雪組朝海ひかるさよなら公演 (東京宝塚劇場)

12月15日、朝海ひかるさんのさよなら公演、ミュージカル『堕天使の涙』・ショー『タランティラ』を観てきました。

人間の弱さ哀れさ、醜さ欲望、そして優しさ愛を1人の堕天使(朝海ひかる)が見つめ、操り、見届けると言う、何となく悲しく寂しい作品です。
プロローグはまるでエリザベートの死の世界、親玉がトート閣下ではなく堕天使様という感じで、劇中劇「地獄のルシファー」とやら〜。怪しげな美の世界の幕開けは見事です。
話の中心はドロドロとした人間界ですが、それらを見届けた堕天使が空しく自分の世界に戻っていくところで、クリスマスの雰囲気が雪の街いっぱいに流れ、何事も無かったかのように人が行き交う。とても美しいのに寂しい終幕です。おそらく、堕天使は真の天使となって天上界に戻っていくのでしょうね!この辺りはさよなら公演を切実に感じさせてくれます。演じる側にとっては大変難しいのではないかと思います。

レビュー『タランティラ』は毒蜘蛛〜??。幕開けから奥深い見事なくもの巣が張り巡らされ、異様な雰囲気です。紫の綺麗な蜘蛛はコムちゃん(朝海さん)ですが、出て来る者出て来る者、蜘蛛ばかり、何となく寒気がします(笑)。コムちゃん初め雪組の生徒達は怪しく踊りまくります。飛び、跳ね、回り、歌い叫び独特の蜘蛛踊りで、きっと難しかったのではないでしょうか〜。全体的な配色は原色や毒々しい色が多いです。
宝塚では珍しい新風作品なのかも知れませんね?フィナーレになると本来の宝塚っぽさが蘇り、色合いも綺麗です。コムちゃんは申し分なく綺麗で、本当に良く踊り舞っていました。

千秋楽まで後1週間!また1人、大物が宝塚を去って行きます。寂しいですが、無事に、立派に千秋楽を全うされますよう祈ります。

2006・12/17 yuko記

yukohomeに戻る    宝塚観劇記に戻る