Back number 90

 電子書籍第19弾『マイナーリールの紳士録3』発売いたしました。2004年から2015年までの、リール、ルアー、ロッドに関するエッセイを18本収録しました。 (2018/5/25)

 2015年までとしたのは、昔のテレビの洋画ショーが公開から3年待ちだったから。

 左のキンドル端末に写っているのは、バックウォータースペシャルです。写真のためにヤフオクで買いました。このほかチップミノーも撮影用にアマゾンで買ったのですが樹脂モデル(知らんかった)で、あらためてバルサ製を買いなおしたので、バックウォータースペシャルともども3万くらい使ってます。『ギジー』以外のムックから持ってきたのは写真がなかったのですべて新規撮影です。

 右のファイアタブレットに写っているのは2013年に『ギジー』で2号にわたって掲載した「忠さんの愛したリールたち」です。スペースの関係で割愛した写真を数枚プラスしています。

 ミッチェル300、ファントムEX、クォーツなど『マイナーリールの紳士録』『マイナーリールの紳士録2』で既出のリールがありますが、内容は別物となっています。

 キンドルがなくても、キンドルアプリを入れれば中央のiPodのようにスマホやPCなどあらゆる端末で見られます。

 2018年5月20日揖斐川のニゴイです。ここ数日体がだるかったので夕方だけぶらっと行ってさじを投げたら釣れました。バンタムMGL初ヒットです。喜ぶべきことなのか? (2018/5/21)

 最初ダムサイド10gを投げたら2投連続でバックラッシュしてしまいました。ブレーキダイヤルは九頭竜川で下ろしたとき安定して投げていた2.5くらい。その後風が強かったこともあって、3.5くらいで投げていましたが、だんだん飛ばしたくなって緩めていったら、最終的に1.5で十分投げられました。

 なんでやと考えてみたら、どうもラインコーティング剤のせいらしい。ナイロンの吸水を防ぐためPEにシュッ!をかけています。かけるといってもベイトの場合はバイキング44にラインを巻き出してからスプレーして、指でしごきながらリールに戻しています。それでもコーティング剤が糸同士をくっつけていてバックラッシュしたみたいです。

 こういうことはアベイル入りバンタム100などを使って渓流で2〜3gのルアーを投げるときにも起きますが、10gのスプーンでしかも暖かい季節なら大丈夫だろうと気にしていませんでした。そういえば、この一週間前大江川に持っていったときも最初バックラッシュしました。前使っていたサンラインのパワーアップラインコートZが最近売ってなくてPEにシュッ!に替えたのですが、こっちのほうが粘りがあるのかも。

 せっかくいい季節なのに、週末ぐたっとしてしまったのは木曜日に歯科医で歯の型を取ったせいみたい。前取ったときも数日調子が悪かったです(今日もまだちょっとだるいし頭も冴えとらん。朝ふたり電話取材したがなんかいまいちやった)。私はCS気味の人なので、麻酔に接着剤に染み止めその他もろもろがこたえるみたいです。エポキシ接着剤で体調を崩す人なので仮歯をつける接着剤がいちばん怪しい気がします。まあ再来週にかぶせものを付けたらおしまいなのでよかろうと。

 ところで昔は歯を削るときに麻酔なんかかけなかったんですよね。歯はなくなった分が元に戻らないので、若いころちゃんとしておけばよかったなあとこの歳になると思うのですが、やっぱあの時代の歯医者は行けんかったよなあ……。

 2018年5月12日揖斐川水系のアマゴです。朝揖斐川下流でサツキマス狙いのスプーンを投げたあと、魚の反応皆無は寂しいなあと上流へアマゴ・イワナ狙いに。しかしこっちも苦戦で夕方やっと一匹。ちびしいなあ。下手なんか。 (2018/5/13)

 ロッドはUFMウエダ・スーパーパルサー・バックウォータースペシャルBWS-55。『マイナーリールの紳士録』『マイナーリールの紳士録2』に続く『マイナーリールの紳士録3』で写真が必要なので、ヤフオクでポチしました。

 エリア用ロッドになりますが、初期のものなのでまだそんなに軟らかくなくて、自然渓流でも使っている人もいるらしいロッドです。じゃあ、どんなもんじゃいということで、川に持ち出してみました。

 低弾性カーボンのせいか、一見するとそれなりに張りがありながら、いざ使ってみると曲がりが深くて軟らかいという不思議なアクション。キャストはグラスロッドみたいに乗っけて投げると気持ちよく飛びます。ただ、この魚の前に2匹アワセきれずに取り逃がしていて、フッキングパワーはそれなりみたい。まあ、しゃあないです。

 この魚は、口に掛かったベリーフックが外れて、背中に掛かったテールフック一本になっていたこともありますが、かなり寄せるのに苦労しました。この感じはFS53Jそっくり。“投げられるFS53J"という感じでしょうか。

 2018年5月1日揖斐川のウグイです。徳山ダムの低水温せいかカワウのせいかそれ以前から続く砂利の川原の消失のせいか、もはやほとんどいなくなった希少魚であります。卵を抱いているのかパンパンの魚で、スーパーパルサーCWBU65Mのバットをガンガン叩く引きのおかげで途中までマスだと思って寄せてしまいました。 (2018/5/4)

 ウグイやニゴイも個体差があって、昔長良川で釣ったニゴイの中に、ヒットと同時に水面から大ジャンプしたのがおりました。

 バンタム100はオイル潤滑にしたベアリングに純正4.5mm黒ブロックオイルつきで投げてきました。計算通りBB-2のオイルBB純正3.5mm青ブロックとほぼ同じ感じでした。

 ブレーキ力は計算上青ブロックの103%のはずですが、むしろちょっと弱い感じで、飛距離が出る代わりにリリースタイミングが狂うとまれにバックラッシュを起こすほどでした。おそらく、ブロックが長くなった1mmの分はスプール中心に近いため、単純にブロックの重心位置を回転半径にした計算との誤差が出たのではなかろうかと。

 それよりバックラッシュへの影響が大きかったのは、ロッドが振りきれんからですな。66の長さでベイトのシングルハンドグリップということは、スピニングなら70以上のロッドを片手振りしているようなもので、しかも握り手よりも前にリールがあって、なおかつリールシートはガラス入りナイロンの塊で重いのなんのです。そのタックルを私のか細い腕で振るのはかなりしんどい。色男金と力はなんとやらです。いきおい、リリースタイミングが狂ったり、最後にティップがブレて飛び出したルアーをはたいたりしてしまいます。

 じゃあ、ブランクスルーのベイトロッドにすればいいのですが、やっぱバンタムやBBくらいのリールは重心が高くなるし、パーミング性がオフセットに合わせてあって握り心地がぜんぜん違うんですね。この富士のグリップ、ガラスナイロンの代わりにカーボンナイロンで打ったらあかんのでしょうか。もう金型ないか。

 いまさらながらアベイル製バンタム100のスプールのブレーキをどうしようかと考えておりました。バンタム100とBB-2は同じ35mmスプールなのに、ベアリングのグリスを抜いた場合、BB-2はシマノ純正ブロック青(3.5mm)2個オイルつきでほぼなんでも投げられるのに、バンタム100は同じ青2個ではバックラッシュしてしまうからです。 (2018/4/28)

 釣り場で投げてみればいいのですが、視力も落ちているし現場で交換してブロックを落としたら絶対見つかりません。ましてシマノ純正黒(4.5mm)は昔サービス課の島津さんにもらったのが4個あるだけです。そこで、もはやこれくらいしか覚えていないF=mrω2によってブレーキ力を計算してみようと思いました。

 同じブレーキブロックでブレーキ力が違うのは、ブレーキリングの内径が違うからです。ブレーキリングはBB-2の26mmに対しバンタム100は24mmと小さくなっています。

 で、最初半径rをそれぞれ13mmと12mmとし、ブレーキブロック青の重さを3.5、黒を4.5として遠心力Fを計算し、BB-2の青2個と同じブレーキ力にするには青と黒1個ずつと算出しました。

 ところが、昨日布団の中ではたと気づきました。半径13mmと12mmはブロックの先端であってブロックの重心ではありません。しかも青と黒のブロックは太さが同じの長さちがいのため、黒のほうの重心は中心に近くなってしまい、重量増加分がそのまま遠心力の増加分にはならないはず(たぶん厳密に言うとブロックの中心を重心とするのも正しくなくて微分積分みたいなことをしないといけないはずだがわしの頭でそんなことができるはずがないからとりあえず近似的にこれで行くのだ)。

 それ以上に抜けていたのは、ブレーキ力はトルクだということでした。同じリールでブロックを変える話なら無視すればいいのですが、この場合はリールが違うためFにブレーキリングの半径をかけないといけません(最初に気づけというところだが高校時代担任に理系に行くことを止められたほどの人だからこんなもんなのだ)。

 で、このへんを考慮してブレーキ力を計算してみたところ、バンタム100に青2個を入れたときのブレーキ力はBB-2に同じく青を2個入れたときのブレーキ力の84%だったことがわかりました。だからバックラッシュしたのです。

 さらに最初の計算で出た青黒各1個でも94%でした。黒2個でようやく103%となってBB-2を少し上回ります。ブレーキリングの半径にすれば1mmの差なのですが、ブレーキブロックがワンサイズ変わるくらい影響があるのだなあとちょっと驚きました。

 はたしてこの計算が合っているかどうかは、揖斐川か大江川で投げて確かめましょう。しかしまあ、相変わらずこんなことばかりしていてバンタムMGLいつ使うんだ。

 2018年4月13日、庄川のイワナです。やはりまだ少し早いようで、あんまり釣れません。釣れないのはいつものような気がしますが、動きがまだ鈍いようで、プラグで釣れてもすべてリアフックに食っていました。去年なんか8月9月でも釣れていたので、慌てて行くことないんですね。 (2018/4/23)

 写真はバイト6gに釣れたイワナで、昨年終わりくらいに試し始めたチヌバリ3号の小型スイミングフックを引き続き使っています。チヌバリ3号はルアー用シングルフックなら6番くらいで、スプーンに対し明らかに小さいのですが、ちゃんと釣れます。泳ぎは不安定になりますが、どのみち流れの中のスプーンはほとんど規則正しいウォブリングをしないので、関係ないみたいです。

 黒フック・黒スレッドにするとフックを食ってくるため、小さいフックでもOKです。この日はバイト6gでヤマメとイワナが1匹ずつ釣れましたが、2匹とも写真クラス(18cmくらい)の小型にもかかわらず、フックを口に入れて上がってきました。バイト6gは肉薄のため全長が約5cmあり、しかもミノー以上にフックを振り回して泳いでいることや、ミノーの尻を食ってくるような活性の低さであることを考えると、フックを狙って食いにきているとみていいでしょう。

 フックの色といえば、赤が良いとよくいわれます。チヌバリスイミングフックも昨年赤をどっさり巻いたのですが、まだ釣ったことがありません。たぶん釣れると思うのですが、赤バリにしたルアーを泳がせてみると、ルアー本体よりもフックが目立つので、なんか気持ち悪くて使い続けることができません。黒いフックを狙って食ってくるのなら黒だって十分目立っているはずですが、赤はルアー全体の色調を乱してしまうような感じがします。

 スイミングフックのみならず、3g前後のスプーンにもエリア用赤バリを付けたのをたまに使ってみますが、いまのところ釣ったことがありません。

 エリアの赤バリはたしかに効きますが、去年朽木渓流魚センターでいつも確実に釣れていたぐるぐるX&赤バリがぜんぜんで、黒にしたら釣れた経験をしていて、赤はアピールする分、条件が違うと外れるような気がします。

 かなり思い込みもありそうですが、押しなべてルアーのカラーはそういうものではないでしょうか。

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