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 2017年5月3日揖斐川水系のアマゴです。ひさびさに使ったラパラF5で釣れました。フルスピードで巻いても流れから飛び出さない安定性はさすが。発売時から変わらぬ耐久性、安定性は驚異的です。 (2017/5/27)

 昔ダイワにバルサミノーというラパラのコピーがあったのですが、一回使うとリップが取れ、ボディのコーティングもバキバキに割れてしまいました。ラパラはすごいと思ったものです。

 ラパラにつけたフックはカツイチの8番。写真の魚は後ろから食ってきてリアフックが目玉に達してしまいました。下向きだから下あごにかかるとは限らないのでなんとなく上向きにしていましたが、このあとから下向きにしました。

 こないだフェイスブックを眺めていたら、釣りは動物虐待だというコメントをもらったという釣り人の怒りの投稿がありました。その投稿に対するまわりの反応は「動物虐待だという人は肉や魚を食わないのか」「自分は食べる分しか持ち帰らないからいいんだ」というものでした。

 言っちゃあなんですが、どう言いつくろったって釣りなんて動物虐待ですよ。罪もない魚を遊びで半殺しの目にあわせてるんだもん。食べるからいいんだなんてのも欺瞞です。食べるならば生業として魚を捕っている漁師さんの捕った魚を買って食べればいいのに、わざわざ釣りをするということは、楽しみでやってるわけですからね。

 だから釣りはいけないというのではなくて、心のどこかに釣りとはそういうものなのだと思っておいた方がいいということです。そういう意識があったら、乱獲に走ったり魚にひどい扱いをしたりすることもないと思うのです。

 2017年5月3日揖斐川水系のイワナです。これも揖斐川下流が減水で上流へ行って釣った魚。前回載せた12日の魚より細いのは、たぶん放流アユをまだ食ってないからじゃないかな。でもネットをはみ出す良型でした。ネットのサイズはヒミツです。 (2017/5/21)

 朝からやってアマゴが3匹でしたが、まだ水温が低くて活性はいまいち。最後夕方になってふと赤金のミノーにしたらすでにルアーを引きまくった淵からアマゴが追ってきました。

 以前別の川や河川エリアでも夕方になってから赤金ミノーで魚が出た記憶があったので、そのまま使い続けると別の深場でこのイワナが出ました。淵的な場所は魚は間違いなくいるはずですが、ルアーを見られてしまうため意外に釣れないものです。そう考えると赤金が効いたのかもしれません。

 以前カメラマンの人が、トラウトの人よりもバスの人のほうが理論的みたいなことを言っていました。トラウトの人がヘタと言っているのではなくて、理論的に積み上げようがないのですね。トラウトに比べれば同じ場所でルアーを変えて食ってくることが多いバスに対して、トラウトは最初に投げたルアーがヒットルアーになってしまうことが多いためです。

 雑誌に出てくるレベルの人だと川へ行きまくってるんで違うのでしょうけど、私レベルの人のいう赤金が良いはそんなわけなので話半分に。

 2017年5月12日揖斐川水系のイワナです。先週中ごろひさびさに雨が降ったのでこれはサツキマスのチャンスとばかり、業務と称して揖斐川下流へ行きました。ところが5月2日に見に行ったとき以上の減水&代掻きの濁り。とても釣れる気がしなかったので昼間は根尾川やら坂内川やらへ行きました。なに? 業務なら一日サツキを追え? (2017/5/15)

 今年の揖斐川サツキマスはマジでダメみたいで、この日の夕方根尾川合流点で会った網のおっちゃんは「ここ10年でこんなことは初めてだ。まだ1匹も掛かっていない」と言っていました。昨日も朝から行きましたが、まわりも釣れてなかったみたい。

 車で15分の所に住んでいてもったいないので毎年行きますけど、なんか今行かないとみたいな焦りというか使命感みたいなものがあってなんか楽しくないです。なんでやろと思ったら、『川マス』の「この魚を釣ることは……」みたいな気分が残ってるんですね。長良川じゃなくて揖斐川なんだし、もうどうだっていいんだけど。

 関係ないけど『ユキ』がけっこうハチャメチャだったり下ネタが飛び出したりするのは、『川マス』の反動なんだな。『ユキ』も最初は、補償金をもらうもらわないで親が村八分になるとか、ダムは止まったけど実は翔太の父も建設関係で失業して町を出ていくみたいなくらーい内容を考えたんですけど、そういうのは嫌だったんですね。ちなみに近々『アキ』というのを性懲りもなく出します。ご期待ください。

 ルアーはラパラCD5アバシ。材料をバルサからマグナムラパラなどに使っている硬いウッドにしたヘビーバージョンです。最近F5を使ってみて、流れからの飛び出しにくさを再認識したので、CDバージョンを使ってみました。

 明らかに下の層を安定して泳いできて、雨後の濁りでもないと魚が出てこない淵からイワナが釣れました。ラパラはリアルすぎずオモチャっぽくもないフォルムが昔から好きです。

 フックはデコイのエリアフックタイプIII AH-3の8番です。カルティバSBL-55Mよりちょっと太くて重く、ヴァンフックPL-51BLよりハリ先が長くてバレにくい感じ。このサイズだと前後のフックが絡んだりリップに乗ったりしますが、ボディの太いラパラでこれ以上フックが小さいとフッキングが相当悪くなりそうなのと、トリプルとの重量差も大きくなるのでこのサイズ。フックが絡むのであまりトゥイッチせずリーリング中心で使いますが、ラパラはリーリングだけでも釣れるのでこれでよかろうと。

 リールは久々に持ち出したカーディナル3X。巻き重すぎ……。

 2017年5月3日揖斐川水系のアマゴです。シッポちょっと病気っぽい。前の日に揖斐川のサツキマスポイントに行ってルアーを投げていましたが、水が少なくてとても釣れそうになかったので上流へアマゴ、イワナを狙って行ってきました。 (2017/5/5)

 リールは15ルビアス2004H。ベール反転レバーが10セルテートと同じなのでまた割れるんじゃないかと思いながら使っていますが、ばんばんハンドルから返していまのところ大丈夫。ちょっと支点の位置が変わってレバーの角度が変わっているようにも見えるので、ここで改良したのかも。海でフロロを使うときなどは手でベールを閉じますしライントラブルの起きにくさからもこっちのほうがいいのかなあと思ってきていましたが、あらためて渓流で使うと、そんなことやっとれませんわ。

 マグシールドはなんのかんの言ってもこういう撮影をするときにうっかり水に落ちても安心なのは確か。でも、前書いたようにこのリールは絶対分解できないようにスプール受けの中に小さなナットを入れてロックしてあります。スプール受けが取れないからローターも取れません。

 ここまでするということは、分解でマグシールドのオイルを飛ばしてしまうトラブルがけっこう発生しているということでしょう。私も最近、別に無理してバラさなくてもいいかと思ってきていて、このリールも買ったまま使ってますが、ローターを取っただけでダメになるというのも、メカとしてどんなもんじゃろかと思います。

 で、ふと思ったのですが、最近ダイワはセルテートやモアザンなどのドライブギア両軸にマグシールドベアリングというのを使っていて、これを使えばばらせる防水リールもできますよね。最初のABS、初代フリームス&カルディア、いまのアブ・ガルシアみたいにワンウェイクラッチの前にピニオンベアリングをもってきて、これをマグシールドベアリングにしちゃえばおしまいです。

 あえて分解可能を売りにすることはないでしょうけれど(と書いてみたけどローター着せ替えリールとか考えられるよね)、ちょっとバラしてダメになるようでは困りますから、当然これくらいのことは考えているんじゃないかなあと思います。

 なんか川が釣れないのでなんとなく大江川に行きました。プラグとスプーンだけ持っていくという無謀なセレクトで、もちろんなんの反応もなし。20年くらい前にロッドを買ったおまけでもらったインスパイアミノーをなくしただけでした。 (2017/4/30)

 この写真をFBに載せたときの東京の人のコメントによると、大江川は関東人のあこがれだそうです。こんな釣れへんところがなんでそうなるねんというところですが、遠くの釣り場は楽園みたいに思っちゃうものなんですね。

 大江川の近くでヘラ釣り場をやっている人は、大江川はもう水がダメなんだといいます。コンクリート護岸化が完全に進んでしまって浄化能力がなくなったからだといいます。たしかに昔(30年くらい前)はもう少し水がきれいで、けっこうカナダモが生えていましたが、いまはほとんどありません。

 こないだ釣りビジョンでもやっていましたが、近くにある五三川のほうがまだ釣れます。大江川が釣れないのはプレッシャーのせいだと言われていますが、規模からいったらずっと小さい五三川のほうが釣れることを考えると水がダメになっている説もけっこう信憑性がありそうです。大江川は輪中の内側、五三川は輪中の外側なので、入ってくる水が違うのかもしれません。

 釣りビジョンの番組はバスの聖地みたいな取り上げ方でした。五三川のほうが釣れるけど大江川で釣った方が価値があるみたいな。漁協にしてみればありがたいことですわな。バスなんて漁業権業種じゃないのにその辺はうやむやで300円で気持ちよく釣らせてくれます。ありがたいことでございます(棒)。

 ここの漁協はかつて海津町長が組合長を兼任していて、町長は「俺が河口堰の補償金を取ってきてやるから今のうちに漁協に入れ」と漁業とは無関係の町民を準組合員にしてひとり10万だか15万だかばらまいたっていうところです。これ町長にきわめて近い人から聞いた話。

 そんな昔の話はおいといて、リールは17コンプレックス2500S F6。バス釣りだからバス用を買ったのではなくて、2500番ノーマルギアで軽いのが欲しかったから。ストラディックCI4+でもいいのですが、せっかくならヴァンキッシュと同じハンドルのがいいでしょう。だいたいバス用とかトラウト用とかよけいなお世話なんであって。

 使っていて気がついたのは、ラインローラーからグリスが出てきたこと。撥水加工のコアプロテクトのはずですが、グリス詰めちゃうことにしたのかな。別売りもしている超撥水グリスを入れているのかも。

 撥水加工の防水を採用したは非接触だからだと思います。ダイワがマグシールドで非接触を売りにしているから、それに対抗するためでしょう。でも、「目的」は回転に影響を与えることなく防水することであって、接触か非接触かなんて「手段」の問題。手段なんてどうだっていいんです。特殊なグリス詰めてそっちの方が寿命が長いならそれでいいんじゃないでしょうか。

 2017年4月16日揖斐川水系のアマゴです。庄川がいまいちだったので近くの川に行きましたが、やっぱりいまいちでした。 (2017/4/24)

 前の写真に引き続きアモルファス・ウィスカー・ファントムです。傷が入ったときには終わったと思いましたが、ぜんぜん大丈夫。

 前の写真はカーディナルがついておりました。せっかくなんやで30年越しでダイワリールをつけたらどうやというところです。実はあの日は最初ルビアス2004Hを付けておったのです。しかし、巻いてあったラインがクリアーだったためルアーの位置が全く分からず釣りにならなかったので、途中で予備に持っていっていたカーディナルに替えたのでした。

 何年か前にクリアー系のラインを使ってよく釣れた記憶があったのでまた巻いてみたのですが、仮に魚に与えるプレッシャーが少なかったとしてもルアーの位置がわからないのではあきませんわ。よく赤金みたいに視認性のいいルアーをみたいなことも目にしますが、それでも見えないし、ルアーの選択が限られちゃいます。

 で、この日はいつも使っているヤマトヨの50cmずつクリアとイエローが入っているラインに巻き替えていきました。やっぱこのラインかPEでないと見えません。この日は大丈夫そうとはいえ傷の入ったロッドに衝撃を与えたくないのとガイドが昔のLVSGなのとでナイロンにしました。

 でも、最近そういう理由がなくてもナイロンを使うことが多いかな。PEはロッドによってはバレやすくなるのと、やっぱり切れたときリーダーをつなぐのがめんどくさいです。感度が良いのはたしかですが、あそこまでビンビン伝わってくるのも逆に味気ないかなあと思います。

 またしてもルビアスのATDを試すような魚は釣れず。まあしかし、私の場合せいぜい最初にジジジと出るくらいの魚しか釣れないのでたぶんなんも変わらんような。

 2017年4月14日庄川のヤマメです。わかってはいましたが荘川はまだ冬でした。4月どころか昔は3月解禁とともに行っていたものです。ほとほとあほでした。 (2017/4/18)

 次のギジー連載で、アモルファス・ウィスカー・ファントムを取り上げようと思っているのですが、いい魚の写真がありません。で、最近AWS504ULFをちょくちょく持ち出しています。

 先週も二日ほど揖斐川水系に行ったのですが釣れませんでした。それどころか二回目の釣行で対岸に引っ掛けたスプーンが外れて飛んできてブランクに激突、なんとカーボン層が削れてガラスの補強層が見えるほどの傷がついてしまいました。

 塗装が傷ついたくらいならともかくこれは致命的だと、いつぞやパーレットの印籠補修の相談をしたチャンスというロッドの修理をやっているところに写真付きで相談してみました。すると、そういう補修はできないので、折れるまで使ってそれから直したほうがいいと言われました。前もそうでしたが、ムリに作業してお金を儲けようということのない良心的なところです。

 で、とりあえず気休めに5分エポキシで傷を埋めて使ってみることにしました。で、この日一日使ってなんともありませんでした。アモルファス・ウィスカーによる強化ブランクのたまもの……かどうかはわかりませんが、常識的な使用なら大丈夫そうです。

 そもそもルアーロッドは釣り竿のなかでも過剰強度の部類なので、傷に関しても少々のことなら大丈夫なのかもしれません。S社在職中に言われていたのは「ルアーロッドは折れない」ということでした。じっさいサービス課に返ってくる修理品はアユ竿渓流竿上物竿といった日本の釣りに使うものばかりでルアーロッドの修理品は見たことがありませんでした。

 当時バスロッドしか出していなかったという事情もあるでしょうけれど、ルアーロッドは基本タフなものなのです。

 ときどき釣りブログなどでルアーロッドを折った話をいかに自分がハードな釣りをしているかという自慢話のように書いている人を見ることがありますが、あんまりかっこいいことじゃないんじゃなかろうかと思います。

 『ルアー野郎の秘密釣法』で常見忠氏は「ロッドに関してはひとつ自慢したいことがある。それはいままで一本もロッドを折ったことがないことだ」と書いていたものです。

 1988年7月30日琵琶湖のバスです。ギジー連載に使うロッドの写真を探していたら出てきました。ロッドと魚は離れすぎているわ、構図はめちゃくちゃやわ、自分の影が魚にかかってるわ、魚を乾いた岸に転がしとるわの写真ですが、30年前ということで大目に見ておくんなせえ。 (2017/4/8)

 魚がくわえているのはバイト13g銀河スペシャルです。『マイナーリールの紳士録』の「忠さんのスプーン」にバイトでバスを6投連続でヒットさせた話が載っていますが、これがそのときの魚です。

 ただ、正確に言うと、6連続ヒットではあったものの取り込んだのはこの魚1匹だけでした。このころはマスタッドのトリプルフックを使っていて、いまのフックほど先が鋭くなかったのと、基本トリプルフックはフックポイントがシャンクと平行で貫通力が弱いため、特にロッドが軟らかいと刺さりきらなかったんですね。

 このころはトラウトロッドでスプーンを投げてバスを釣っていました。魚がスレていなかったこともありますが、このころの忠さんのスプーンのパール系は効きました。鉛が入っていた(?)とかいう銀色っぽいパールカラーのころです。あれはサツキマスにも効いたので光がこういう魚食魚を刺激する波長になっていたのだろうと思っています。

 このころ弟もバス釣りをやっていて(大垣から湖北は1時間で行ける)、この数年前はロングAを放り込んでチョンチョンと動かしたら下から40cmくらいのバスが大群で浮いてきたと言っていました。それに比べればこの88年時点はかなり釣れにくくなってきていたのですが、まだ真冬でも釣れましたしこのくらいのが連続で釣れましたから、いい時に行ったのかもしれません。『川マス』に堺から琵琶湖に通っていたくだりがありますが、まさにこのころです。

 ロッドはダイワのアモルファス・ウィスカー・ファントムAWS702MLS。シルバークリークになる直前のモデルです。このころサツキマスやバスを釣るのに使っていました。日置川まで行ってメッキを釣ったこともありました。人に譲ってしまって今はありませんが、懐かしいロッドです。

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