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【ホアザイは紙の花】
原産地はベトナムからみて地球のほぼ裏側にあたるブラジルである。熱帯を代表する花のひとつで、ブーゲンビリアが咲きみだれる場所に来ると、熱帯にいることを実感する。とくにプールサイドにこの花があると、妖術にかかったようにリゾート気分が湧き上がる。
ブーゲンビリアの花は、ベトナム南部ではほぼ年間を通じて見ることができる。中部までは普通にみられるが、寒い冬のあるベトナム北部では育ちにくく、目にする機会が少ない。
ベトナム語でブーゲンビリアは「ホアザイ」という。ホアは漢字語「花」、ザイは「紙」の意味である。花が紙のようにヒラヒラしていることから、この名前がある。より南部的な発音では「ホアジャイ」または「ホアヤイ」のように聞こえる。
【南太平洋ブーゲンビル島】
英語名ブーゲンビリアは、フランスの探検家ルイ=ド=ブーガンヴィル(1729〜1811年)が、18世紀にブラジルでこの花を確認したことにちなんでいる。現在はパプアニューギニアに属する南太平洋のブーゲンビル島もまた、ルイ=ド=ブーガンヴィルがこの付近を探検したことにちなむ。
第二次大戦の前半、ブーゲンビル島のある地域は日米間の戦いの最前線であり、この海域でおこなわれた数次におよぶソロモン海海戦では日米が双方の空母を沈めあった。ブーゲンビル島そのものも激戦地となり、数万人の日本兵が戦死し、いまなお遺骨・遺品の捜索が進められている。
ブーゲンビル島はまた、1943年4月、連合艦隊司令長官の山本五十六大将が、航空機での前線基地視察中に米軍機の攻撃をうけて戦死した地としてもよく記憶されている。
【じつは葉だった】
ブーゲンビリアの花はピンクのものが多いが、そのほかにも真紅・白・オレンジなどがある。基本は1株1色だが、1つの株にピンクと白の両方がつく場合もある。数色が咲き混じると、見た目に楽しい。
ブーゲンビリアの花とされる部分は、じつは包葉(花のすぐ下につく小さい葉)が花のように変化したものである。花のように見えるものも、近くで見ると葉っぱの形をしている。
つまり、ブーゲンビリアの花とは、葉がまるで花のような色に変化したものである。もともと葉っぱであるからペラペラなので、ベトナム語でホアザイ(紙花)と呼ばれるのももっともである。
発生学的にいって、花は一般に、虫を引き寄せる目的で、葉が派手な色と形に変化したものであるから、ブーゲンビリアの「花」だけを、葉だとして排除するのは、やや酷かもしれない。ブーゲンビリアの本物の花は、派手な「花」の中に、白く小さく咲いている。
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