ミュージカル『マリー・アントワネット2006』

当時のおしゃべりルームから観劇日記を追加します。

2006年12月8日(金)私事近況

今晩秋、早々に風邪を引き込み、2週間位がブランクだった気がしています。気が付けば、街はクリスマス、初冬じゃありませんかぁ〜。
11月にコーラスの合唱祭、三多摩音楽祭と立て続けにあり、その後、オペラ『アィーダ』を聞きに行ったり、帝劇の『マリーアントワネット』を観に行ったりと、あれやこれやと遊びほうけていたら、いち早く風邪をもらっちゃったんですね。(笑)

まぁ、ようやく体力も快復して、昨日2回目の『マリーアントワネット』を観劇してきました。
結構、暗くてリアルな作品ですねぇ〜。でも、出演者達は気合が入り、そのパワーと歌声は素晴らしいです!舞台全体の雰囲気が暗いのが難点で、衣装も装置も全体的に暗めです。音楽も耳慣れると、親しみが湧き、良い曲がいくつかあります。もう少し詳しい感想は後で纏める事にしますね。


さて、原作・遠藤周作。脚本・ミヒャエル・クンツェ。音楽・シルヴェスター・リーヴァイ。演出・栗山民也さんにより世界初、日本初のミュージカル作品です。2006年11月から帝国劇場で開幕しています。

日本ミュージカル界オールメンバーと言ってもよいほどのキャストの面々に、見逃せないものがあります。私は11月21日と12月7日に観劇しました。
1度目は暗いだけの印象が残りましたが、キャスト1人1人の迫力、歌いっぷりが見事で、音楽も聴けば聴くほど、耳に残ります。内容的には宝塚のベルサイユのバラとは180度違います。民衆の訴え、暴動、反逆、汚いものを寄せ集めたような感じさえします。
実際フランス革命ってこんな物だったんだろうなと感じます。難しい事は解りませんが、いまだに判りにくいのが山口祐一郎演じる練金術師カリオストロ。どうも彼は時代の外に居て、持てる練金術にて、時代を遡ったようですね。歌はいつもながら素晴らしいですよ。うさんくさいほうかむりをしているので、顔が判りにくく、その時々に出て来るので、話がちょっとごちゃごちゃになりますかな?

中心人物マリーアントワネットは元タカラジェンヌ男役トップスターだった涼風真世さんが演じています。もちろん歌には定評があり、舞台も堂々としていて、貫禄があります。気高く気品あるマリーアントワネットと言うよりもここではユニークで皮肉っぽい女王様に仕立ててあります。華麗さにおいても少し物足りないのですが、フェルゼンとの場面では女らしさが垣間見え、ほっとさせてくれます。やがて民衆に立ち向かい立派な最後を遂げます。ギロチン場面はリアルで嫌ですが、マリー・アントワネットの凛としたオーラは涼風さんならではの持ち味ではないでしょうか。

民衆の代表、マルグリット・アルノー(MA)はダブルキャストで、私は2回共、新妻聖子さんのを観ました。抱いていた印象とは違って、前向きな歌いっぷりには圧倒され、その押しの強さに相当印象深く心に残りました。澄んだ瞳や聡明さは新妻さんの持ち味だろうと思います。それにしても、笹本玲奈さんのマルグリットを見損なったのがとても残念に思います。

シスター土居裕子さんの歌は初めて聴いたのですが、透き通るような美声でとてもお上手でした。

マリー・アントワネットの愛人フェルゼン伯爵は期待の井上芳雄君。その歌いっぷりは言うまでも無く素晴らしく、マリー・アントワネットの助っ人!良いとこ取りの役柄で唯一美しいおのこです。衣装も綺麗し、勇士来たれりと言った所でしょうか(笑)。

ルイ16世に石川禅氏、ミュージカル界のベテランです。「レ・ミゼラブル」や「エリザベート」でも大活躍しました。その歌声、歌いっぷりに文句は無いですね。何とユニークで暖かいルイ16世なのでしょうか〜。

劇作家ポーマルシェ、最近お馴染みになった山路和弘さん。一路真輝(アンナ・カレーニナ)の夫役をした人ですし、直ちゃん(伊央里直加)とも共演しています。今回は語り手みたいな役で、柄はあまり良いとは言えませんが、歌える方はこう言う大舞台で活躍されるんですね。

宮廷1番の反逆者オルレリアン公、こうしたご時世には必ず出没する悪者!凄いメークで誰か?と思う高嶋政弘さんが演じてます。いつも徹底して役に入り込む人だなと思います。

その他、アンサンブルも素晴らしく、陰謀に関わる林アキラさんや春風ひとみさんらも活躍してました。
やはり、音楽は素晴らしい!聴き慣れてくるとその素晴らしさに気付かされます。舞台背景はほとんどが暗めで衣装も汚い、外見的な美しさはマリーアントワネットが登場する所だけかも〜?
見所、聴き所は音楽と歴史、革命とは〜?そして、何よりキャストの熱演でしょうね!!

2006.12/17yuko記

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