新型ベールスプリング 　手前に立ち上がるカギ部を70年代のワンピースベールに合わせて短くし、そのまま使えるようにしました。このほか、コイルにすき間をあけて巻くなど70年代のスプリングにより近づけています。
	使用可否の確認 　右のようにベールスプリング収納部が薄い60年代ころのフランス製と、それを踏襲したと思われる90年代終わり頃の中国製には使えません。これらのリールはスプリングの巻き数が上の写真の5回弱ではなく4回弱になっています。 　台湾製のものはスプリングが4回弱巻きですが、私の持っているリールに限っては、5回弱巻きのものが入ります。 　中国製308は足の裏にMITCHELLと文字が浮き出しているものです。MITCHELL TAIWANおよび、そのTAIWANを削り取った跡のあるものは台湾製および台湾製部品をフランス組み立てしたものです。
	A寸法が、4.0mmなら使えます。3.4mmは使えません。寸法差がバネの線径0.65mmとほぼ同じなので、途中で1巻き設計変更したのが分かります。 　全部かどうかは分かりませんが、ベール反転レバーがベールアームのストッパーを兼ねている古いものは、使用できない可能性があります。

注意！　スプリングの分類については新しいことがわかったので、「ミッチェル」のページの「ベールスプリング」を参照ください。

１　スプリングの種類について

Ａ…８０年代までのベールスプリングです。
Ｂ…９０年ころの３０８プロのスプリング。Ｌポイント（ベールアームの穴に入るところ）の位置が変わっていて、７０年代のリール（ラインローラーの上がアーチになっているもの）にはつきません。
Ｃ…９０年代の３０８Ａのスプリング。巻き数が減っていて、早く折れるようです。
Ｄ…私が図面を書き、発注したスプリング。Ａを複製したものです。
メモ…ＡとＤは線径０.６５ｍｍ。ＢとＣは０.７ｍｍです。ＡとＢの中間的なものもありました。ＡからＣへの変更は、おそらくキャスト時のベール返り対策でしょう。私の推測では３０８ではなく３１０ＵＬのベール返りクレームに対応したのではないかと思います。

２　複製スプリングについて

１…基本的にすべての３０８/４０８につきます。

２…上の写真のＢとＣのスプリングがついていたリールに使用すると、ベール返しが軽くなります。この場合、投げ方によってはキャスト時のベール返りを起こす危険が生じます。この点よくご理解の上ご使用ください（ＰＬ法対策みたい……）。

３…７０年代のリール（ベールがワンピースのもの）のベールが半開きになったり閉じきらないのは、バネのへたりではなく、ベールのひずみやオイル切れが原因だと考えられます。こういうケースではスプリングを替えても直りません。金属スプリングの反発力が落ちるのは、本当に折れる直前に「ちょっと弱いかなあ」と感じる程度です。

４…３１０ＵＬにも使用可能のはずですが、このモデルはベール返し機構に問題（ハンドル逆転でもベールが返る）があり、キャスト時のベール返りがさらに起きやすくなります。

５…私が手作りしたのではなく、ばねメーカーに発注して作ったものです。ステンレスばね材で、７０年代のオリジナルとおなじ０.６５ｍｍ線を使っています。

６…このスプリングに限らず、ベールスプリングにはグリスを塗ってから組んでください。表面の磨耗や、線材どうしの接触による応力を軽減し、寿命が延びます。

７…このスプリングに限らず、ベールアーム（アームカム）の溝にベール返しレバーがかかったところ以上にベールを開かないように注意して使うと、寿命が延びます。

８…２本１０００円（送料込み）でお願いします。ご希望の方は、まずメールください。

９…注意書が多くてごめん。

　老婆心からの追記：カーディナルでもミッチェルでも、ベールアーム固定スクリューはバランス取り、ベールアームのがた止めのために頭が大きくなっています。頭に合わせた大きなドライバーで力まかせに締めると、ネジをつぶしたり折ったりしますから注意して締めてください。サイドカバースクリューも同じです。（2005/11/17）

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