








★ 「週刊てーて」+αをブログでどうぞ。 ☆ ひらく農園の野菜を入手できるお店
長女が、もうすぐ入籍する。これは大きな幸せだ。長女と一緒になってくれる旦那さんは名古屋の出身で、彼を育て上げたご両親との挨拶の場として名古屋駅近くの料亭を用意してくれた。土曜日に、完全に仕事を休みにして、連れ合いと二人で名古屋に行ってきた。長女の強い希望を聞くのは、ドイツ留学以来のことかな?
いろいろな考えが二人にはあって、結婚式は挙げないことにしたそうだ。そのかわりに、プロポーズの場にホテルを取って、二人だけで厳かで晴れやかな場としたようだし、今回のご両親との場も二人が考えたことである。手土産も価格を言い渡され、定刻に遅れないように交通手段も新幹線を必須と言われた。手土産は何を持っていこうか?と考えあぐねていたが、静岡県ならではのものならお茶かな?新幹線で持って行くにも軽いし、ということで、有機栽培のお茶農家を検索したのだった。
この夏、連れ合いのお母さん(お義母さん)が他界したが、お墓は元々島田市の金谷にあって、僕も連れ合いも子どもたちを連れて何度かお墓参りすることがあった。その金谷はお茶の産地でもあり、検索に有機自然栽培のお茶「善光園」を見つけた。連絡を取り、水曜日に「善光園」を訪ねた。お茶を手土産にするなら、お茶畑とひと目見ておきたかったのである。
「善光園」の主である善光さんは、お茶畑見学を快く引き受けてくれた。僕と同じく昭和35年生まれで、代々のお茶農家を継いだそうだけど、農薬が嫌で、31歳の頃に有機栽培に転換したというから、僕が帰農したのが29歳であるからほぼ同じ時期に始めた、と言える。細い道をくねくねと上った傾斜地にお茶畑が広がっていた。いろいろと説明を聞き、僕はお茶畑の中に入り、土に触らせてもらった。僕達も若い頃数年間、水窪の友人の実家のお茶の栽培をやった経験があるので、全く知らない世界ではない。うんうんと頷いてお茶を購入し、ついでにお茶のパンフレットももらってきた。家族経営の形もとても信頼のおける形だと感じた。
僕は、若い頃を思い出した。あの頃は、いろいろな人を訪ねて、いろいろな知見を得たし、新しい出会いも多かったなと。なんか久しぶりの感覚だった。ずっと子供を育てることに主眼を置いた生活をしてきたので、このような余裕すらなかったのかもしれない。先の春に長男が高校を卒業して子育てが一段落し、僕達自身もまた変化の時なのかもしれない。
そのお茶を持って名古屋で、長女の旦那さんになる人のご両親とお話をしてきた。こうして彼のことを少しずつ理解していくのが新しい僕達の役目であり、長女の新しい世界を見守ることになるのだね。その一つ一つが小さな喜びだ。彼もまた、僕達を名古屋駅周辺で熱心に案内してくれた。彼のお父さんの職場だった辺りにも連れていってくれたし、そのお父さんの手伝いをしていた経験も語ってくれた。僕達もまた、初めて子供を別の世界へ送り出す。人一人には、それだけで大きな世界が広がっている。決してすべてを理解するなんてできない世界を、誰もが持っているのだ。その一人が育った環境には、また別のご両親や兄弟の世界が広がっている。長女もまた、その世界の登場人物になるのだね。
2025年11月24日
![]() |
|---|
| 善光園のまるごと茶「彩香」 |