夏のバカンス客を見込んむチャーター専門航空会社の設立が発表され、その記者会見で早くも危機に陥ったと、マルセイユ発AF通信が伝えています。
設立が発表されたのは「ツール・デュ・ソレイユ(Tour du Soleil;『太陽周遊』の意」で、欧州各地と地中海沿岸のリゾート地とを、中古のA330型機15機程度ををチャーターベースで運行する計画です。
問題は航空機の塗装デザインが発表されたときに起こりました。フランス語の "tour" には「周遊」の他に「塔」との意味があるところから、日本の故岡本太郎画伯の代表作である「太陽の塔」と同様のものが描かれています。
これを見た記者の一人が質問に立ち、「岡本画伯は偉大な芸術家で、私も尊敬している。しかし、彼の名言に『芸術は爆発だ』というのがある。この御時勢に航空会社が、最悪の事態を連想させる飛行機を空港に並べるのは如何なものか」と噛み付き、会見は混乱を極めました。
会見に臨んだ同社の経営陣は想定外の事態に会見を一時中断し、問題を重要視し、その対応を協議した模様です。2時間後再開された会見は、「社名や機体の塗装デザインについては今一度検討をし、近日中に新しいコンセプトを発表する」との声明を読み上げただけで打ち切りとなりました。
業界では今後の同社の動向にに注目が集まっていますが、出だしで躓いたことで、構想の実現そのものを危ぶむ見方が広がっています。
(2008/04/01 記)