Back number 86

 キンドル・コミック・クリエイターを使って魚&リールの写真集を作っています。全メーカー編、ミッチェル編、シマノ編の3種類になる予定っす。(2017/10/16)

 だってさあ、『Cardinal』は文章少なくていいって言われちゃうし(文章少ないから安くしたのに。今からでも値上げするか)、文章ばっかの小説『ユキ』『アキ』はちっとも売れないし、じゃあ文章ゼロの写真集はどや……というわけでもありませんけどね。

 上の表紙画像は6個ありますが、何パターンか試作したためで各1冊計3冊になります。

 シマノ編はバンタムかスピードスプールを表紙にしたいところですが、数的にはスピニングのほうが多いのでスピニング表紙にする予定。ミッチェルは408で決まりかなと。

 全メーカー編にもシマノとミッチェルが入って、写真が重複します。じゃあ、全メーカー編じゃなくてダイワ・アブ・そのほか編にすればいいかというと、はっきり言って使用頻度の関係で点数がそろいません。それと、シマノ&ダイワとかアブ&ミッチェルならわかりますが、ダイワ&アブというのはなんか組み合わせ的に変だなと。

 決して大物自慢ではなくというか大物はほとんど釣ってないので恥ずかしいほどの小物満載です。かえって優越感を感じられてよろしいかと。

 キンドル・コミック・クリエイターはマンガ本や写真集を作るソフト。いままでは一太郎(私がやり始めたころはこれでないと縦書き本文が作れなかったのでわざわざ買った)とフリーソフトのSigil(目次の半角数字が横向きに戻るの修正することなどに必要。写真も一太郎のままではだめでこれでソースをいじらないと消える)を使っていましたが、キンドル・コミック・クリエイターはいわば純正なのでそういう面倒はない……はずだったのですが、試作本をキンドルファイアタブレットに入れると画像に筋が入りました。

 でもアマゾンのKDPサポートに問い合わせたら問題ないとのことで、どうやらUSBコードでタブレットに転送したとき特有の現象みたい。これを信じて発売する方向ですが、やっぱすんなりとはいかんなあと。

 こんなKDP本は例がないので価格をどうしようかと思案中。お姉ちゃんの写真集でも100円を切るのから2000円台のまでありますからね。なにを基準にしとるんや。

 2017年10月9日若狭湾漁港の……なんでしょう。週刊釣りサンデー『釣魚図鑑』に載っているなかで一番似ている魚はクロホシフエダイの幼魚ですが、去年尾鷲で釣ったのとちょっと違う感じだし、基本南方系の魚らしい。なんじゃこりゃ。(2017/10/10)

 ワームはシマノのアジクネン。生分解素材ということで使っています。前はヤマリアにママワームエコというのがありましたが、塩ビに戻ってしまったのでこのタイプは(私が知る限り)シマノだけになりました。

 見て触った感じではママワームエコと同じ素材みたいです。生分解といっても分解速度は遅そうです。ホントに分解するのかなと思ってしまいますが、このへんの加減は難しいんでしょうね。生分解の出始めに東レのバス用グラブを買ったことがありますが、一回も使わないうちにスライムになってしまったものです。

 このほかガルプ!やエコギアアクアもありますが、やっぱり液漬けタイプはめんどくさいしかさばるし臭いしべたべたするし……。

 90年代バス釣りがブームになったころ、よく琵琶湖の山梨子あたりでウェーディングしたものです。あの辺は水がきれいで水中がよく見えたのですが、一面色とりどりのワームが散乱していてぞっとしたものです。

 浮遊している100円ライターなどプラスチック類を水鳥が食べて死ぬこともあるそうでハードルアーが良くてソフトルアーが悪いというのも違うかもしれませんが、あの山梨子の光景を思い出すとやっぱちょっとなあと思います。

 でも人気ないみたいでこっちの店ではワームもジグヘッドもまず見ません。ナチュラムでも扱ってない。アマゾンでわずかに残った在庫を取り寄せました。なかなか難しいですなあ。

 2017年9月24日揖斐川水系のアマゴです。リールはアンバサダーの10000Cに見えますが、2500Cです。小さいにもほどがあるぞ。(2017/10/2)

 アンバサダーも写真撮っとかなあかんなあと持っていきましたが、ノーマルギアでは苦しい苦しい。同じギア比4.7対1でもスプールがバンタム100の35mmに対して30mmなのですげえ遅いです。アベイルの6対1のギアが売れるのがわかります。

 なぜアブの写真を撮ろうと思ったかというと、アマゾン電子書籍で魚&リールの写真集を作ろうかなあと思っているためです。で、写真をピックアップしたものの、アブとダイワが極端に少なかったのです。

 こないだ『Cardinal』についたレビューの中に「本文が少なくてよかった」というのがあって、ひっくり返りました。写真はすぐに見れてしまうので文章量を基準に価格を決めていて、『Cardinal』は文章部分が少ないので安めにしていましたが、文章少ないほうが良かったのか!?

 じゃあ、いっそ本文ゼロの写真集はどやと思ったわけであります。

 しかも最近キンドル・コミック・クリエイターというソフトでネット動画のキャプチャー画像をまとめた自分用の電子写真集(内容はとても書けない)を作っていたので、ちょうどこれが使えます。

 日本語の電子書籍は泣いても笑っても1億3000万人分しか市場がありませんが、写真は言語が関係ないので爆発的に売れるかもしれません。

 なあほな。ひたすらリールと魚が転がっとるだけの写真集なぞ誰が見るんじゃ。

 2017年8月20日揖斐川水系のイワナ、4つ前の画面から飛び出しちゃったやつの成功ショットです。イワナはなかなかおとなしくしてくれないので、濡らした手でそっと横向きにします。そして、目の前に手のひらをかざして暗くするとおとなしくなるので、動きが止まったところですかさずカメラを構えて撮ります。(2017/9/25)

 リールはときどき引っ張り出すカーディナル33。オリムピック復刻時代92年に買ったやつです。あらためて考えると、現在ラインがちゃんと巻けてベールの形状やラインローラー角度が出ているカーディナル33/3の最初の1台と言えるかもしれない個体。そう考えるとすごいですね、我ながら。

 もっとも、糸巻き形状修正はひそかにやっている人もいたみたいで、テーパーアンドシェイプの島津氏はメインシャフト(スプール軸)の先にもう一本ばね溝を切ってスプールをそこまで押し込んで修正していました。現在の真鍮パイプ入りスプールではできませんが、当時の樹脂一体品はこういう細工もできました(でもまあ、あの真鍮パイプも百害あってなんとやらに思いますねえ。あれがないと内径が締まるのかもしれませんが復刻33/3のスプールって見るからに成型状態が悪いですから、まずそっちをなんとかするべきでしょう)。

 私の場合、買ったリールが使えない状態にあるのが許せない人なので、あれやこれややっていって写真の33のレベルまでもっていきました。どこをどういじるかは『Cardinal』をどうぞ。

 宣伝してしまいましたが、『Cardinal』はポツポツ出てくれるからいいんです。むしろ『ユキ』『アキ』が売れてほしいというか売れないと大打撃というかぜんぜん売れてないというか。リール本の場合は基本雑誌に掲載するために撮影した写真や書いた原稿データを引っ張り出してきて作る(『Cardinal』はチューニング部の写真は新規撮影だし本文も新たに書いてますけどね)のですが、小説はいちから全部書いているわけです。しかも表紙はプロのイラストレーターの人に描いてもらっているのでコストもかかっとるわけです(いまだ『ユキ』『アキ』ともに赤字だ)。

 なんで小説なんか書くねんというところですが、これは私だけじゃなくてKDPで釣り本を出している人でも小説を出している人はけっこういます。チームなんたらの人とか釣りはサイエンスの人とかがそうです(余計なお世話だけどサイエンスの人のはPDFファイルをそのまま使ったみたいでありゃキンドル端末で読めないよ。リフローで作った方がいいよって誰か教えてあげたら)。そういえば、昔たしか『Salty!』 にあの村越正海氏が小説を載せてた記憶があります。文章を書く人というのはなにかしら表現したいこととか吐き出したいことを抱えているということじゃないでしょうか。

 そんなわけなので、『Cardinal』が良いと思った人は小説もどうぞ。同じ釣り小説でも『影裏』より『アキ』とかのほうがずっと面白いと思うぞ。あんなもん難しい漢字ばかり出てきて読みにくいし下ネタはひとつもないし、『アキ』の足下にも及ばんもんです(暴言にもならんな)。

 2017年9月2日庄川のヤマメです。バンタム10SGを持っていった日で、新品のベアリングにオイルを注していったら夕方ごろにはさらにグリスが飛んでますますバックラッシュしがちになったため、BB-2にチェンジしました。で、夕暮れにこのサイズが2匹。(2017/9/16)

 去年もでしたが、8月終わりから9月初めにもかかわらず成魚放流らしき魚が釣れました。周年楽しめるように放しているのかもしれませんが、もしかしたら親魚放流(って言うんじゃなかったかな)かも。

 なにかで読んだのですが、稚魚放流よりも発眼卵放流よりも低コストで手間がかからずかつ歩留まりのいい方法に、産卵を控えた親魚を放流するのがあるそうです。

 やっぱり人間が卵を埋めるよりも魚が本能にしたがって直に産むほうが良さそうなのはなんか想像できます。

 ある程度の大きさになってから放す稚魚放流のほうが、卵や孵りたての段階で食われたり死んだりすることがないため歩留まりが良さそうです。でも、よく考えると生まれてから人間に配合飼料をもらって育った魚は、三つ子の魂なんとやらみたいなもので、なんか違うのかもしれません。

 漁協がどういう意図で放したかは不明ですが、このサイズの魚ならこれから産卵するはずです。いっぱい産んでほしいものです。

(この地方の方はご存知だと思いますが、庄川は10日で禁漁になっているのでご注意)

 2017年9月9日庄川最終日のヤマメです。前の週けっこう釣れたのでまた行ってしまいました。前の週と8月に行ったときよく当たったバイト6gがなぜか当たらず、4.2gにしたらポツポツ。やっぱり条件によって食うルアーが変わるのやなあといまさら。(2017/9/11)

 前回の10SGにかわって今度は銀色の100です。前回の10SGはブッシュを新品のベアリングに替えて、さらにそのベアリングにオイルを注し、バンタム用ブルーのブレーキブロック(SVSのグレーくらい)にオイルをつけた状態で持っていきました。

 11年に初めてアベイルスプールをバンタム100に入れたときは(最初遠心ブレーキをドライで使っていてオイルまわりを防ぐため)ベアリングにグリスを入れていましたが、10回くらい使ったら同じブレーキでもバックラッシュするようになりました。ベアリングのグリスが使用にともなって飛ぶためです。調子が変わるのは嫌なので10SGは最初からオイル入りにしてしみようと思ったのでした。すると、とてもよく飛んだ代わりにバックラッシュしがちでした。ワンサイズ上の黒いブロックにしてもスプールからラインが浮くことがありました。

 渓流では着水時スプールに糸が浮いていても直している時間がありません。それと、以前サンラインの人に取材で聞いたところベイトの高切れはスプールから糸が飛び出たピョン吉状態で投げることにより、この部分がリールのフレームなどに高速で接触して摩耗して起きると聞いたので、バックラッシュ防止優先でいきたいと考えました。

 それで今回のバンタム100はあらためてベアリングにグリス(シマノのスプレーグリスなのでSHIPグリス相当のはず)を入れ、ブルーのブロック2個にオイルつきでいきました。前はSVSのクリアー2個オイルつきで使っていましたが、そのセッティングの釣行がほとんど天竜川の冬季マス釣り場だったので気温を考えてワンランク上のブロックにしました。

 すると、さすがにバックラッシュはしないものの、スプールの加速がかなり悪く、投げていて気持ちよくないばかりかコントロールも狂いがちでした。記憶をたどると最初にアベイルスプールを入れたときは、すでに純正スプールで2〜3回投げに行ったあとだったのですでにグリスがある程度飛んでいて、詰めたてはもっと重いということみたい。

 となると、グリスを入れて最初2〜3回は回転が重くてその後10回目くらいまではまあ安定、その後オイル並みに軽くなるみたい。こうなるとやっぱり最初からオイルにしてブレーキを合わせたほうが良かったのかしらといまさら。

 2017年9月2日庄川のイワナです。ポーズがあまり決まってないのは例によってイワナはくねくね動いておとなしくしてくれないのと、写真のように岸辺が細かい泥でバンタムに泥水をぶっかけられても困るのでささっと撮影を済ませたからです。(2017/9/3)

 ルアーはバイト6g。先月庄川に行ったときもこのルアーはよく釣れました。ルアーもですが、特筆すべきはフックに食ってくる魚が多かったことでした。黒いチヌバリに黒いスレッドで巻いたスイミングフックは8割以上の確率で魚の口に入って釣れてきます。ルアーの2倍くらいしかない新子ヤマメですらフックをくわえて上がってきます。スプーンの尻で振り回されるフックをわざわざくわえるのですから、かなり狙ってフックを食っているのがわかります。

 ただし、バイト6gくらいのサイズになるとバランスするのがチヌバリ5号くらいになります。このくらいのフックだと新子どころかそこそこのサイズでもかかり方によってはひどいダメージを与えてしまいます。この点が、釣れるのがわかっていても大きめのスプーンの使用をちゅうちょする理由になっていました。

 フックを小さくしたら凧の尾効果がなくなって泳ぎが不安定になるのでそこそこバランスするフックを付けていたわけですが、ふと流れの中のスプーンはどっちみち泳ぎがめちゃくちゃになってきれいなウォブリングはしていないのだから、フック小さくしちゃってもいいんじゃないかと思いました。

 で、今回の釣行はチヌバリ5号に替えてチヌバリ3号で作ったスイミングフックを付けていきました。結論からいくと正解でした。泳ぎは思ったほどひどくありませんでした。魚がスプーンを食おうとするならばフックを小さくするとフッキングは悪くなりますが、黒いフックの場合フックを食ってくるので、そうしたこともないようです。

 この日バイト6gで釣ったイワナ3匹ヤマメ3匹はうち4匹がフックを口に入れ、残りの2匹も口の外とはいえ唇にフックがかかって上がってきました。6匹(さらにミノーで2匹)というとわたくし的には天文学的釣果なのでフックを小さくしてもヒット率は落ないとみていいと思います。

 2017年8月20日揖斐川水系のイワナです。イワナという魚は断面が円形なのでヤマメアマゴのように寝てくれません。なので撮影中しょっちゅうこうなります。久しぶりに尺あった(たぶん)こともあって40ショットも撮っていました。(2017/8/26)

 40ショットといっても、連写で撮っているのでそう時間をかけているわけではありません。連写で撮るのは口をパクパクやっているため、2〜3ショット撮っておかないと表情がうまく撮れないからです。

 「たぶん尺」というのは、もう何年も魚のサイズを測ったことがないせいです。別に人間の決めたセンチやら尺やらで魚の価値を決めなくてもいいじゃないのという感じ。だいたいメジャーを持ってませんし。何年か前の九頭竜サクラマスは67cmでしたが、あれはたまたまいた人が計ってくれた数字でした。

 この日はあまり釣る気がなくて朝ゆっくり出たのですが、いい具合に増水していたのとまだ人がいなくて釣れてしまいました。いつもならアユ釣りの人が入ってしまう時間帯ですが、最近アユの人も年齢層が上がってまずめ時から張り切ってくる人はいないそう。そうぴりぴりして釣ったって仕方ないわけで、いいことじゃないでしょうか。

 今年は釣行回数が控えめの割に、行くとまあまあのアマゴやイワナが出ました。新品のロッドに魚が釣れるように、魚を釣ると怨念みたいなのがロッドのみならず釣り人にしみついて釣れなくなるのが、釣行回数が少ないとそれがないからか、などと非科学的なことを考えてみましたが、理由はスレでしょうね。

 つまり、さして広くない渓流の場合、釣りで魚をスレさせている主原因が自分ではないかということです。自分の場合、使うルアー、狙うポイント、ルアーの引き方が共通ですから、たとえ1週間前でも最悪の先行者となります。そう考えると、できるだけいろんなところに行った方がいいのかなとか、でもまあ自宅から1時間以内でこんなのが釣れるのにわざわざ遠く行くこともなあとか。

 2017年8月11日庄川のブラウンです。こうして見るとやっぱスピードスプールはカッコええですな。写真のBB-2用スプールはアベイルサイトで在庫僅少となっています。最小ロットで作ったそうですが、どのくらい作ったんやろ。BB-1もいつかやるということでしたがやるのかな。あんがい(並行品がけっこう長期間入っていた)リョービ製BB-1N用を作ったらけっこう出そうですが、あんまりマイナーに走っても !? (2017/8/18)

 またまたブラウンが釣れました。それも去年釣ったのとは別のダム・ダム間でした。なんか増えてます。釣れると「駆除」している人もいるようですが、逃がしてきました。こういう魚がいるのがいいことかと聞かれればそうは言えませんが、駆除ってなあねえ。

 今はエコブームから発展して外来生物駆除ブームです。京都鴨川の日中混血オオサンショウウオを駆除したりとか、どこだったか忘れましたが日台混血ザルを殺処分したりとか、生態系もくそもない人工のお堀のアリゲーターガーを捕獲作戦だなんだとテレビショーにしてとっつかまえ、あげく研究と称して腹をかっさばいたり。気分が悪くなるので見たことありませんが、池を干し上げて外来種を退治する番組もあるとか。

 80年代に琵琶湖でバスを釣っていたら、地元の小学生がブルーギルを釣り上げ、「こいつらは死刑やねん」と言って天高く放り投げているのを見たことがあります。当時からバスやギルは駆除されて浜に掘られた穴に捨てられたりしていましたが、それを見ているうちに子供がこういうふうになっていくのは嫌だなあと思ったものです。今は生態系を錦の御旗に公然とそれをやっている感じ。社会の右傾化ネトウヨ化とリンクしているとまでは言いませんが。

 むかしテレビでタモリ氏が「ねえねえ知ってる? 小説家ってなにかテーマがあって書いてるんじゃないんだってね。面白い話を書こうと思ってるだけなんだ」と言っていました。自分が書いてみるとたしかにそうで、別にこれでなにか主張しようとかは意外に思わないものです。それでもやっぱりそのときの気分や気になっていることは出てきます。またまた宣伝みたいですがというか宣伝ですが『アキ』にアリゲーターガーが出てくるのもそういうことです。

 2017年8月11日庄川のイワナです。子供のころからお盆に釣りをしてはいけないと言われていて今もなんとなく気持ちが悪いので山の日の11日のうちに行ってきました。(2017/8/12)

 とはいえ、私みたいな人はともかく普通の会社員の人はまとまった休みがなかなかないので仕方ないんじゃないでしょうか。

 やっぱ荘川まで行くと快適です。下界は地獄の暑さでも涼しいです。気温はそれなりに高いですが、例えばとりあえず日陰に停めていれば、昼間車の窓を開けて中で寝ていても不快なほどには暑くないくらいほどです。

 リールは渓流へは初めて持ち出したスピードスプールBB-2アベイルスプール入りです。こういうヘンタイプレイでないと満足できなくなっているのはどんなものかとは思いますが、写真のシュガーミノー50Sも問題なくぶっ飛ぶのは大したもの。

 ただしギア比が4.4対1しかないのでちょっと上流に向けて投げたらフルスピードで巻きっぱなしになります。巻くだけで精一杯でトゥイッチはほぼ不可能です。トゥイッチを入れたあとのスラック回収が間に合わずミノーが沈んでしまいます。でも、けっこうリトリーブだけでも魚は食ってくるものです。特にイワナはそういう感じ。何年か前取材したバスデイ川島さんが、「みんなずっとトゥイッチするけどトゥイッチはここぞというときにすればいいんだよ」と言っていましたし、そうパンパンやることはないみたい。

 ロッドは2010年に渡辺つり具店のフレックスULスピン6ftブランクで作ったベイトロッドでいたって普通の富士TCSシートを使っています。なので、オフセットハンドル時代のバンタムやスピードスプールは重心がかなり高くなります。でもこのロッドはスローテーパーのULパワーなのでそうブンブン振るわけでもなくそれほど問題はありません。オーダーが自然消滅したらしきコルフォーハンドル付き2ピースロッドはこういう重心高さをなんとかしたかったのですが、ハンドルによる重量増加を考えると別にいらんかったかなと。

 こうくそ暑うてはたまりません。昨日は夕方だけ霞埠頭へチヌかマゴチでも釣れんかと行ったもののボウズ。というより暑くてだるくてに加えて化学工場からの異臭で気持ち悪くなってすぐ終了。困ったもんです。(2017/8/6)

 そんなわけで(どんなわけで)読書でもしたらということで最近読んだ本をいくつか。『法医昆虫学捜査官』はたまたまキンドルストアで見て読んだら大当たり。大当たりというのはこの本がということもありますが著者川瀬七緒さんのは続けて9冊全部読んでひとつもハズレがありませんでした。本書は死体にたかる昆虫から犯罪の行われた日時や場所を特定する捜査官の話でシリーズで5冊あります。これ以外のものも面白い。

 『フロスト始末』はイギリスの警察小説。最初のを読んだのは15年くらい前ですが、これが最新・最終版です。最終版なのは著者が亡くなってしまったから。モジュラー型と呼ばれる複数の事件が同時に起こる小説で、下品なダメ刑事(ダメではないのだが捜査中に負傷したことで勲章をもらって警部になってしまったという設定)が次々起こる事件を七転八倒しつつ解決するもの。ちょっと驚いたのはこのなかにも昆虫学捜査官が出てくること。実際にあるんですね。

 『凹凸』は紗倉まなさんの第2作。『最低。』が面白かったので読んでみましたが、文体が前と変わって「文学的」になってます。つまりわたくし的には読みにくい。ので、3分の1で止まってます。太鼓の音がしたと書けばいいところをわざわざ「律動」がなんて書き出しで即投げした『火花』の悪影響じゃないかと思うのは私だけでしょうか。読みにくくてわかりにくい文章を読みこなすのが文学だ読書だなんていうのが本嫌いを増やすのだと私は思います。

 昔文学少女崩れのオバサンに「大江健三郎の小説は難しくってとてもいいそうよ」と言われて、この人はなにを言っているんだろうと思ったことがあります。大江健三郎は読んだことがありませんが『新版日本語の作文技術』に悪文の例として大江健三郎の文が載っていました。ありゃあ日本語じゃありません。言葉は情報や意思を伝えるためのツールです。読みにくいのは書いている人がダメなだけなのです(高校の現国で「2」を取ったことのある人のたわごとなのでまじめに取らないように)。

 『ラストホープ1』は20年くらい前本屋で見て興味があったけど買わなかったフライフィッシング小説で、最近電子版で発見。こういうこともあります。『大魚の一撃』も電子版にしてほしいなあ。

 『桶川ストーカー殺人事件―遺言』はタイトルの事件を追い警察より先に犯人を突き止めたジャーナリスト清水潔氏の本。『殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』『「南京事件」を調査せよ』とともに徹底した取材と小説を思わせる内容で読まされます。ただ、前2冊を読むとテレビの刑事ドラマがうそ臭く見えてしまうのが困りものです。

 『神罰1.1』(なぜかキンドル版が消えたのでこのリンクは紙の本です)は手塚治虫氏など有名漫画家の画風をまねてとんでもない漫画を描く田中圭一氏の漫画集。サブタイトルが「田中圭一最低漫画全集」なだけに「サイテー(笑)」としか表現できない漫画満載です。ええんか。

 最後は竹中由浩さんの『アキ』。外来生物、メディアと大衆、SNSを問う社会派作品となっております。お子様の夏休み読書感想文のテーマにもおすすめです(おい)。それにしてもつボイノリオ先生にラジオで宣伝してもらっても読み放題サービスで10ページ読まれただけってどーなん。

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