じ   地 獄 め ぐ り

 ダンテの「神曲」によれば、地獄の最初、第一圏には、善良でありながら、キリスト教を知らなかったために、地獄に行った人の魂があるという。しかしキリスト教ができる前に生まれたのは本人の責任ではない。罰を受けているわけでなくても、地獄で暮らさなければならないというのは、納得しがたい。

 また、イスラム教の地獄は、七層に分かれていて、あとのほうほど苦しくなってくるのはキリスト教と同じだが、最高の罰を受ける第七層には、キリスト教徒やユダヤ教徒が落ちるという。では、仏教ではどうかと言うと、これも邪見を習うものは無間地獄へ落ちるとある。要するに、どこも、自分の宗教を信じなければ地獄に落ちると言っているのだ。

 さて、これらすべての話を信じれば、どうやっても天国にはいけないということになる。
 少なくても無信心には救いはない。のかな?