回天
秋の蒼天の真ん中を
ゆっくり過ぎ去る飛行機の姿
天面は一条の白線に切り裂かれ
東へ矢印を描くかの如し。
俺は営業車の中
その何て事は無い日常の中で
去ってばかり行く飛行機なぞ見詰めながら
仕事もせずにまどろみの中で
ただ
思考を止めている。
透明感の在り過ぎる空気に浸りつつ
過ぎ去った人生とこれからのそれを
「どっちが幸せだったと後で言えるか」
「これからはどう生きてけば良いのか」
「これから何をすれば良いのか」
なんて考えてたら
この素晴らしい空気に失礼ってモンだ。
力むな
熟考するな
暗くなるな
上だけ見とけ
そう言い聞かせながら
無理に思考を止めている自分に
半分呆れながらね。
…空、飛びてぇなぁ。。。