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 2016年12月3日美浜のメバルです。最近ミッチェルを使ってなくて禁断症状が出てきたので海に持ってっちゃいました。もともとミッチェルはドラグが低テンション寄りなのと、408最大の弱点の回転バランスが低速リトリーブでは気にならないのとで、けっこういけたかな。ワームのアタリも瞬間的なものじゃないからストッパーオフで使っていてもハンドルで指を弾かれることがありません。 (2016/12/12)

 写真のラインはフロロ0.5号1.5lbです。量が少ないのは08TP C2000Sで使い古したもの(たぶん60mくらい)を移したからで、飛距離的にもう少し多い方がよかったかも。インスプールなので当然ベールはハンドルで閉じますが、ライントラブル防止のため巻き始める前にリール直前のラインを指で引っ張ってたるみを取るのはアウトスプールのベールを手で閉じたとき同様に行います。二度手間ですが、軽いリグとフロロなので仕方のない部分。

 心配なのは耐海水性です。帰宅後、スプールを外して水圧を弱めにしたシャワーにさっとさらしてボディ表面やローターカップ内の塩分を落としました。昔は濡れタオルで拭いていましたが、濡れタオルだと日本のリールでも細かいところに塩分が残り、時間をおいてベールやハンドルにサビが出てきたことがあるので、雨の中で使ったと思ってさっとシャワーにさらすのがいいと思います。

 強く振って水を切り、水分を拭き取ったら、できるだけ回さずに1〜3日放置します。シャワーの水がピニオンベアリングのあたりに入っていると回したときグリスに混じり込むためです。さっとさらしただけでもボディに水滴が入っていることがあるので、サイドカバーは外して乾燥させるのがいいでしょう。乾燥後、ラインローラーやベール支持部、ハンドル各部に注油します。

 スプールはドラグスプリングなどが心配なので、中に水を入れて洗った後、分解乾燥します。

 海水で使わなくても、ベール支持部のネジやベールスプリングなどはグリスを塗ってから組んでおきます。特に海水では異種金属間に電流が流れて腐食が進むことがあって、特にアルミのネジでこれが起こるとバラせなくなる恐れがあります。昔の日本のリールでベールワイヤーやハンドルノブ支持軸などのアルミのカシメ部が残留応力と腐食部の膨張で割れることがあったので、ハンドル折りたたみ部の回り止めピンなどもオイルが染み込んだ状態にしておくのがいいでしょう。

 いずれの洗浄もお湯ではなく水を使います。漁港は漁船のオイルが浮いていて、特にスプールに巻いたラインなどお湯を使いたくなりますが、リール各部の油脂類が流れてしまう恐れがあります。ナイロンラインの場合吸水が進む恐れもあります。人が浴びる40℃程度のお湯でも、例えばロッドのジョイントに塗ったロウが溶けて落ちてしまいますから、油脂類から見たらこのくらいでも十分高いと思った方がいいと思います。

 2016年11月26日敦賀のメバルです。あれやこれやあった16ストラディックCI4+C2000Sをおろしてきました。釣果はあいもかわらずちっこい。落とらかいて壊いたと思い込んでパーツを注文しているあいだデビューが遅れてしまいました。昔リールを検査しているとき、原さん(KDP本参照)に「リールは座って見なさい」と言われたことがありました。あれはこういう事故を防ぐためだったのですね。ちがうわ。 (2016/12/2)

 最初のマグナムライトローター搭載機種を持っていないのでよけいにだと思いますが、確かにこのリールのローターは軽いです。以前10セルテートや08、11ツインパワーのベール支持部摩耗を直すため、ベールまわりのパーツを外してローターだけになった状態で回したことがありますが、それに近い感じです。特に空で回すとスカスカな感じです。

 メバルみたいに低速&一定速で巻く釣りでも軽いですが、ハイギアモデルやデジ巻きみたいな使い方をするならさらに恩恵は大きいでしょう。

 カタログ写真では変なボディカラーですが、現物を見るとけっこういいです。メタリックの粉がたくさん入っている感じで、見る角度によってはリアカバーと一体に見えるくらい金属的です。

 気になっていたのはストッパーレバーがないことです。特に暗くなってくるとメバル用の小さいルアーは見えないのでトップガイドまで巻いてしまうことがあります。いままでは、こういうときストッパーをオフにしてローターをくるっと逆転させていましたが、仕方ないので釣りビジョンとかでほかの人がやっている(のを見たような気がする)ように、ラインを引っ張ってドラグを作動させて対処しました。

 やってみると、たらしの長さがわかるし、メバルくらいだとドラグもゆるゆるなので、このやり方もいいのかなあと思えました。

 これを、防水を簡単にしコストを下げる作り手側の都合とみるか、あれもこれもの日本製品には珍しい潔さ・割り切りとみるか、魚がヒットするまでストッパーをかけるなと言っていたかつてのミッチェルのような主張とみるか、難しいところです。

 どっちでもいいか。

 ひさびさのおニューのリール、16ストラディックCI4+C2000Sです。ここ数年買ったリールは渓流で使うのを前提にハイギアばかりだったのですが、メバルのワームを引いたり管理釣り場でスプーンを引いたりするのは、ノーマルギアのほうがいいので。魚がかかってからくるくる巻いてくるのも低ギア比のほうが楽しいし。 (2016/11/28)

 ところが、ナチュラムから届いた(地元の店に売ってなかった)リールを、糸を巻く前にうっかり部屋で落としてしまいました。ベッドに寝っ転がってリールをいじくりながらテレビを見ていてうっかり立ち上がったら、お腹の上に置いてあったリールがフローリングの床に転げ落ちたのでした。

 ゲゲゲと思って、スプールを下死点にもっていってラインローラーからスプールを見ると、糸の掛かる溝がAR-Cスプールリングの中ほどに来ています。どへへ。昨年の15ツインパワーC2000HGSに続いてです。

 15ツインパワーは落としたあとウォームシャフトから異音が出るようになり、糸巻き形状が少し前寄りになりました。そして、メインシャフト組(今のリールはメインシャフトとオシュレーションスライダーが組になっている)を交換したら、異音と前巻きが直りました。だから、このストラディックCI4+も同じようにオシュレーションスライダーが歪んだのだと思いました。

 通販なので修理に出すと送料やら手数料がかかります。大垣や穂積の釣具店に持って行くのは買ってないからやらしいです。最近シマノはダイレクト修理もやっていますが、2000円の手数料に2600円の技術料がかかります。それに、以前95ステラのベールが折れたのを修理に出したら、ドラグノブが親の仇とばかりにがちがちに締められ、ラインローラーサポートのねじの頭がなめられて返ってきたことがあったので出したくありません(……って、あらためて考えたら20年前の話やないか)。

 というわけで、1800円+消費税の巨費を投じてメインシャフト組を取り寄せ、自分でパーツ交換をしました。

 ところが、スプール位置は……変わりませんでした(ハイ水か)。

 分解するときにパーツを確認したのですが、ローターの下に余計なワッシャーが入っているとか、ピニオンベアリングがボディから飛び出しているとか、ウォームシャフトの後端を押さえる板が落下で曲がっているとかといった、前巻きになるような異常はありませんでした。ボディからローターがやや出ているように見えますが、ベール反転機構は正常にはたらいています。

 スプール下のワッシャーを足せば平らに巻けますが、この個体はもともとけっこう多めにワッシャーが入っているところにさらに1mm(厚いの2枚)足さないといけないため、ドラグネジのかかりがほんの2山になってしまいます。

 だから、なにかおかしいのはおかしいのだと思いますが、どうやらこの個体は買ったときからこういう状態で、すくなくとも落下で前巻きになったのではなかった模様です。最初箱から出してラインローラーからスプールを見たとき、前巻きになりそうなズレ方をしていた記憶もあります。ドラグネジのかかりは気持ち悪いですが、あきらめてワッシャーを足して使うことにしました。

 昔大森のマイコン100シリーズとマイコンウルトラシリーズに、クリーンキャストコントロールという機構が付いていました。スプール前面のダイヤルでスプールを前後0.5mmくらい動かし巻き形状が調整できるというものです。これを見た当時の上司氏は「うちのリールならこの倍は調整幅が要るな」と言っていたものです。最近のリールは精度が上がったから基本こういうことはないと思っていましたが、部品公差の累積でいまでもあるんかなあ。

 ともあれ今回の最大の教訓は、寝っ転がってテレビを見ながらリールをいじってはいけないということでありませう。

 2016年11月12日、尾鷲に行った翌週そういえばここでもメッキが釣れるんだったと霞埠頭に行ってみました。メタルジグやらミノーやらソフトルアーやらを投げたものの、反応なし。狙って行くと釣れないもので、代わりにワームにマゴチが釣れました。 (2016/11/19)

 ロッドは五目ロッド化するフェンウィックランカーギア56UL改で、この時点でマゴチ、メバル、メッキ、カマス、ハタみたいな魚種不明魚、タイみたいな魚種不明魚となっとります。海はなにかしら遊んでくれるので結構面白いかも。

 リールは気がつけば結構古くなった初代09(のはず)ストラディックCI4 1000F(国内未発売)。自重はいまの16ストラディックCI4+とかと同じだし、まだまだ現役。もっともいまだ408や308を使っている人なので、古いも現役もありませんが。

 ところで、最近FBに流れてきたドイツ・ダム社の広告を見ていたら「特許Sカーブカム」という記述がありました。そういえば以前フィッシングショーでシマノの人にS字カムってどこの特許なのと聞いたら「ダムや」と言われたもののあまりにマイナーなメーカー名でほんまかいなと思ったきり忘れていました。

 で、ふと思い出したのは、09ストラディックCI4のベースになっている初代07ナスキーでした。それまでのナビのカム式(非S字)オシュレーションからウォームシャフトオシュレーションにグレードアップしながら私の記憶ではSACのウェブサイトにはこれに類するリールは掲載されなかった謎のリールです。

 金型を起こしたのに最大市場(というのは昔の私の感覚なんだが今もそうなんだろうか)のアメリカで売らないとはどういうことだろうと思っていたのですが、もしかすると07ナスキーはヨーロッパ向けだったのかもしれません。紙のカタログと違ってウェブカタログは消えちゃうんでヨーロッパで売ったんじゃないかというのは想像ですけど、日本だけで売るのはあり得ないので売ってたはずです。

 ダムの広告を見て、ダムのS字カム特許がヨーロッパのほうで生きていて使うことができず、そのために安価なウォームシャフト搭載リールとして作られたのが07ナスキーだったのかなと思いつきました。

 そして、ちょうど同じく07年に登場したダイワ・07ルビアスに対抗するため、07ナスキーの金型でカーボン製のボディを作って軽合金製機械部品を組み合わせたのが、写真の09ストラディックCI4だったのかもしれません。

 このへんのところはあくまで想像で、もしかすると最初から07ナスキーはカーボン版も考えていたのかもしれませんが(でもそれならダイワのあとに出すこともあるまい)、私の想像どおりだったとすると、09ストラディックCI4はパテントやら他社の動向やらが偶然組み合わさって生まれた面白いリールだったということになります。

 2016年11月6日、美浜のメバルです。前日の尾鷲の帰りの大渋滞のうっ憤を晴らすべく(?)いつも行っている日本海側へ。ちっちゃいの1匹しか釣れませんでしたが、高速代は要らんし渋滞しないし、あーすっとした。 (2016/11/14)

 ちっちゃいの1匹「しか」と書いていますが、いつもこんなもんです。だいたい暗くなると帰っちゃうからということもありますけど、暗くなってから粘って釣れたということもないんだなあ……。

 ロッドは久々に買った現代のモデルで、アピアのレガシーブルーライン63.5LXSです。ライトソルトロッドはフィネッツァ76ULT(もう廃版の赤いブランクの)を持っていますがチューブラーティップなので、この手のロッドで一般的なソリッドティップのものを使ってみるべと思いました。

 もっともこのロッドは高弾性ソリッドでピンピンしているので、チューブラーを持っているからといって選ぶロッドではないような気もしましたが、まあええかと。私はけっこうロッドに関してはブランドイメージとかデザインとかで選んでしまう人なんですね。今風のマーケティングにのっとったら「アジングロッド」となるのでしょうけれど、メバルロッドアジングロッドみたいなおせっかいなことを言っていないところもへそ曲がりの私的には良かった点かな。

 フェンウィックランカーギア56ULを今風のガイドサイズにしたらピンピンの棒みたいになってびっくりしていましたが、レガシーブルーラインはそれ以上にパンパツパンで、ランカーギアがグラスロッドみたいに思えてきました。

 そのように硬いですが、中間部からバットが硬い分キャスト時に先がきゅっと曲がるのかちゃんとジグヘッドリグが飛んでいきます(当たり前やろそれ用の竿やも)。魚がかかって全体が曲がる竿も面白いですが、この竿みたいに先がきゅっと絞り込まれるのも引きがダイレクトで気持ちがいいものです。

 ロッドというのは住めば都ならぬ持っちゃえば愛竿みたいなところがあって、硬い竿には硬いなりの軟らかい竿には軟らかい竿なりの面白さがあるので、これはこれでいいかと思っております。全長が短いのも、足場の高い釣り場が嫌い(怖い)で漁港みたいなとこしか行かないのでこれもぴったり。

 そういえば、フェンウィックのランカーギアはもともとレガシーという名前でした。名前が変わった90年代中ごろ大垣の大型釣り具店の社長氏に商標の関係だと聞きました。米国はレガシーのままだったのでそのとおりでしょう。でもそのころアピアはなかったはずなので、いま商標はどうなってるんだろ。

 2016年11月5日、尾鷲港のメッキです。改造ランカーギア55ULでなんか釣りたいなと行ってきました。メッキといえば堺にいた30年くらい前、週刊釣りサンデーの記事を見て和歌山の日置川河口に行ったことがありました。あの時はラパラF9銀青に2匹釣れました。ファントムAWS702MLSが胴まで曲がりゴールドスピンのドラグが鳴いて、どんな大物やと思ったら20cmちょっとのが上がってきて、なんちゅう引きの強い魚やと思ったものです。 (2016/11/7)

 今回は、数年前に行った尾鷲の火力発電所温排水口の対岸へ行ったものの、その時車を停めたところが閉鎖されていて、仕方なく尾鷲港に行ったらこの魚が釣れました。尾鷲港でも朝見に行った片山池でも足下を40cmくらいのチヌが泳いでいたり、メッキのほかに尺上のカマスが釣れたり、ええなあと思ったんですけど、帰りの東名阪で15キロ90分の渋滞にはまってげんなり。昔堺からこっちに帰るときはこんなことはなかったから、新名神やら伊勢湾岸道やらで車が増えてキャパオーバーになってるみたい。きついな。

 リールはなんとなく持ち出した07アルテグラアドバンス1000S。15ツインパワーやら15ルビアスやらあるのにわざわざこれを出さんでもという感じもしますが、このくらいのリールがなんか好きなんですね。

 ランカーギアのガイドもせっかく手間をかけるんならチタンSiCとかトルザイトとかにしてもよかったような気もするんですが、こういう普通の材料で性能を上げるのが好きです。昔はステンフレームSiCが最高級だったんだし、リールだって海外向けはハイエンドまでガラス樹脂ボディに亜鉛ギアだったんで、そのことを思えば十分じゃんと思ってしまいます。

 安いものは思い切って使えるから……というのではありません。ハイエンドだろうが普及品だろうが持っちゃえば自分のものですから同じです。飽きたら中古屋に売っぱらっちゃうって人は知りませんが。

 むしろ、ステンフレームガイドは使いっぱなしにすると錆びる恐れがあるからちゃんと洗わないといけません。安いリールはアルミ一体のスプールリングなので高級品以上に取り扱いがデリケートです。

 でも、なんかこのへんのクラスのリールやロッドはほっとします。わしだけかな。

 2016年10月22日、ガイドを替えたフェンウィックの試し振りにもんじゅの見える漁港に行ったらメバルが釣れました。アジ釣りたいなと思って行ったのですがサビキの人を見ててもアジが釣れているようには見えず、今年まだアジを見ていないのにメバルが釣れました。 (2016/10/28)

 このあと、去年アジが釣れた別の漁港の明りのある小突堤に行ったら誰もいなくてサビキの人の痕跡すらなく、投げてみてもなんの反応もありませんでした。今年はよほどダメなのかしら。

 総ガイド数6のK・Rコンセプトもどき(?)に改造したランカーギアLG55SUL-2は、まったく別のロッドになりました。改造前はブランクが完全にガイド重量に負けていましたが、ぴんぴんのシャープなロッドになりました。

 トップだけ見てもPLT8からLGST4.5になったのですから当然といえば当然なのですが、予想外だったのは富士工業の出しているK・Rコンセプト標準ガイド数8個より少ないことによる弊害が全くなかったことです。

 投げてみるまではKL20H、KL10H、KL6M、KL5.5L、KT4.5、LG4.5のうち、トップガイドLG4.5と最初のKT4.5の間でラインがブランクを叩くのではないかと思っていました。総ガイド数6個にしたということは、富士の考えているベストのガイド間隔よりも広いはず、ならば一番背の低いガイドとなるこの部分でラインがブランクを叩く危険が増すはずです。

 でも、実際に投げてラインの放出状態を見てみると、この部分のラインの軌道はガイドリングの径くらいで、ブランクにはまったく接触していませんでした。そこよりも元の部分は脚の高いタイプのガイドになるので、当然なんともありません。使用したのはPE0.6号とフロロ0.5号(1.5lb)です。

 飛距離は、海でこのロッドを使ったことがなくて距離感が違うためなんとも言えませんが、それでも十分出ているように感じました。

 もちろん、このロッドを総ガイド8個にしたときと厳密に比べてどうかはわかりませんけど、前回挙げたようにシマノのトラウトロッドもたいがいこの長さのものは総ガイド数6個ですし、去年買ったオリムピックのシーバスロッドアルジェント86はK・Rコンセプト用の脚高Kガイドを使いつつ総ガイド数は富士標準10個に対し8個で組んでありました。1〜2個少ないくらいでも十分なのかも。

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