魚が追ってきてもかからないということになるような気もします。

 初日にこの魚が釣れて、一晩たったら濁りも収まるかと思ったら、翌日も全く同じ水量・透明度で、アタリすらありませんでした。FWSが投げてて気持ちよかったことだけが救いの2日間でした。

 ルアー用に買ってみたBB-XリンカイSP、結局レバーを取り換えました。庄川に持っていきましたが、結果は微妙。なになに、その前に、グローブ買い替えろって? (2015/9/6)

 先々週、ムック記事撮影用にBB-Xの貸し出しを頼んでいたので、そのときのリールからレバーをこっそり組み替えて返そうと思っていたのですが、貸し出しを拒否されたので仕方なくレバーを買いました(本気にする人がおるといかんので書いとくが冗談やぞ)。

 それはさておき、貸し出し不可はホントで、シマノテスターI氏の記事であるにもかかわらず30年前のSSやEXを貸してくださったグローブライド社にひきかえ……え? 在職中の悪事のせいだとおっ!?

 レバーはエクスセンスLB SS C3000HGMのものです。新しく出るC2000MDHのは色が合わないし、まだリール自体出ていないのでこっちにしました。リールのサイズは変わっても人の手の大きさは同じなので、レバー位置は同じはずです。まえ、磯の雑誌でグレ用2500と尾長用6000のレバー位置を比べたらまったく一致しましたし、変わったらおかしいでしょう。

 元々付いている磯用二股レバーは見た目ほど投げにくくはなかったものの、本体側のツノがやっぱりストレスなので、エクスセンス用レバーに替えたのでした。

 で、投げやすく……なりませんでした。本体側のツノがなくなってラインピックアップのストレスはなくなったものの、このレバーは人さし指のかかる部分が遠い(ロッドから離れている)ので、ラインを人さし指に掛けたあとも指にレバーが触れていて、キャストに干渉してくれます。リーリングしているときも人さし指をより高く浮かせている感じで気持ち悪い。

 レバーが遠いのは、ルアーロッドのフロントグリップへの干渉を避けるためではないかと思います。実際二股レバーはフェンウィックのグリップ(フロントの回るやつ)に付けると触ります。がまかつシーバスロッドにLBリール対応モデルというのがあったはずで、グリップによっては触るのがあるのでしょう。

 あらためて考えると、そもそも磯用二股レバーを磯の人は歓迎しておるのでしょうか? どう考えても本体側のツノって、じゃまでしょ? 人さし指で押し下げてストッパーをオンにできるたって、ラインピックアップのじゃまくささを相殺するほどのメリットか?

 こういうへんてこな設計にしてあるのは、パテントとか意匠絡みのことが多いものです。パテントは切れても意匠は延長できるんじゃなかったかしら。だって、何年かたったらミッキーマウスを誰が使ってもよくなるってことはないでしょ。レバーのデザイン自体がどこかと(一社しかないけど)もめてるんじゃないかい。

 ともあれ、いまのところ(C2000MDHのは不明)2種類のレバーともルアーにはいまいちということが、リール本体+レバー(さらに写ってないけど15アルデバラン50用ハンドルノブも買った)の4万超の出費によってわかったというわけです。とほ。

 キンドル本第10弾『80年代リールの歴史』のイラストです。左奥から手前へ、「同時期の『カーボン』リールよりもずっと細いレッグ」、「品番は2200SG」、「SHは茶色のノブ、PとCは黒色のノブ」、「Vスプール」、そして右奥「左右両用ハンドル」のヒントで、5台すべてリールがわかった人は……ヘンタイです。 (2015/8/31)

 まえロッドアンドリール誌でやっていた「80's国産リールの歴史」というコラム24本があって、原稿は残っているのですが、この連載は写真を自分で撮っていなかったので画像がなく、KDPはあきらめていました。

 しかし、月日が流れ(10年以上たってるもん)、画像やら現物やらが揃ってきていて、いけそうなのでまとめることにしました。しかし上の5台だけがありません。連載時は、ここで募集してリールを貸していただいたので、同じようにお願いしようかなとも思ったのですが、部分的にイラストにするのも面白いのでこうすることにしました。

 ところでわしは朝井リョウの高校の先輩なのやが、高校時代竹中という物理の先生がいて(血縁関係はない)、ある日同氏は突然授業中に「私は自分の隠れた才能に気が付きました」といって、歴史上の物理学者の似顔絵イラストをプリントした紙を配りました。しかし、イラストのレベルは上の写真くらいのもので、なんじゃこのおっさんはと思ったものです。まあ、そういうおもろい先生やったから、F=mrω2とかいまだに覚えているわけですが(というか、私は記憶力が悪くて同じ科学でも暗記の多い化学と生物がダメやったんで、ついていけるのが物理くらいしかなかったんやね。普通は物理のほうが難しいといわれるものやが、ミトコンドリアだナントカリボ核酸だと暗記するよりも、ひとつの公式からずるずるたどっていく物理のほうがなんとかなったんや)。写真の代わりにへたくそなイラストで埋めるのも、その竹中先生の影響か?

 自分にとって80年代は、ちょうど高校、大学、S社と続く10年でした。だからまあ、その時期に出たリールが強く印象に残っているのは確かなのですが、それを差し引いても激動の時代でした。

 スピニングなら、カーボンボディ、リアドラグ、ファーストキャスト、長寿命ベールスプリング、小型ロングスプール、そして再びのメタルボディへと続きます。ベイトなら、非円形、電磁誘導ブレーキ、ファーストキャスト、パーミングボディ、ハイギア化、ワンピースフレームなどなど。のちの時代に残らなかったものでは、ダイナファイトのハンドルサイドのドラグとか、シマノのファイティングスターや2スピード、ダイワのコンピューターベイトなんかもありました。

 一方で、ベイトもスピニングもこの時代、マグナムライトとトーナメントで現在のリールの原型が出来上がったといえます。大変な時代でありました。

 2015年8月22日揖斐川水系のアマゴです。今年釣った中ではけっこういいサイズなのですが、こともあろうにスレでした。追ってきてシッポではたいてかかったんだから、純然たるスレではない(?)ものの、やっぱり気分はいまいちですなあ。 (2015/8/22)

 リールはBB-XリンカイSP1700DXG。レバーブレーキスピニングです。LBリールに興味はあったのですが、わたくしの釣る魚のサイズからいったら絶対宝の持ち腐れになるはずなので、今まで持っていませんでした。

 ところが先日雑誌取材で話を聞いたシーバスアングラーの人が、やり取り以外にも便利で、メバルなんかにもいいはずだと語っていたのを聞いて、別にやり取りに使わなくてもいいじゃないかと気づきました。

 つまり、LBは私がミッチェルをストッパーオフで使うのと同じように、ラインの出し入れが自在で、ラインピックアップや取り込み時のラインの出し入れがやりやすくなるだろうと考えたのでした。

 このサイズのLBとしては来月エクスセンス版C2000MDHが出ます。ただし、そちらはギア比が5対1なので渓流では使えません。そんなわけで、磯用のハイパーフォースかチヌ用のリンカイとなるのですが、ハイパーフォースは色がナニだったので、リンカイにしました。違うのは色だけやのに、なんでこっちのほうが1500円も高いんやというところですが、わかって買う自分みたいなのがいるということは、価格設定は妥当だったということかい?

 最初はキャスティングに戸惑いました。わかっていたこととはいえ、エクスセンス版のストレートブレーキレバーに対し、リンカイは磯用のレバーが付いています。見てのとおりの形状なので、リール側の角がラインピックアップのじゃまになります。最初のうちはこれを気にしていたので、タイミングが狂ってルアーを水面に叩きつけたりしていました。

 しかし、少し慣れてきたら、コツ(?)がわかってきました。レバーを意識してラインをピックアップしたりキャストしたりしようとすると、タイミングが狂ってミスキャストします。で、レバーの存在を無視(?)すると、ミスキャストが減りました。つまり、ラインを人さし指に掛けるとき、リール側の角に指が当たっても、LBなしのリールと同じ軌道で人差し指を動かします。指が一瞬先に当たりますが、ラインは自然に収まる所に収まります。ラインをリリースするときは、普通に放せば人差し指は前に向かって開いていって、レバーには当たらないので、変に意識せず投げればうまくいきます。

 そうして、ラインの出し入れが自在で、ラインピックアップがスムーズになってキャストの快適性と効率アップ……と言いたいのですが、残念ながらレバーの分スプールが遠くなっていてフェザリングがしにくくなってしまっています。だから、ラインピックアップの効率化で小場所のピンポイント撃ちに、という使い方には残念ながら向かないみたい。スプールは、レバーにベールアームが当たるギリギリまで近くしてあるので、LBである以上仕方なさそうです。

 レバーは思っていたほどの障害はないのですが、スプールが遠い分、スプールリングがいちばん近いレッグ直下の部分へ人さし指を伸ばすため、このときリール側の角が指に当たるのが気になるといえば気になります。

 レバー以外の部分としては、6.6対1のハイスピードギアがとても良好でした。アップストリームキャストでもハンドルをゆっくり回していればいいため、ロッドもブレず、落ち着いてリーリングができます。しかも、ローターが軽いため、巻き始めの重さも感じません。

 もう少しレバーやスプール位置に慣れてきたら、使いやすくなる気もしますし、エクスセンス版のストレートレバーにしたら、もっとストレスがなくなるかもしれません。LBが便利なのは確かなので、しばらく使ってみようと思っています。

 エクスセンス版は9月発売だけど、本体が発売される前にレバー注文したら来るのかな。来週、撮影用に貸してくれるように頼んであるから、レバー組み替えて返したら、バレるかな。

 バレるわ。

 2015年5月31日揖斐川水系のアマゴです。大渇水で朝一からノーヒット、最後の最後、夕方にきました。なんでそんな古い写真かというと、お盆に魚を釣ってはいかんと子供のころに言われていたもので、なんか後ろめたくて釣りに行ってないんやね。 (2015/8/16)

 ミッチェル408は気が付いたら2シーズンくらい前にグリスアップしたきりでした。シマノやダイワと交代交代なので、使用回数は知れていますが、こういう写真の撮り方(自分がやっていては説得力ゼロですが絶対おすすめしません)をしていると多かれ少なかれ水も入るし、オーバーホールした方がいいのですが、してません。最近ずぼらです。

 でも、何もしないのもナニなので、いつもより多めの小豆粒くらいのグリスをプラナマティックのところに付けてやりました。こうすると、ドライブギアのほうへ押し出されたグリスが、ドライブギアの外周まで回ります。さらに、ピニオンギアのベアリングレースとボディのすき間からベアリングへ、ストッパーのところからドライブギア軸受へと回ります。

 中古の308や408でギアの磨耗粉の色をしたグリスがローターの裏に回っているのがありますが、このリールもしばらくしたらローターの裏にグリスが少し出てきていました。このリールのギアはなじみが出ていて磨耗粉はほとんど出ず普通に黒くなるだけなので、これで、ベアリングのグリスアップもしたことにしました。

 ミッチェルは、こういうふうに適当に入れたグリスがベアリングや軸受に勝手に回ることで、寿命が延びた個体も多いのかもしれません。そうはいってもこういうことはあまりおすすめしません(と書いてみたもののあの細かいベアリング部をむやみにばらすのがいいのかどうかを考えるとどっちがいいかようわかりません)。

 使ったグリスは2シーズン前に入れたのと同じ、シマノのパーマルブです。で、最近気が付いたのですが、シマノのHPを見ると、パーマルブはなくなっていて、現在スピニングのギアに付けるグリスは、その前からあるSHIPグリスに戻っています。なんで新しいほうが消えるんや。

 一通りテストはするはずなので、パーマルブがそう悪いということはないと思いますが、SHIPグリスのほうが良かったのかも。パーマルブは、スピニングのボディに水が入ったときやベイトのレベルワインダーに塗って使ったとき、白く膨潤します。どんなグリスも水が入ると白濁しますが、膨潤の度合いが大きくて、かさが倍くらいになる印象でした。実は水に弱かったのかも。

 SHIPグリスそのものは持っていませんが、たぶん発売時期や色から見ると、純正スプレーグリスと同じではないか思います。スプレーグリスはけっこういい感じでした。そもそも、SHIPグリスに問題があったと思えないのになぜパーマルブに変わったのかがようわかりませんです。

 ググると出てきますが、「パーマルブ」は商品名です。SHIPグリスとかその前のLT-FG-EP00(わしがやったやつや)とかそのまた前のLRA-EP0はオリジナルで作っていましたが、コストダウンで既製品にしたのかな。耐久テストでOKだったので変えてみたものの、しっかり比べたらやっぱりSHIPグリスのほうが良かったとか……。

 2015年8月8日霞埠頭のコチです。前の週に行ったとき、目の前でエサの人がタモですくうくらいのチヌを見ているあいだだけでも3匹も上げていたし、帰りに寄った地元釣具店にもチヌおすすめポイントと書いてあったのに、チヌさん釣れてくれません。 (2015/8/10)

 ベールが折れて11型を今度こそクビにして15型を持ち出した、というわけではなくて、11型は川で使ったもののボウズだったから写真がないだけで、接着修理でなんら問題ありませんでした。

 15型はベールの返りもストンと感触がいいです。ストッパーレバーがないのは疑問ですが、ベールの開き角が大きいので、ちょっとくらいならラインローラーが左に行き過ぎたところで投げてしまってもなんとかなります。

 こう見てもスプールに対しボディとローターが大きいですが、76くらいのロッドだと見た目的にかえって違和感がなかったり。釣りブログを拾い読みすると、スプールのスカートが黒いのがやだという人がちらほらいるみたいです。でも、このリールに11型のスプールと付けてみると理由がわかります。スカートを黒くして存在感を増さないと、スプールが小さく貧弱に見えるからなんですね。

 最近シマノのHPを見て気付いたのですが、14ステラはパーツリストに分解しないよう書いてありますが、15ツインパワーや15ストラディックは特にそういう記述はありません。14ステラは組み立て時に芯を出す特別な工具を使っていて、それなしにユーザーが分解組み立てすると、非接触防水機構が芯ずれしてしまうと聞きました。15からはそういうことがなくなったのか、単に記述がないだけなのか。

 まあどっちにしても、必要もないのにわざわざ分解せんでもよろしがな、と最近は思うようになりました。実際、きれいに使っていて内部に異物が入っていないのに、グリスが切れて激しく摩耗したとか回転がおかしくなったとかいう修理例は四半世紀前でもありませんでしたし。

 昔のやつは新品でいきなりピニオンの口から真鍮の粉が出ているとかありましたし、もっと昔(70年代の大森とか)だと、ふたを開けたらグリスが赤くガチガチに固まってるとかありましたけど、今のリールはそういうこともありません。特に最近のシマノのアルミドライブギアやウォームシャフトはグリス自体がほとんど濁らないくらいです。

 写真の15TPが仮に分解大丈夫設計だったとしても、分解時に撥水パーツに触れて、油やグリスを付けてしまうと、水玉効果がなくなってしまうかもしれません。油でも水ははじきますが水玉ころころにはならないでしょう(同じ理由で、スプールのラインにラインコーティングスプレーを吹くとき、ラインローラー支持部にスプレーが入らないよう、スプールをリールから外して行っています。コアプロテクトだけでなくマグシールドラインローラーもそうした方がいいと思います。それ以前に普通のタイプでも入れない方がいいでしょう)。

 そんなわけで、このリールはせいぜい海で使ったあとの軽い水洗いくらいで行っちゃおうと思っています。と、書いて気が付いた、その水洗いも忘れとるがや。

 15ツインパワーと同じアルデバラン50のハンドルノブに組み替えて、また使い始めた11ツインパワーですが、ベールワイヤーが折れちゃいました。1350円もの巨費を投じてノブを替えたのに、なんというタイミングで壊れるんやチミは。 (2015/8/2)

 買ったときから、なんか折れそうだなあとは思っていました。まず、08ツインパワーから使われ始めたこのローターは、デザインのためにベール取り付けカム(ワイヤーの入っているカウンターウエイトのことをシマノのパーツ名でこういいます)を内側に付けたため、この部品がバカでかくなっていました。

 物理学的にいいますと(おおげさな)、遠心力はm×r×ωの二乗なので、ベール取り付けカムを内側に付けて回転半径rが小さくなると、遠心力を維持して回転バランスを取るため、質量mを大きくせざるを得なくなります。このパーツが重くなれば、ベールが閉じるときの衝撃は大きくなります。

 さらに、11ツインパワーC2000HGSはなぜか08ツインパワーC2000Sよりもベールスプリングの線径が太くなっていて閉じる力が強く、しかもハイギア化で回転バランスをより取るためベール取り付けカムがさらに巨大化し、閉じる衝撃は二重に大きくなっていました。

 折れた部分は、カシメで止まるように径を細く絞る加工がしてあります。元々1.5mmしかないワイヤー部を絞っているので、1mmそこそこのはず。しかも、太さが段になっているため、応力集中が生じてさらに破損しやすくなります。

 10ステラのこの部分に補強がしてあった(*)ので、何かあったんじゃないかなあと思っていました。08型でこういう破損が起きていたか耐久テストがギリギリだったのではないかと思います。14ステラ、15ツインパワー、15ストラディックがベールワイヤー径を太くしているのは、これが理由かもしれません。(*04ステラからテーパーで太くしてあったみたい。どうせ買えないのであまりしっかり見てなかった……)

 シマノの場合、少しでも変更があったら必ず強度・耐久テストして、それをクリアしないと市販されません。ベール開閉テストならこんな感じのテストを行います。じゃあ、なぜわからなかったかは、パーツのバラツキでしょう。ワイヤー部の径を絞る加工がバラついてちょっと細くなったとか、カシメが強すぎて内部のワイヤーにダメージを与えたとかすれば、寿命が縮むこともあるでしょうし逆もあるでしょう。これはある程度仕方のない部分で、89ナビGT1000のケツ破れ事件もテストは一応もってましたからな……。

 私のリールがたまたま運が悪かったのかもしれませんし、現在多いと思われるベールを手で閉じる人なら、まず起きないでしょう。折れたとしても修理は簡単です。折れたのはワイヤー径を絞ってある部分で、残った部分でも5mmくらいベール取り付けカムに入るので、接着剤を塗って突っ込んでおけば大丈夫。ラインコート剤が入っていることも考えられるので、アルコールで穴の中を拭き、ワイヤーの先は少しペーパーで荒らしました。瞬間接着剤はもろいので、エポキシかスーパーXみたいに弾性があって肉痩せしないものがいいでしょう。接着後のワイヤーは径を絞った部分がないのでふたたび折れることはないと思います。

 2015年7月20日、坂内川のホウライマスです。台風の増水が引かず、流れの緩い所に魚が避難しているだろうと思ったらヒット。おお、大アマゴじゃあと思ったものの、寄せてみてがっかり。なんでこんなもんがおるんじゃ。 (2015/7/25)

 あゆ茶屋のオッチャンによると、ニジマスはバケツ一杯分くらいだけ放すとかで、それがホウライマスだったのかな? オッチャンに聞いてみたことはあるのですが、いまいちホウライマスそのものを理解していないっぽいので、ようわからんです。

 ニジマスは外来生物だ、けしからん、みたいなことを言う気はありませんが、こういう人工魚は嫌ですね。この魚だって、きれいじゃないし、見るからに気持ち悪いでしょ。居着きのアマゴやイワナもいるんだからそもそもニジマス自体入れなくていいと思うのですが。

 そういえば、この1か月くらい前にももっと小さい鼻のすりむけたのを釣っています。数年前、根尾川でもホウライマスを釣ったことがありますし、今年もそれらしき魚をバラしました。

 入手や運搬を考えると密放流はあり得ない(と思う)ので、放流アマゴやイワナに養魚場で混じっちゃった……いや、ちょっと待てよ、1カ月前といえばアユも放流しているわけで、そんな時期に鼻のむけたホウライがいるって、やっぱおかしいような。漁協以外の何者かがばらまいているのか?

 (むむ、同じようなことを何年か前に書いた記憶があるぞ。やっぱ5月か6月の中途半端な時期にホウライマスが放されているということか?)

 リールはまたまた11型ツインパワー。せっかくハンドルノブを替えたので、また使ってます。15型も悪くありませんが、08、11型の小さくまとまっている感にアルデバラン50のノブがマッチしていていいです。C2000HGSは45mmクランクですが、40mmクランクのノーマルギアモデルなどはもっとマッチするのではないかと思います。そういえば、ウェブサイトを見る限り、ストラディックは前のボテッと大きいノブのままみたい。なんでや。

 このリールはハイギアだからか、買ったときからハンドルを速く回すとキーンキーンとうなりを上げていましたが、最近その音がようやく低くなってきたところです。やっとこれからというところなんで、もったいないし。

 それと、ストッパーレバーが普通にあるのもよろしいです。ルアーをセットしたままロッドを半分に畳んで車でポイント移動するときなど、再セット時ストッパーレバーのない15型はけっこうイラッとします。ストッパーレバーが付いていて困る人はいないわけで、作る側の都合(でしょ)でああいう風にしてしまうのはやっぱりどうなのかと思います。

 ラインピックアップもそうです。よく渓流ベイト使いの人が、ベイトは手返しがいいとかっていいますが、あんなのスピニング全体が改善を怠っているだけです。そのスピニングのラインピックアップ性を改善どころか、後退させちゃいかんと思いますぞ。

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