Back number 79

 キンドル本13冊目『きわめて私的なミッチェルストーリー』発売しました。本来『MITCHELL』の後半部分として書いていたものですが、どんどん長くなって入りきらなくなったので、独立させました。 (2016/9/16)

 アマゾン販売ページの「紙の本の長さ」は107ページとなっていて、『MITCHELL』の124ページや『Cardinal』の110ページに比べて短く見えますが、これはアマゾンの「紙の本の長さ」が文字だけのページをものすごく少なく表示するためです。『きわめて私的なミッチェルストーリー』は文字中心で、本文の文字数でいうと、『MITCHELL』の1.3倍、『Cardinal』の3.7倍あります。

 あの表示も結構いいかげんで、写真集とか「1ページ」って表示されてるのありますもんね。1ページじゃポスターじゃんってとことですが、買ってみるとちゃんとお姉ちゃんの写真がずらっと入っています(おい)。

 それはさておき、内容はわたくしがミッチェルを買おうと思ったいきさつから、最初に買った308に衝撃を受けつつ、徐々に感化されていく話や、私の話によく出てくる原さんのことなど、なにやら回顧録みたいな雰囲気も。89年のAFTMAで撮った若き日のブロマイドも入っているので、女性ファンの人はぜひ(いるのか)。

 ところで、KDPをやってない人には関係ないけど、さっき出てきたアマゾンの「紙の本の長さ」って元データによって変わるんですよね。『ユキ』を最初アップしたとき「50ページ」って出たんです。おいちょっと待て、『マイナーリールの紳士録』より多い文字数なのにそんなわけがない!100ページくらいのはずだ!とサポートにクレームを付けたら(たぶん中を取ったのでしょう)80ページになりました。

 その後、一部書き直しがあったので『ユキ』を再アップしたら77ページになりました。アップ直後に表示されるのは自動的に算出された数字のはずなので、本来ならまた「50ページ」と出るはずです。なんでかなと思ったら、最初のファイルは元の一太郎のテキストが2段組だったのに気付きました。キンドルは2段組にはなりませんから、元のテキストデータが2段組でも関係ないので、ずぼらしてそのままEPUBに変換したのでした。でも、2回目にアップしたときはほかの本と同じように1段組にしてからEPUBに変換したのでした。

 今まで買った電子書籍でも、読んだ長さの感触と表示されている「紙の本の長さ」が一致しないのがありますから、元データの書式で変動してるんだと思います。だから、2段組とは逆に過大なページ数が表示される書式とかもあるんじゃないかな。そういう書式を突き止めれば、短い本を長編に見せかけて高く売ることもできるかも!?

 2016年9月3日庄川のヤマメの続きです。片目のつぶれた放流ヤマメを3匹釣ったあと、別のところに入ったらきれいな魚が釣れました。成魚放流魚のひれが丸かったりなかったりするのは仲間同士でかじり合うからだそうですが、顔つきもなんか違いますね。 (2016/9/5)

 最初マスターアングラー5gをアップストリームキャストして流れより速く引きながら釣り上って反応がなく、バイト4.2gをクロスストリームキャストしながら戻っていったら釣れました。ルアーを通したあとでも追ってなければ食うということみたい。

 リールはBB-XリンカイSP。昨年買ったもののレバーが邪魔で投げられず、ストレートレバーに換装してやっぱり投げられなかったリールです。ちょっと迷いましたが、使わずにとっておくくらいならと思って、磯用レバーの下側のツノを削り落としてしまいました。

 さすがにこうすると投げられます。ただまあ、人間の心理というのは微妙なもので、実際には指は触れないのですが、なんか邪魔なものがあると思うせいで、ミスキャストが多いような。もっとも、最近歳のせいかキャストがヘタになってきているような気もするので、断言はできません。

 LBを使おうと思ったのは、通常ストッパーオフで使えるため、ラインピックアップが楽になると思ったからです。それでいて、人間はとっさのときに手を握りしめてしまうので、アワセのときにハンドルが逆転することもありません。

 という目論見だったのではありますが、あらためて使ってみると微妙な感じでした。たしかにラインピックアップは楽ですし、ラインをちょっと出したいときも便利です。しかし、レバーの分どうしてもスプールが遠くなっていて、メカのために自重も増加しています。その分を差し引いてまでレバーが付いていたほうがいいかというと、シンプルなリールでストッパーかけっぱなしのラインピックアップに慣れちゃったほうがいいかなあと。魚とのやり取りは、そんなでかいの釣れないし……。それに、このリール、ドラグがかなりいい。

 で、LBはどっちでもいいかなという感じなのですが、6.6対1のギア比はやっぱりいい感じでした。ステラとかツインパワーもこのくらいのギア比の「C2000XGS」を設定したら、渓流の人に受けるんじゃないかしらん。

 ちなみにLBに詳しくない人のために説明いたしますと、レバーを引いていてもブレーキがかかるのは逆転のみなので、指をかけたまま使えます。ストッパーはブレーキレバーで切り替えられ、使用状態から下にカチンと押し下げるとON、レバーを引くとOFFになって、そこからさらに引くとブレーキがかかります。本来はストッパーはOFFにしてレバーに指をかけて使い、休憩時や仕掛けの用意などのときだけONにします。私はそうしていますし、写真は撮影用にラインを止めるためストッパーをONにしてレバーが下がっていますが、本来もっとロッドに近いので指をかけてリトリーブしても違和感はそれほどありません。

 ただし、最近のシーバスの人は、通常ストッパーをONにして使い、魚がかかってからレバーに指をかける人が多いようです。レバーはレッグを中指と薬指ではさんだとき最適位置に来るようになっていますが、シーバスの人は小指ばさみで握り、その時指に当たらないようにストレートレバーを使うみたい。さらに、小指ばさみで人さし指が前進しているから、キャスト時にレバーは邪魔にならないというわけ。長らく、なんでこのレバーで投げれるんやと思っていましたが、そういうことだったのね。

 LBがどういうふうにいまの機能に至ったかは、『TACKLE RESEARCH [磯LBスピニング編] 』の最後の章の「レバーブレーキスピニングの歴史」(この部分だけ書き下ろし)にまとめてあるので、興味のある方はどうぞ。

 2016年9月3日庄川のヤマメです。たしかこの川の成魚放流は5月までだったはずなのですが、ヒレが丸いままの成魚放流魚が3匹も釣れました。5月の魚が今まで生き延びたのか、集落の近くだから特別に放されたのか。 (2016/9/5)

 ここで3匹、場所を変わってもう1匹の、計4匹とはわたくし的には大漁なので文句は言うまい。

 鼻先はむけてないので5月あたりに放されたっぽいですが、ヒレが丸いだけでなく胸ビレや尾ビレが傷ついたままのものもいました。ヤマメの寿命は2年くらいなので、このくらいの成魚になると再生もせんのかも……いや、傷ついたままはおかしいか。

 撮影ではいつもたいてい魚の頭を左に向けますが、右に向いているのはヒレがないのと左目がつぶれたていたからです。

 釣ったときにつぶれたのではなくて、最初からそうでした。さらにさらに、この場所で釣れたあと2匹も同じように左目がダメでした。

 昔『釣りキチ三平』に、釣ったイワナがことごとく片目の川の話がありました。祟りではないかと言われていたのですが、その川には放射性物質を含んだ岩があって、上流を向いて泳いでいるイワナが常に片側だけ放射線に当たり、すべて片目になっていたという結末だった記憶があります。

 庄川の成魚放流ヤマメの養殖場にもそういう秘密があるのでせうか。

 2016年8月27日大江川のバスです。この前の週に小さいバスかブルーギルでもいいやと思って13番のドライフライ用フックで巻いたエルクへアカディスを投げたら、明らかに40cmはありそうなバスがかかってフックが折れてしまいました。ならばと10番のストリーマー用フックでディアヘアカディスを巻いていったのですが、この日はそっちには釣れずに4番のマドラーミノーに釣れました。 (2016/8/29)

 最近ビッグベイトとかビッグスプーンとか流行ってるみたいで、スレてるから小さいルアーやフライというものでもないのかしらん。

 ロッドは昨年オールチタンフレームSiCガイドに巻き替えたブルックストーン906です。ロッドは6番ですが、ラインはWF7Fを使っています。ウエイトフォワードラインの細いところまで出すと絡んでイーッとなるのがオチなのでだいたい太いところだけしか出さずに釣っていて、これくらいだと7番ラインのほうが乗りが良くて使いやすいかなと思い、先週からこうしています。

 けっこうこのロッドはファーストテーパーでバットが強いのと、チタンフレームガイド化で自重が減っていて振り調子が硬くなっているのとで、私のへなへなキャストなら7番ラインで全然大丈夫です。

 ウレタンネットは乾いた地面よりは良かろうと写真撮影用に持って行きました。この魚は抜き上げたあとネットで受けました。でも撮影中にネットから飛び出してバタバタさせてしまったので、いまいち意味なかったような気も(ただこの日は曇っていたのと夕暮れ時でもうコンクリートはちんちんではなかったのでそうひどいことにはなっていないと思う)。

 そういえば、大江川で昔バスバグで写真くらいのバスを釣って抜き上げたら、後ろからネコが飛んできてバスをくわえて走り、綱引きして取り返したことがあります。

 プッツンするようなことが重なったので某日『シン・ゴジラ』を見てきました。14年のハリウッド版を見て、アメリカさんがあんなカッコいいのを作ってくれたんだからもうアメリカに任せときゃいいのに、わざわざ気持ち悪いゴジラ作らなくても……と思っていたのですが、でーれーよかったです。 (2016/8/22)

 ちょうど半月くらい前に同じ劇場に『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』を見に行ったときは日曜日なのに10人もお客さんがいませんでしたが、『シン・ゴジラ』は4割くらい席が埋まっていました。たしかに大ヒットでしょう。

 と書くと映画ばっか見て行ってるみたいですが、『インデペンデンス……』の前は『テッド2』(なにを見とるんや)だったので、年に1〜2本ですかね。

 見に行く前、憲法9条を批判した映画だみたいなのをネットで見たのですが、そんなところはありませんでした。ゴジラは国際紛争じゃありませんからね。例えば、人の飼ってている犬や猫を車でひいてしまっても、器物破損にしかなりません。つまり、法律上は人間以外の生き物はモノなわけですから、ゴジラは台風とか地震とか崖から落ちてきた岩とかと同じ位置づけとなって、自衛隊が出ていっても全然おかしくないでしょう。『テッド2』の「所有物」に通じる話ですかね(ちがうか)。

 いままでのゴジラ映画みたいに空想兵器が出てこないのが良かったですね。これを含めてリアルで、大人が見ても面白いものでした。ふたり出てくる総理大臣も普通でよかったです。これがアメリカ映画だと『インデペンデンス・デイ』みたいに大統領が戦闘機で敵陣地に飛んでっちゃたりとか、逆にめちゃくちゃデフォルメして無能だったりしそうですが、ほどよく普通の描き方でありつつ若干のスパイスも効かせつつみたいな。

 世の中には深遠なテーマを見出さないと気が済まない人がいるようで、先ほどの憲法問題のみならず地震を象徴しとるとか原発を象徴しとるとか危機管理がどうとかいろいろ言う人がいますが、私は単に面白い映画を作ろうとしたらリアルにする必要があって、結果としてああなっただけだと思いますぞ。『テッド2』に出てくる「所有物」という言葉は奴隷に人権はあるかについて争われた裁判から取ってあるそうですけど、じゃああの映画のテーマはそこか?

 わたくしの書いた『ユキ』なんかも、たしかに私の考えが出てますけど、それは結果として出てくるのであって、そうしたものを主張しようと思って書いてなんかいませんからね(それにしてもKUでもあれだけは読まれんというのはいったいどうしたことじゃ)。

 こういう日本の人の重テーマ主義みたいなのは、読書感想文で作者はなにが言いたいのかなんてことを無理やり書かせるような、わけのわからん教育のせいじゃないのかなと思ったりもします。

 電子書籍第12弾『MITCHELL』発売しました。例によって(?)発売直後にiOS機器の表示不良が見つかりました。最初から2番目のオールド300の写真ページに次と次のページが入ってしまうものです。12日未明修正する前に1冊売れてしまいました。お心当たりの方はこの方法で更新ファイルにしていただくようお願いします。 (2016/8/13)

 iOS機器はプレビューができないので、発売後すぐ自分で買ってiPodに入れないとチェックもできんのです。

 そもそもやね、一太郎玄の初期設定がトラブルが起きるほうになっとるのですわ。それ以外にも、写真が突然消えるトラブルに対処するため、EPUBファイルをSigilで開いて写真の設定を一枚一枚変えなあきません。その時だって、ミスが入り込む可能性があるわけです。

 こんなもん欠陥やんけ、もう一回なんとかならんのか聞いたろかなとジャストシステムのHPを見たら玄はサポート切れだがね。なんたること。玄の翌年に買った2014版は写真が消えるトラブルでアンインストール(代金泣き寝入り)するはめになったし、かなわんなあ。

 内容は、03年のアングリング、07年のトラウティストのミッチェルの歴史や機種構成について書いたものに、トラウティストの未発表試稿、書き下ろしのメカニズム&メンテナンス&チューニング解説を加えたものです。

 当初は雑誌記事プラス「きわめて私的なミッチェルストーリー」という今まで使ってきたミッチェルを時系列に語ったもので考えていたのですが、「きわめて……」がどんどん長くなって、バランスを欠いてしまったのでそっちはそっちで別の機会にすることにしました。

 代わりに入れたメカニズム&メンテナンス&チューニングページを含めて写真はほぼすべて新規撮影です。

 巷ではKUという焼き畑農業の煙がもくもくと上がっておりますが、なにとぞよろしくお願いいたします。

 2016年7月23日庄川水系で去年に続いてまたまたブラウンです。2時間くらい釣って、ヤマメ2匹、ブラウン2匹でありました。自然破壊を憂う純粋な竹中さんは河口堰のゲートが締まると同時に死んでしまっておりますが、セータイケーがどうこうじゃなくて、この魚ばっかりになったら、ヤだなという気もちょっとします。 (2016/8/8)

 かといって、“駆除”する気もないので、生きたままお帰りいただきました。これがあかんならニジマスもあかんのやし。まあ、あれも川中ニジマスだらけになったらヤだけど。

 外来生物駆除といえば、ニュージーランドが2050年までに外来種を根絶する計画を発表したそうです。そらまああの辺はあの辺にしかいない有袋類などがいますから、もっともなことのようにも思えます。

 ニュースでは陸上の生物のことしか書いてありませんでしたが、けっこう有名なブラウントラウトなんかどうするんでしょうね。あれも、在来種じゃなくて、ヨーロッパから持ってきたんでしょ?

 よくよく考えたら、いまニュージーランドやオーストラリアで実権を握っている人達って、もともとヨーロッパから移ってきたんじゃなかったっけ!?

 なにがなにやらさっぱりわかりませんわ。

Back number 79

上にリストがないときはここをクリック