フォー (米粉うどん)

 

ベトナムの代表的軽食

 フォーはベトナムの代表的な麺で、日本でいえばうどんに相当する代表的な軽食である。米粉から作られ、きしめんのように平たい。ほとんどコシがなく、箸でつまみ上げるだけで切れてしまうこともある。

 フォーは具の種類によって、フォーボー(牛肉フォー)、フォーガー(鶏肉フォー)などに分かれる。また汁を使わず炒めたものはフォーサオ(炒めフォー)と呼ばれるが、ただでさえコシのないフォーが、炒めるときの熱によって、箸でつまめないほどふやけるので、あまりよい調理法とは思えない。

 フォーには必ずといってよいほど、ライムがついてくる。これを手でどんぶりにしぼる。直接しぼりこむと種がフォーに混じって食べにくくなるので、いったんスプーンの中にしぼり、箸をつかって種をせきとめ、ライム汁だけをどんぶりに流し込む。

 ホーチミン市ではモヤシや香草を別皿に無料サービスするフォーの店が多いが、ハノイではこれがほとんどない。ハノイのフォーは明らかな野菜欠乏食である。またハノイでもホーチミン市でも、フォー屋のテーブルにはバインクアイとよばれる長細い揚げパンの皿が置かれていることが多い。フォーの汁にひたして食べるのが通例で、食べた数に応じて1本500ドン(4円)くらい支払う。

本場のフォーは頭痛がする

 フォーはハノイが本場とされており、ホーチミン市にも「ハノイ味のフォー」などといった看板をあげた店もある。しかし実際には、ハノイのフォーはMSG(グルタミン酸ソーダ:味の素などの化学調味料)が大量に仕込まれていて、MSG過敏の人はハノイのフォーを食べると頭痛を起こすことがある。

 1999年末から2000年初頭にかけては、ベトナムでホルマリン騒ぎがあった。売れ残ったフォーの麺を翌日までもたせるために、防腐剤としてホルマリンを混ぜた麺が多数発見されたのである。この問題は一応解決されたが、一般にベトナムの外食の安全性や衛生ははなはだ疑問である。料理にタワシの切れ端が入っていることなどはベトナムでは珍しい事件ではない。

 ハノイでは、レーヴァンヒュー通りのあっさり味のフォーガーや、旧市街のバットダン通りのやや濃厚味のフォーボーが知られている。ホーチミン市ではパスツール通りのフォーホアなどが代表的な店である。

写真はフォーボー(牛肉フォー)。フォーボーには、肉が十分煮えているフォーボーチンと、生煮えのフォーボータイがある。

 

 

【ベトナム語】(フォー)

 

 

 

バインクアイ。フォーにひたして食べる揚げパン。中国の油条にほぼ同じ。

 

 

 

【材 料】

豚 骨:1kg

鶏:1羽

フォー:1.5kg

干しエビ:50g

ショウガ:50g

エシャロット:100g

ヌクマム、コショウ、化学調味料、塩:適量

ネギ、ヒゴタイサイコ、柳蓼、ライムの葉、ミントの葉:適量

ライム、唐辛子、豆板醤、タマネギ:適量

 

*以上はフォーガー(鶏肉フォー)の作り方。

*ヒゴタイサイコはカインチュアカーの項、柳蓼(やなぎたで)はゴイコーセンの項を参照。

【作り方】

1.豚骨を洗って4リットルの水で煮こむ。たえずアクをとりながら、スープを透明に保つ。

2.さばいた鶏を2リットルの水でゆでる。ゆであがったら、とり出してさまし、肉と骨を切り分け、骨は豚骨の鍋に入れて一緒に煮こむ。

3.干しエビはフライパンで軽く炒める。

4.ショウガとエシャロットは焼いて、皮をとり、包丁の背で適当につぶしておく。

5.タマネギは薄切りにする。

6.豚骨を2時間煮込んだら、布袋に入れた干しエビ・ショウガ・エシャロットと、塩小さじ1を鍋に入れる。

7.さらに1時間煮込んだら、鶏肉をゆでたスープが入った鍋に、豚骨スープの澄んだ部分を移し、ヌクマム(レンゲ4)、砂糖(小さじ1)、化学調味料(レンゲ1)、ネギの根本10本を入れる。とろ火でさらに煮込む。

8.フォーを熱湯にくぐらせて、どんぶりに入れ、鶏肉・タマネギ、刻んだ青ネギを置いて、スープを注ぐ。

 

 

【参考資料】

 Quynh Huong, Nau Mi pho va cac Mon Nuoc Thong dung, Nha xuat ban Da Nang, 1995.

 

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