機上の空論

 

 

2003年5月4日、広島便に搭乗すべく羽田の保安検査を受けました。折からの保安検査強化が、直前に会ったイラク戦争の影響で更に強化されていることは承知していました。ですから、財布など金属製の物は鞄の中に入れて、金属探知ゲートをくぐりました。

ところが、事前対策の甲斐なく警報が鳴り、係員による追加検査となりました。どうせベルトのバックルが反応したのだろうと甘く考えていたら、靴の紐穴を囲む金属にまで反応がありました。さらに、金属など入っていないと思っていた、胸とズボンのポケットに金属反応がありました。

係員に促されて探って見ると、ポケットの中からは意外なものが出てきました。ズボンのポケットからは、空のタバコのパッケージ(メモ書きをしてあったので捨てずにいた)が出て来ました。また胸のポケットには、何とチューインガムが一枚入っていたのです。いずれも包紙に金属箔を使っています。

こんな経験は初めてです。金属探知機がこんなものにまで反応するとは思ってもおらず、感心すること仕切りでした。ガムの包紙が凶器と同様の反応することに、検査に対する安心感とともに可笑しさが込上げ、更に一抹の寂しさを感じました。

(2003.5.12. 記)

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