クラシックライン・ベイト

クラシックラインのベイトリールです。SMとSXは“ネオクラシック”とでもいうべきかもしれませんが、ここに含めました。

1 アンバサダー4600C
 パーミングカップが出たころは「俺はパーミングカップを見て寒気がした」というファンもいたようです。でも、それから20年この形が続いているのですから、正常進化だったと見るべきでしょう。いまの同モデルはよりクラシックを意識してスタードラグを5本爪にしたりしていますが、写真のドラグのほうがパーミングカップの雰囲気にあっているように思います。もとをたどれば5000Cの幅を狭くしたモデル。標準のバス釣りには大きすぎます。でもキャストは快適。写真のリールはウルトラキャストデザインだからです。

2 アンバサダー4601Cガンナー
 4600Cの左ハンドルモデル。90年代のバスブームにあわせて作られたジャパンスペシャル。はやいはなしが並行品対策の仕様変えです。平行巻のギアやスプールベアリングが、グリスではなくオイル潤滑にしてあり、「スペシャルトリートメント」といっていました。ブレーキブロックも小型化(黒)されていました。左で使ってみると、ハンドルノブの優秀さがわかります。でもやっぱりちょっと大きいなあ。

3 アンバサダーSM1600C
 90年登場のプロマックスの後継モデル。先行したシマノカルカッタとデザインパテントでもめたとかいううわさです。でも、丸い形をワンピースフレームでやれば、似ちゃうのはしょうがないんじゃないでしょうか? それにシマノが「丸」を作ったのはアブをたたくため。リールってこういう理由で作るものじゃないでしょ? だからというわけではありませんが、私の一番好きなアンバサダーです。カルカッタ100よりコンパクトでパーミング性に優れ、50よりハイスピードで、かつ太いラインにも対応できます。可変遠心ではなく、メカニカルブレーキの調整だけで投げることになりますが、ウルトラキャストデザインの軽量スプールのおかげでそれほど問題はありません。むしろこの不便さで、道具を使いこなしているという気分になれます。

 私なりの改造をふたつほど。スプール左のベアリングは、はめ殺しのプラスチックパーツ(ベアリングの右の黒いもの)でとめてあります。これではメンテナンスしにくいので、プラスチックパーツの爪を切り、抜けどめには右のばねを入れています。こうした設計はアブらしくないと思うのですが……。

 T3000Cのところでも紹介しましたが、私はサムバーを押し上げるばねを取り去っています。ただしピンが抜けないように細工は必要です。このリールの場合、ばねを取り去ると、サムバーをすこし押したときにハンドルが空回りしますので、本当はやらないほうがいいのかもしれません。でも私は投げるときにバーで指を押し上げられるのがいやで、こうしています(この改造に限らず改造は各自の責任でお願いしますね)。

4 アンバサダーモラムSX3600C
 98年登場のジャパンスペシャル。あえて軽量シンプルに割り切った設計思想は立派。でも、サイズ(ボディ直径)がカルカッタ100くらいになって、SMのパーミング性がなくなってしまいました。足のオフセットも浅く、自重が軽いわりに投げるときのバランスもいまいち。押し出し成型のアルミフレームも、日本メーカーのスペック偏重主義に毒されたとしか思えません。それでも一時は半年待ちの大ヒット。バスプロ人気恐るべし。

AbuGarcia