20050319 『ローマ帝国衰亡史』1

 9月末に右手首の軟骨を断裂してから約半年。通勤方法が自転車から公共交通機関に変わったので、読書タイムが沢山取れるようになった。身体を動かした方が気持ちが好いのだが、読書もまた知的刺激に満ちていて、楽しい。
 さて、その中で、集中的に読んだのが、塩野七生著『ローマ人の物語』(新潮文庫版)である。文芸書の方では、残り2冊という事なのだが、文庫本の方では、まだローマ帝国が成立して、初代皇帝アウグストゥスが逝去したところまで。早く続きが出ないかと期待しているのだが、来年か再来年かに、文芸書3冊分になるのだろうか。
 『ローマ人の物語』は文芸書発行当時から注目はしていたのだが、高価だったので買えなかった(買う気になれなかった)。文庫版が出版されてラッキーと思って買ったのが、2002年。以来、2年間本棚で眠っていたのだが、今回一気に読んだ。
 高校時代、世界史を取っていて、ローマ時代は、何か惹かれるものがあったが、教科書の分では、ほんの数ページだけ。二桁に達したかどうか。世界史といっても、ヨーロッパ史中心だったが、それでも、ローマ帝国が出現して滅びて、それでお終い。
 後々の知識獲得で、現代世界の支配システムがローマ時代に確立していた事実を知るとなれば、もっと記述が詳しくても良かったかも。
 で、塩野版がひとまず読み止まったところで、ギボン版(ちくま学芸文庫)に入ったわけ。
 塩野版とギボン版では、当然、内容はほぼ合致している。
 ただ、書かれた時期によるものか、翻訳者のセンスによるものか、ギボン版はかなり過激な表現が多いみたい。小説家の書いた作品と、歴史家が書いた作品の差なのだろうか。
 ギボン版は、当時の歴史的状況を考えると、彼の考えによるものか、「王政やそれに類するものは悪、共和政体は善」というような印象を受ける。
 対して塩野版は、生きている時代が違うのか、随分と醒めた目で状況を見ているのかな、という印象を受ける。勿論、こちらの方が、私にとって近しい視点である。
 ここが読んでいて最も差が感じられるところである。    ただし、ギボン版は、とっても高価。文庫なのに何でこんなに高価なの、と思うくらい高価。厚さも並じゃないけど。 読み進めていく内に、色々と思うところが変わってくるかもしれないので、またその時にでも。
 それにしても、去年末から、ローマ帝国関連の番組が沢山放映されているけれど、 何かブームなのかな。それに火を付けたのは一体何?