「鞠絵、疲れたろう。なにか飲むかい? お茶かコーヒーぐらいなら出せるよ。」
「あっ兄上様わたくしがやります。」
「いいの、いいの鞠絵は座ってて。で、お茶とコーヒーどっちがいい?」
「それでは、お茶を頂けますか」
「OK、リビングのほうで待ってて」
「はい。」

「鞠絵、この部屋使ってくれ」
「わあ、綺麗なお部屋ですね。」
「喜んでもらえて一生懸命掃除したかいがあったよ。」
「兄上様が掃除してくださったのですか?ありがとうございます。」
「鞠絵をホコリまみれの部屋に押し込むわけにはいかないからね。」
「さて、生活に必要なものを買いに行くか。」
「はい、兄上様。」

買い物後公園にて
「うーんと、買い忘れたものはなかったかな?」
「はい。だいたいのものは買ったと思います。」
「まぁ後で思い出したらまた買いに行けばいいよ。」

「ここは緑が多くて良い所ですね。」
「そうだろ。僕もたまにのんびりしたい時に来るんだ。」
「風が心地よいです。」
「もうしばらく居ようか。」
「はい。」

帰り道商店街にて
「鞠絵、なにか食べたいものあるかい?」
「えっ」
「晩御飯なににしようかと思ってね。」
「兄上様がお作りになるのですか?」
「そうだけど、心配かい?」
「いえ、そういう訳ではないのですが、
 兄上様のお食事はわたくしがお作りしたかったのですが・・・」
「それはうれしいけど、今日は鞠絵の退院祝いに僕に作らせてよ。ね。」
「はい、わかりました。」

「じゃあ、鞠絵おやすみ」
「あやすみなさい。兄上様」
バタン
それぞれの部屋に入る二人。
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「うーん。1時か。なんか喉渇いたな。水でも飲んでくるか」
ガチャ
ポフッ「キャ」
「ん?」「あっ鞠絵だいじょうぶか」
「あっはい。だいじょうぶです」
「こんな時間にどうしたんだ?」
「あの、実は・・・その・・・」
「どうした?」
「実は、どうしても眠れないんです。」
「枕が変わると眠れなくなるって言うからなぁ」
と、軽く言って鞠絵を見ると鞠絵は
「今、兄上様といっしょの家に住んでいるってことが夢であって
 本当はまだわたくしは病院にいるんじゃないか。
 そう思うと怖くて眠ることが出来ないのです。」と言った
「心配しなくても現実に鞠絵と僕はいっしょにいるじゃないか。」
「わかってはいるのですが、一人でベッドにいるとどうしても不安が消えないんです。」
「それで、あの・・・その・・・」
鞠絵の顔が真っ赤になっているのがわかった。
「ん、どうした?」
「あの・・・その・・・兄上様といっしょなら不安も消えると思うんですけど・・・」
最後のほうは消え入りそうな声だったけど耳まで真っ赤にして鞠絵は言い切った。
「いいよ。鞠絵が安眠出来るなら僕のそばで寝ればいい。」
「ありがとうございます。兄上様」
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「もう朝か・・・」
隣には安らかな寝顔の鞠絵がいた
「この天使の寝顔が見られるならすべてを投げ打ってもいいかな。」
「うっうーーーん。」
「あっ起きたかな。」「鞠絵、おはよう。よく眠れたかい?」
「あにうえさま・・・・!?」
「あっ兄上様おはようございます」
ハッとして「兄上様わたくしの寝顔ごらんになりましたか?」
「うん。しっかりと」
「わたくしはずかしいです。」(赤面)