『エル・アルコンー鷹ー』・『レビュー・オルキスー蘭の星ー』

東京宝塚劇場、星組公演

2008年1月10日(木)1階8列にて観劇

イギリス人でありながらスペインの血を引く1人の男が、大きな野望を抱き、スペイン艦隊率いてイギリス船と戦うまでを大胆に描いたミュージカル作品です。
舞台は映像を使い、雄大な空と波立つ海!一匹の大鷹が舞い、7つの海を駆け巡ると言ったイメージで、スケールの大きさを感じます。

レビューの方は、昔、昔、宇宙に蘭の星があったとか〜?!蘭大国をイメージした亜熱帯的世界が広がり、タンゴのリズムに強烈な色彩とアダルトな香りがするようです。ユーモアや可愛らしさもあり、白い蘭の場面では宝塚的香りがしてとても綺麗でした。

1月22日(金)星組公演2階4列より観劇

前回の1階席とは違い、舞台全体が見渡せるので、改めて、背景映像効果が舞台上に反映し、バランスの良さを確認できました。それに、私の場合、前回特に予習も無くいきなり観劇だったので、目、耳が散漫になり、いま一つ纏まりが付かなかったのですが、今回は漸く焦点が定まり、作者のねらいがいささか判って来たように思います。

エル・アルコンー鷹ーは壮大な音楽に乗せて、大海原(七つの海)を羽ばたく一匹の鷹!いえ、1人の男(ティリアン)安蘭けいの野望が大きく渦巻く。復讐心に燃えて命を掛けるもう1人の男(レッド)柚希礼音!そして、女海賊ギルダ(遠野あすか)が絡む。更にそれらに巻き込まれる人々の姿が着色されているといった物語ですね。

原作の冒険活劇漫画を劇化したそうで、与えられた1時間半中、原作に沿って出来るだけ忠実に上演するにはいささか無理があり、演出家の苦労は計り知れなかったのではないでしょうか?男の一生をサァーと大雑把に駆け抜けた感じがするのは私だけかな?1部、2部、完結編とか〜(笑)?大作化出来ればもっと面白く判りやすいに違いない……。

私如きが偉そうな事は言えませんが、折角、面白そうな作品なので、その他の登場人物にも丁寧な成り行きを描いてほしいものです。
まぁ、限られた時間内でショーと同時上演の為、仕方ないですけどね。

ショー『レビュー・オルキス』について、

実はストーリーがあったんですねぇ。幾百年もの未来の惑星から今の地球を語ったようで、宇宙の彼方から、星(流星)に乗って、老夫婦が劇場に降り立ち、昔話を語ってくれると言う近代的でお茶目なショー作品なのです。

お爺さんの名はラゲララ(安蘭けい)、おばぁさんの名はカトレア(遠野あすか)
昔、蘭の星と言われる地球で2人は出会い、結婚します。そこは一年中様々な蘭が咲き乱れ、鳥(極楽鳥)や人間達が歌い踊り、ユニークで楽しげな熱帯の雰囲気が溢れていましたとさ〜…。

特に、アルゼンチンの署名な演出家による振付はタンゴのリズムに乗せて、コンテンポラリー系ダンスが見所となっています。フィナーレはやはりこれぞ宝塚!黒エンビに白い蘭の花を胸に着けて男役総踊りです。結構見ごたえがあり綺麗です。

2月3日(日)3時半公演2階12列にて

大海腹を舞台に、安蘭けいさん(ティリアン)の張りのある安定した歌声が響く中、イギリス海軍とスペイン海軍が戦う。海賊達が加わり。トップ娘役の遠野あすかさんを中心に娘役さんが活躍している場面が結構あるのですねぇ〜(宝塚では珍しいかも)。
あすかさんはしなやかによく踊る人です。お芝居の方では女海賊として大活躍、ギルダがいい!声の裏替えた感じが魅力となっています。それでも最後はティリアンの手に落ちてしまうけれど〜。

和涼華さん扮するキャプテン・ブラックは義理がたく、レッド(柚希礼音)に手を貸し、最後まで加勢する男気のある役です。赤いバラを加えて下手せりから後ろ向いて上がってくる所がキザで格好良い!意外や腹に力の入った声で凄みを効かせているので、海賊らしい感じが出ています。顔に深い古傷があるのも面白いし、黒塗りで長髪が大変良く似合っています。

ショーの最初、宇宙の星に乗ってやってきたお爺さんとおばぁさんの場面が毎回ちょっとアドリブが入り、なかなか可愛らしく面白いです。
柚希礼音(チエ)ちゃんのダンスはピカイチでビシッ!と決まっていて格好良いのは言うまでもなく、真剣そのものです。
この日はチエちゃんのお茶会だったので、雪降りでもありちょっと忙しかったけど、心は温かなお土産をもらった一日でした。

2月8日(金)1時半公演1階12列目にて

燃え盛る炎の中、壮絶な戦いが波立つ海原で繰り広げられている。観る者にとっては歌も踊りも慣れ親しみが感じられ、1階席の見上げる感じも手伝って、自分も導入感覚になる。女海賊ギルダの歌声が調子良く響き、気持ちが浮き立ってくる(笑)!

ショーのオルキスダンスがまた良い!風変わりで面白いし、極楽鳥の住む館が魅力的見せ場の1つとなっている。ここも遠野あすか(トップ娘役)さんを中心に娘役達が華麗なダンスを披露している。

私としては、今日でこの作品を観るのは最後なのですが、観れば見るほど面白くなり、はまりそうになります。つまりは奥が深い作品だったんですね。結構楽しかったですよ!!

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