アトピー性皮膚炎の治療例

大成鍼灸院


鍼灸(はり・きゅう)で、
安全に副作用なくアトピー性皮膚炎を治療することができます。

   
2000年10月              2002年12月

上の写真のアトピー性皮膚炎の患者さんは、
様々な西洋医学的治療を受けても奏効しないため
1998年11月、鍼灸による治療を希望して来院されました。
アトピー性皮膚炎以外にも、じんましん、喘息の合併症状を 伴っていました。

当院で鍼灸治療開始以後は、患者さんご本人の意志で、 薬は一切使用していません。
喘息は、治療開始から1〜2ヶ月で発症しなくなりました。
皮膚症状は、2000年頃までは、治療後は症状が改善しても、 その後が不安定で、左の写真 のような強い症状が出ることもありました。
しかし根気強く治療を続けた結果、2000年冬頃からは症状が 消えた状態(写真右)で継続的に安定しています。

アトピー性皮膚炎の治療例は、他にもあり、軽いケースでは 比較的短期(1〜数ヶ月)で治りますが、写真の患者さんの 場合症状が重く、治療に3年以上かかりました。
しかし、根気よく治療を続けられ、良好な結果を得ることが できました。
ご本人とご両親の「他の困っている患者さんのために」という ご好意により、ここに治療例として 紹介することができました。

アトピー性皮膚炎は単純な皮膚病ではない
アトピー性皮膚炎は、ある種の免疫機能の故障と考えることが できます。
「免疫機能」というのは、体内の「自己」即ち自分の体の正常な 構成要素と、「非自己」即ち細菌、ウイルス、癌細胞などを区別し、 非自己を攻撃排除し、自己を防衛するための機能のことです。
アトピー性皮膚炎では、そうした免疫機能が故障し、自己と非自己 を正しく認識できなくなり、本来防衛されるべき自己の皮膚を 誤って非自己と認識し、攻撃してしまう病気なのです。

理論上どのような治療法が最適か?
上述したメカニズムから導き出される結論は、「免疫機能の 故障を正常化させる」ということになります。
ステロイドによる炎症の軽減や免疫抑制剤による「自己」に 対する攻撃の回避という方法は、緊急避難的な方法としては やむを得ないとしても、本来は、何らかの免疫機能を高める 方法が理論的には、最適な治療法であると考えます。

鍼灸では、どうやって治すのか?
当院で行っている鍼灸治療は、「中医弁証論治」という 世界的に最も標準的な治療法に基づいています。
この方法は、単に症状が現れている皮膚だけを治療する のではなく、その原因となる免疫系を含む身体全体の バランスを調えるものです。
正しい診断(弁証)に基づいて行われる鍼灸治療が、 免疫系に良い影響を及ぼすことについては、各国の 大学、政府機関等の研究により明らかになりつつあります。
当院でも、例えば2000年11月に韓国・ソウルで開催された 「世界鍼灸学術大会」で、インドネシア、アメリカ、中国、 及びオーストラリアの専門家と議論をし、免疫機能の 調節作用があることに、より確信を深めました。
ここに紹介した患者さんの例では、全体的な治療を通して、 結果的に喘息などの合併症状も治ってゆく訳です。
身体全体の故障ではなく、軽度のアンバランスであれば、 その場で治ってしまうこともあります。
しかし、アトピー性皮膚炎の本質である免疫系の故障を治す ということは、実は体質そのものを改善することに 他なりませんから、ある程度 長い治療期間がかかってしまうのです。

鍼灸治療は、薬と違って毎回通院して治療を受けなければ ならないという不便さがあります。
しかし鍼灸は、根本的な解決を目指す患者さんの期待を 裏切らない効果と安全性(副作用が無い)があります。

なお、鍼灸をする部位は、通常の治療と同じです。 (手足、背中、腰など) 顔には通常鍼灸をしません。 

根気よく治療を継続された患者さんに心から敬意を表すとともに、 写真を提供してくださったことに、に心から感謝します。
2002年12月 大成鍼灸院


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