抜け殻
生き方は人それぞれ。
死に方も人それぞれ。
「死ぬときに笑ってられたら良いな。」
それが願い。
唯、そこに行き着く過程は
目が眩むほど遠く、果てし無く、遠く。
「自決する」決断力も無く、
そして多分、俺はそれ程不幸でもなく、
しかもそれは決して
「笑って迎える死」では無いのだから、
俺は今日も
暫く来そうも無いお迎えを待つだけで、
無気力に惰性に任せて
生きている訳で。
「蝉の一生は報われない一生か。」
なんて訊かれると、
何年間かの地中生活を「不幸」と
一週間しか地上を謳歌できない本能を「残酷」と
決め付ける君達は「幸せだ」としか答えられない。
俺は充実していない人生を
ただ、人に指差されるのが怖くて
「そろり」と生きてるだけで。
蝉の生き方すら出来ずに
天命に任せて蝉より長生きしてるに過ぎない。
カラカラの大地に一つの抜け殻、コロリ。
俺はいつか
自分の意思で
飛び立つ気になるのか。
今のこの鬱屈と焦燥感は
天架ける大きな羽を生やすのに必要なのか。