エピックス

 最近たくさん出回っているこのリール。どんなものか、見てみましょう。

エピックス2000
 カゴ(というのかな?)に入れてたくさん売られているこのリール、いわゆる“バッタもん”の売られ方です。でも、それにしてはできがいい。
 日本ではアルファタックルから出ていますが、もともとオオクマという台湾のメーカーのもののようです。オオクマは、欧米ではけっこう知られているブランドみたいです。
 メイドインチャイナです。
 (このページを作った直後、オーストラリアの企業がどうのって書いてしまいましたが、あれは間違い。ネット検索のやりそこないで別のHPを見ていました。ゴメン)

*いまさらですが、「オオクマ(オクマ?)製」というわけではないでしょうね。よく見たら箱にオオクマって書いてないもん。というか、オオクマも含めてOEMをやっている中国の会社のもの(やたらぐねぐねしたデザインテイストとかブッシュ入りベイルアームとかが特徴)なのでしょう。ただしオオクマのリールに「エピクサー」という似たような名前(とロゴ)のものがあるので、関係はありそうです。(2008/8/15)

ABSスプール
 おいおい、逆テーパースプールです。シマノやリョービ、アブガルシア、ゼブコ、その他もろもろのメーカーが1社もやっていない、すなわちおそらくダイワのパテントなのに、あっさりやっちまってます。だいじょうぶなのか?
新平行巻き機構
 最近主流になりつつある、新平行巻き機構です。摺動子(オシュレーションスライダー)の溝がS字型をしています。
 摺動子ギア(オシュレーティングギア)に真鍮のブッシュを入れているあたり、凝っています。
 ところでこのブッシュを入れているところ、アブの302に似ています。あれはオオクマ製か(?)。
ベールアーム支持部
 これも凝っています。ベールアーム(アームカム)を支持するボスに金属カラーAを入れています。しかも、摺動面にはBの半月ワッシャーを入れています。その割にベール返し重いけど・・・。
スプール軸支持
 これも凝っているといえば凝っています。ペンのスピンフィッシャーみたいに、スプール軸(メインシャフト)後端を真鍮ブッシュAで受けています。
 ただ、機械の設計で「3点受け」はいずれかの軸受けに無理がくるため、結局クリアランスを大きくして「逃がす」個所が出てしまいます。このリールも、(せっかくの)A点に関して、クリアランスを大きく取っています。
 ローター/ピニオンギア支持部の耐久性を延ばすなら、現在直受けしているBの部分にポリアセタール系のブッシュを入れるほうが有効です。このあたり、耐久性の評価法が定まっていないのかもしれません。
 それと、摺動子固定ボルトにゆるみ止めがついていませんでした。だいじょうぶかな?
くどいデザイン
 デザインには好みもありますが、くどいです。まるでバブル以降のマツダ車みたい。曲線的なものイコール未来的と思っているのでしょう。

 カゴに入れて売るには、しっかりしたリールです。回転もスムーズですし、安価なリールにがたがたなものが多いワンタッチハンドルも、とてもしっかりしています。ブランドにこだわらない人にとっては、選択肢の一つでしょう。おそらく日本でも売れていることと思います。

 ちょっと空回り気味とはいえ、摺動子ギアやベールアーム支持部のブッシュ、3点受けスプール軸など、耐久性や使用感を上げようという意欲が見えます。こういうメーカーが力をつけてくると、日本のメーカーも苦しくなるだろうなと思います。 (2003/10/30)
OtherBrands