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 前回追記しましたが、電子書籍第21弾『BAIT CASTING REEL [HISTORY AND MECHANISM]』に訂正を入れました。申し訳ございません。 (2018/11/23)

 発売早々なにをやっとるのかというところですが、これも電子書籍ならではで、紙だったら大騒動です。

 問題はこの図にかかわる部分です。これは80年代初めにあった、アブ・ガルシアのオートマグ(スピードアジャストマグネットブレーキだったかも)の原理図として描いた図です。スプールが加速すると、マグネットユニットがスプール側に近づいて、現在のダイワのブレーキやシマノFTBのように遠心的な特性になることを示しています。

 ところが、発売直後昔アンバサダーポラリスを使っていたという方から、マグネットの動く向きが逆ではないかと指摘を受けました。で、30年前の記憶をたどると、S社に転がっていたそのころのアンバサダーを見て「これでは逆じゃないか?」と思った記憶が、おぼろげながらよみがえってきました。そういえば当時のエビスの広告かマニュアルで、マグネットが遠ざかって飛距離を伸ばす云々という記述を見た記憶もあります。

 電磁誘導ブレーキは低速で効きすぎるため、マグフォースV以来のダイワのブレーキやシマノFTBは高速域での効きを強めて、遠心的な特性に近づけています。だからよもや当時のアブ・ガルシアが正反対のことをやっていたとは思いませんでした。

 こう書いていても、ホンマにそんなもの(ダイワのブレーキローターが加速とともに引っ込むようなもの……)を作ったのかいなと、いまだ半信半疑なくらいなのですが、アブ・ガルシアがそうしてしまった理由は想像できます。

 マグネットがマグフォースVなどと逆の動きをしたならば、普通の電磁誘導ブレーキ以上に低速での効きが過剰になるはずです。投げた感触は、ルアーが飛び出すときに回転が重く、飛び始めたあたりでスーッと伸びていき、着水前にふたたびブレーキが強くかかる、というものになるはずです。

 これは、メカニカルブレーキを強めに締めてキャストしたときの感触に似ています。

 アブ・ガルシアは今も4600Cや5600Cのような旧設計の丸型をラインナップしています。当時もこういうリールはメインモデルで、しかも遠心ブレーキはいまのような6点可変ではなく、2点式でした。となると、メカニカルブレーキを締めて投げるのが基本になるはずです。

 そのため、当時のアブ・ガルシア技術陣は、伝統的モデルに近い投げ心地のリールを「良いもの」と認識してしまったのではないか……というのが私の推理。

 19日夜までに購入されて、奥付(発行年月の書いてある最後のページ)に変更について書いていない場合は、この方法で更新をお願いします。料金はかかりません。

 ところで小説出したんですよ。

 KDP小説第三弾『フィッシングライター陽子』、超々絶賛発売中です。

 旦那、こうやってしつこく宣伝してやっと売った『フィッシングライター陽子』の部数の2倍を、『BAIT CASTING REEL [HISTORY AND MECHANISM]』の野郎は、たった1週間で売っちまいやがったんですぜ。これじゃあ『フィッシングライター陽子』が不憫じゃあありませんか。こっちのほうが20円も安いんですぜ。読んでやっておくんなせえ。

 電子書籍第21弾『BAIT CASTING REEL [HISTORY AND MECHANISM]』発売しました。関係ありませんが、バックはこないだ買ったウェーダーの箱です。 (2018/11/17)

 初出は『ギジー』2014年春号に掲載された「ベイトキャスティングリールの系譜」「ベイトリール メカニズムの変遷」ということになっておりますが、特に後者は原形をとどめないほど再構成・増量しております。

 元の記事は現在の形になるまでの歩み的なものだったので、ちと話が古かったのですが、PART2に関しては増量にともなって現在のメカニズムもほぼ網羅するものとしております。『TACKLE STUDY』がスピニング中心だったので、補うものとしてぜひ。

*19日夜に修正を加えたため、それ以前に購入され、奥付にその旨記入のない方は、更新をお願いします(こうした内容変更は自動配信されないのでご理解ください)。

 ところで小説出したんですよ。

 KDP小説第三弾『フィッシングライター陽子』、超々絶賛発売中です。某作家先生の著作がコピペだらけだと一部で話題ですが、『フィッシングライター陽子』の参考文献『シーバスハンティング』からの引用部分もコピペです! なんとけしからん!! ……って、もともと私が書いたセクションです。

 『陽子』は笑いどころ満載でやんすが、『BAIT CASTING REEL』にそんな箇所はひとつもないんでやんす。それでいて『陽子』のほうが20円も安いんですぜ。読んでやっておくんなせえ。

 2018年11月8日、天竜川の冬季ニジマス釣り場にフライをもっていきました。マラブーウーリーを引いていたら、やけに体高のあるニジマスが釣れました。 (2018/11/12)

 思わぬところで釣ってびっくりしましたが、ほかの区間にいるらしいので、そらいますわな。

 ロッドは2年前に買うなり全ガイドをチタンSiCに巻き替えたブルックストーン6番です。紫にしてしまったスレッドは、部屋の中で見るとこれはこれでいいかなという感じですが、太陽光にさらすとちょっとどぎつい。スレッドを選ぶ際岐阜の某(一軒しかないやろ)プロショップオーナー氏に青だと教えてもらってスレッドも買ったのに、このオーナー氏は昔フェンウィックのクラシックグラスのスレッドをひと目見るなり「紫だ」と断言した「前科」があるので、寸前で不安になって紫を巻いてしまったというのは、前書いたね……。

 漁協はスモールに関してはどう言ってるんでしょうか。生態系を守るために殺して持ち帰ってください……とは、やよもや言えないでしょうね。入った経緯を考えると同列には論じられないとはいえ、ニジマスと同じ北米の魚ですもん。

 スモールはラージより引くといわれます。実際釣った感じは、たしかに力はありますが、そうめちゃくちゃ違うとも思えませんでした。底へ底へと重くもっていくものの、ジャンプもなかったしちょっとつまんないかな。見た目も赤い目がちょっと怖いし、ラージのほうがカッコいいよね。そう考えると、わざわざこれを持ち込んでバス叩きに火をつけてしまったのはなんともはや、というところ。いまさら言っても仕方ないですが。

 ところで小説出したんですよ。

 KDP小説第三弾『フィッシングライター陽子』、超々絶賛発売中です。作中でも登場人物の口を借りてスモールマウスについてちょっと語っています。

 こないだ美浜に行って釣り場目前で追突事故に遭ったんでやんす。天竜も代車で行ったんですぜ。哀れだと思ったら、読んでやっておくんなせえ(関係ないやろ)。

 9月にeBayで買った欧州版後期型ミッチェル・クォーツ310(スタンダードとハイギアの2台)は2個イチにもできませんでした。このまま終わるわけにはいかないので、またまたeBayで米国版プレシジョン10を買ってパーツを合体させ、とうとう3個イチで1台組み上げました。 (2018/11/4)

 買ったプレシジョン10は外観がボロボロだったのと、ハンドルにバカみたいにデカいカウンターウェイトがついているのとで、9月に買った後期型クォーツ310スタンダードにパーツを入れました。前期型の緑がかったグレーメタリックからブラックパールメタリックになっていて、最初からこの色だったらもうちょっと売れたかもと思わされるものです。

 プレシジョン10はeBayにストッパー不良と書かれていて、それは前オーナーの組み間違いでしたが、誤算だったのはオシュレーションギアのボスが折れていたことでした。仕方ないのでこのパーツだけは9月に買ったものから取りました。9月に買ったクォーツ2台は亜鉛ダイキャスト材が不良だったもので、オシュレーションギアも2台のうち1台はボスが折れ、表面も材料自体が膨張してメッキが割れていました。大丈夫だったほうのギアを写真のリールに入れたのですが、ここはかなり不安です。でも、ないものは仕方ない。

 このリールのロットの亜鉛材は前のドライブギアの写真のとおりかなりヤバくて、写真のリールもローターまわりをとりあえずパーツ入れ替えなしで済ませたところ、組み終わってベールを開閉したら2回目でカリッという音がして、ベールスプリングガイドが折れてしまいました。やっぱ不安だ。

 3台からパーツをかき集めたせいであちこち調整しまくり合計5時間くらいかかりました。

 ストッパーの組み間違いは直したものの、ストッパーオフの状態でも突然ストッパーがかかってしまう現象が起きました。これでは、常時のオンよりも衝撃が大きくなって破損の危険があるため、原因を調べたところ、オフ時にストッパーの爪を押しのけておくパーツの動きが不足しているのがわかりました。対策として、ストッパー切り替えレバーの先端にエポキシ接着剤で肉盛りをしました。

 ドラグの調子を見るためスプールを手で回したら、ドラグノブがいっしょに回ってしまいました。原因はドラグノブがスプール受けに接触していることでした。ドラグのように多くのパーツを「積み木」しているところはこういうことが起きます。対策としていちばん上の小判穴ワッシャーを2枚にしてドラグノブを持ち上げたところ、プッシュボタン脱着が効かなくなりました。このリールのスプール脱着は408などと違いボタンがドラグノブにはまっているためです。小判穴ワッシャーは0.5mmくらいなので、この前15ルビアス改造のために取り寄せて余っていた0.1mmのシムワッシャー2枚を代わりに入れたら、なんとか作動するようになりました。

 糸を巻いてみたらちゃんと巻けたので杞憂だったのですが、スプールとラインローラーの位置関係を見ると前巻きになりそうだったのでスプール下のワッシャーを足してみたら、ドラグのネジがかからず組めませんでした。けっこうあちこちギリギリの設計です。

 このほか、折れたベールスプリングガイドはプレシジョン10からパーツを移しましたが、330と比べても異常にスプリングが強かったので2巻きくらいカットして330と同じくらいまで調整しました。

 大江川でちょっとだけ投げてきましたが、とりあえずオシュレーションギアはもってます。亜鉛一体で細いボスが付いている頼りないものですが、根元までボディ側の穴に差し込まれる設計で、曲げ応力はほとんどかからずほぼせん断応力だけなので、根元に巣などの欠陥がなければ大丈夫……と思いたいのですが、リールは往々にして気に入って使いだしたころに壊れるものなのでちと不安。

 ところで小説出したんですよ。

 KDP小説第三弾『フィッシングライター陽子』、超々絶賛発売中です。第4話【パパ最低】は、釣りは動物虐待なのかとか、夢と現実とか、努力と才能とか、色々考えさせるものに……なっていればいいなあ。

 あっしがクォーツ310にかけた費用の45分の1の価格じゃありませんか(あらためて計算したらジャンク品ばかりだから意外にたいしたことがなかった……)。読んでやっておくんなせえ。

 2018年9月15日、大江川のバスです。なんでいまごろ9月の魚やというところですが、見返してみたらタイミング的に出してなかったので。このころは雨ばっかり降っていて、どうせ川は濁流だとバス釣りに行ったのでした。この日も雨でしたが、おかげで人が少なくて、このほかバラしたもののCD9Pにもヒットしました。 (2018/10/26)

 バンタム1000SGは今年の春にイーベイで本体A(右サイドカバー)を買って化粧直ししたものです。アベイル入りバンタム100もあるのに、ノーマルスプールをあえて投げるというのが渋いというかヘンタイというか。

 このリールのスプールは100の21gに対し(たしか)17gと軽いので、けっこうなんとかなります。たぶんリョービBBをまねたのでしょう、ブレーキブロックが100の倍くらいの長さで最初からオイルをつけて使うとちょうどいい。

 と、いうこともありますが、あらためてノーマルなベイトを使ってみると、へへ、使いこなしてるんだぜという、ちょっと無理して投げている感も悪くなかったリします。

 ベアリングはグリス入りにしてあって、グリス入りベアリングの時代のリールだからか、このほうがキャストコントロールノブの締め付けが適度で調子がいいです。グリスを抜くと、かなりキャスコンを締めないといけなくなります。

 それでも、特に写真のラパラF11などはある程度締めないと投げられませんし、CD9でも完全フリーよりちょっと締めたほうが安全です。重心移動でないため、飛び初めに抵抗があったほうが、飛行姿勢が安定するのもあるかも。

 そうして投げたときのフィーリングも独特で、回り始めが重いくせにずずずーっと伸びていく感じが悪くありません。もしかすると、キャスコンがスピードを殺すことで、高速で極端に効く遠心の効きを抑えて、伸び感が出ているのかもしれません。

 それにしても、気がついたらバンタムMGL使ってへんがな。

 ところで小説出したんですよ。

 KDP小説第三弾『フィッシングライター陽子』、超々絶賛発売中です。第2話第3話はブラックバス釣りをどう考えるかについて考えさせるものになっています。

 ラパラの4分の1の価格じゃありませんか。読んでやっておくんなせえ。

 2018年10月14日、犀川のニジマス、同じ魚の別角度です。10年分くらいやり取りしたから2回くらい載せてもよかろう。朝5時出発9時過ぎ到着、とりあえず入漁券を買った道の駅の前に下りてみて昼前ヒット。そのまま上がって安曇野インター近くの丸亀製麺でおろし醤油うどんを食い、そのまま高速に乗って5時帰宅。実質滞在3時間、運転時間8時間。やっぱ遠すぎ。 (2018/10/22)

 そばどころ信州でなんでうどん食うねんというところですが、シーズン中によく行く庄川、坂内川もたいていそばを食ってくるので、たまにはうどんなんやね。最近丸亀がマイブームで、この前敦賀にも店を発見して、昨日も食ってきたところだ。

 こんなのが釣れてしまったので正午にとっとと上がったのですが、もうひとつの理由はウェーダーの中が洪水だったこと。道の駅の駐車場でウェーダーをひっくり返したら、直径1mくらいの水たまりが出来ました。川から上がるのも、右足が重くて歩きにくい始末。

 いまのウェーダーはダイワの透湿素材の安いほうので2015年から履いています。だいたい透湿系は2年くらいで水が漏れだして、アクアシールやスーパーXで直しても、また別の箇所から浸みてくる感じ。特にダイワが弱いわけではなくて、たいがいそう、というかそうでなかったらずっと同じのを履いてるわけで。この前に履いていた双進のゴアは、膝から下が一重だったこともあって、そのシーズン中に水漏れが始まったものです。いまのを買ったときに修理に出して予備として持っとこうかと思いましたが、あまりに弱かったのかすでに廃版だったし、やめときました。

 2シーズンが長いか短いかと考えると、だいたいこのくらい使うと底のフェルトが薄くなってくるんですね。で、メーカーサイトで底の張替えと水漏れ一か所いくらで計算してみると、けっこうな費用になります。それだけかけても、全体にへたっているから、そうはもたないはず。

 ダイワウェーダーは以前ベリピタシステムをつけていましたが、あれは川で使うと砂が入ってダメになります。近年のモデルで廃止されたのはそのせいかと思っていましたが、底のフェルトが減ったころにはあちこち漏れ始めて買い替えちゃう人が多かったからなのかもしれません。

 丸3年だから買い替えるか、最後のあがきに1本使い切るつもりでアクアシールを塗りまくるか(いったん封を切ると冷蔵庫でとっておいても固まって死ぬのでふんだんに使ったろかと……)、ちょっと考えておるところ。

 ところで小説出したんですよ。

 KDP小説第三弾『フィッシングライター陽子』、超々絶賛発売中です。紙の本だったら、朝日新聞と村田某氏のくだりとか問題になるのかな(あれは以前大垣にある大手印刷会社の人に聞いた話)。電書でもバカ売れしたらヤバいのか。問題になるほど売れてほしいぜ。

 アクアシールの4分の1か5分の1の価格ですぜ。読んでやっておくんなせえ。

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