「先生に挨拶してくるね」
「はい、兄上様」
コンコン「どうぞ」
ガチャ「失礼します。」
「おう、鞠絵ちゃんの退院おめでとう」
「ありがとうございます。先生のおかげです」
「病気の治癒にはなにが必要だと思う?」
「えっ突然なんですか?そうですねぇ・・・"お医者さんの治療"と"薬"ですか?」
「・・・これは私の考えなんだが、治癒には当人の"生きたい、治したい"っていう強い想いが
必要だと思ってる。もっとも医者や薬も必要ではあるがね。
この1年間の鞠絵ちゃんのがんばり様はたいしたもんだと思うよ。なにかきっかけがあったのかね・・・」
と言いつつ「すべてわかってるぞコノヤロウ」って顔で僕の顔を見ていた。
コンコン
「鞠絵、入るよ。」
ガチャ
病室に入ると鞠絵と看護婦さんが話しをしていた。
「兄上様」
「もう準備出来たかい?」
「はい、兄上様」
「鞠絵ちゃんも退院かぁ。おめでとう」
「「ありがとうございます」」鞠絵と僕の声がハモってしまった。
おもわず二人で顔を見合わせてしまったら
看護婦さんが笑いながら「本当に二人とも仲がいいのねぇ」と言った。
鞠絵「みなさま、お世話になりました。」
先生「二度とこんなところに来たくはないだろうが
しばらくは様子を見るから月一回は検診受けに来いよ。」
鞠絵「はい、わかりました。」
看護婦さん「鞠絵ちゃんの本とかの荷物は後で送るはわね。」
鞠絵「ありがとうございます。お願いいたします。」
兄 「さっ鞠絵そろそろ行こうか」
鞠絵「はい、兄上様」「みなさま、さようなら」
「鞠絵ちゃん、バイバイ」「さようならぁ」
鞠絵たちが見えなくなってしばらくして
看護婦さんA「兄妹っていいわねぇ・・・」
看護婦さんB「ああいうお兄さん欲しいなぁ・・・」
看護婦さんC「私はああいう弟が欲しいなぁ・・・」
看護婦さんA&B「おいおい・・・(汗」