い   い ろ は 

 いろは四十七文字は、お経を和訳したものだという。正確には、涅槃経の「諸行無常、是生滅法、生滅滅已、寂滅為楽」の部分だとのこと。

 それはいいのだが、疑問がある。

 これは後に、習字手本の手習い歌として、一般に使われるようになったものだが、当初からそのつもりで作られたものだったのだろうか。ということである。

 作者は不明である。永らく弘法大師の作と信じられていたぐらいだから、早い時期からすでに本当の作者が誰かわからなくなっていたと思われる。作者としては最初から手習い歌として作ったというわけではなく、単に翻訳するのにちょっと言葉遊びをしたら、のちに評判がよくなって、世に広まったということなのだろう。

 この「いろは」に先行して、「あめつち」というのがあった。「あめ(天)、つち(地)、ほし(星)、そら(空)、やま(山)、かわ(川)、みね(峰)…」と、続くものだが、それにくらべれば、この「いろは」のほうがずっとできは良い。

いろは

あめつち