たいせい しんきゅういん  THE TAISEI CLINIC OF ACUPUNCTURE




野外活動中の事故--鍼灸医学の応用

 野外活動は、「無理なく、楽しく」が原則ですが、充分注意しても、事故やケガが起きてしまう ことがあります。 そんなときにも、鍼灸医学の理論と技術が応用できます。
 鍼灸医学は、なんとなく「慢性化した症状に効く」イメージですね。
しかし、実際には、例えば心臓が停止してERに救急搬送されてきた患者さんに鍼をして、蘇生率を 向上させているケースが米国などで増えています。
 当院でも、1999年に脳卒中の発作を起こした患者さんに、病院と連携して、発症後直ちに 鍼治療を行って、画期的な成果を収めた例などがあります。

 さて、ここでは、そうした高度な理論や技術を必要としない、針も使わずに、
「いつでも、どこでも、誰でもできる応急手当」をご紹介しましょう。


いつでも、どこでも、誰でもできる応急手当 「巨刺法」

 「こし-ほう」と読みます。
方法は簡単! 例えば、左親指を切って、切傷ができたとしましょう。
あなたは、その傷とちょうど反対側、右親指を指圧するだけです。
痛い左親指以外の中指か人差指で指圧すればいいでしょう。
このとき、できるだけ正確に左右対称の部分を刺激することがポイントです。
 どうですか? 痛み具合は。 少し(場合によっては大幅に!)、痛みが減ってませんか?
試しに、指圧を止めてみると、痛みが戻ってくることがわかるでしょう....。

 この方法は、ケガをしてしまったら、できるだけ直ちに行ってください。
早く始めると、ケガそのものが早く治り、軽くて済みます。
慢性化した傷にも、全く効かないわけではありませんが、基本的には、発症直後から 数日以内に効果が出る方法です。
鍼治療で、ケガの部分の左右対称の部位に、軽く当てる程度に鍼をすると、より効果的ですが、 指圧でも充分イケます。

 さらに利点があります。
例えば、骨折が疑われるときなど、患部を固定しなければならなかったり、 患部に触れるべきでないケースでも応用できます。
事実、骨折の症例では、痛みが少なく、早く治り、痕(あと)が残りにくいです。

 野外でなくても、ドアに指を挟んだ、ぶつけた....、など、日常よくあるトラブルに 対応できるし、病院で処置をしてもらうまで、痛くてガマンできない、なんて場合にも 使えます。
「巨刺法」、どうぞお試しください! (使わずに済むのが一番ですけど....)



注意
 ここでは、巨刺法そのものに焦点を絞って説明しました。
出血がひどい、意識が無い、ショック(特にスズメバチ等によるアナフィラキシー)が ある場合は、当然、それらに対する処置を優先してください。



大成鍼灸院 北海道苫小牧市
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