星組湖月わたるさよなら公演 

東京宝塚劇場(2006年10月12日、13日、21日観劇記)

当時のおしゃべりルームから追加します。

2006年10月21日(土)星組東京公演『愛するには短すぎる』『ネオ・ダンディズム』

湖月わたるさよなら公演を先週2日間続けて観ました。

スマートで涼しげな風貌、巧みなダンスと完成された男役像、などなど、わたる君の印象を最大限に生かし、発揮した作品に仕上がっています。また、星組下級生が一丸となってわたる君を支え、見守っているのが伝わってきます。
『愛するには短すぎる』白羽ゆりさんの上品で大人の演技も良かったですし、瞳子(安蘭けい)さんのユーモアセンスと響き渡る歌声は強力です。
岡田先生の代表作『ダンディズム』は言うまでもなく、わくわくとする美しさと素晴らしさで綴られています。
次々と衣装替えし、目まぐるしく舞い踊り、それらを器用にこなしていくわたるさん!続いて柚希礼音さんの際立ったダンスも目を引きます。見とれているうちに大切な3時間があっという間に経っていきました。

公演も気が付けばそろそろ中盤なんですねぇ〜……。私は後1回観れる事になりましたが、千秋楽まで心残りなく無事に全うされますよう、祈ります。直ちゃん(伊央里直加)も千秋楽には応援に駆け付けるとか〜!?同期の友情は何よりも強しですね。

10月29日(日)星組VISA貸切公演

昨日はVISA貸切公演を観劇しました。お得用な1階A席が当たり、久々に超でかオペラグラスを持ち出し、隅々までチェックしつつ、充分に楽しませていただきましたよ。(笑)
終演後、ゴールドの立派な羽根を背負ったわたるちゃんの「楽しんでいただけましたでしょうか〜?公演もあと2週間となってまいりました……etc。」残りを惜しむかのような〜、爽やかだけど胸に迫るご挨拶を聞きました。
お芝居ではわたるさんと瞳子さんの気の合った台詞のやり取りが気持ちよかったです。VISA貸切のせいでしょうか、瞳子さん(アンソニー)のおしゃべり度、ふざけぶりが目立ち、2人のコンタクトがより一層スムーズで面白かったです。
全体的には、大詰めを迎える高まりが舞台と観客席の空気を熱くしているようにも感じられました。
私自身、この貴重な時期に観せて頂き、更にvisa図書カードまで頂いてしまいました。真に有難うございました。


『愛するには短すぎる』ミュージカル 脚本・演出 正塚晴彦

果てしなく広がる大海原を背景に船上でのミュージカルって何となく夢があり、それも豪華客船上でのストーリーとは〜、高級感があり、わくわくとしたロマンを感じますね。
留学を終えた金持ちの立派な青年が、帰国途中の船上で船専属のショーガールと恋に落ちる〜?だけだとありふれているかも知れないけれど、実は幼馴染だった…。お互い事情があり離れ離れになっていたが、運命の糸がめぐり合わせてくれ、何とも切ない恋物語になっているんですね。

ストーリーはすべて船上での出来事で、フレッド(湖月わたる)の親友アンソニー(安蘭けい)のユニークで頼りになるような、ならないような存在が面白く、そこで出会った人々の人間模様や小さな事件も描かれています。
航海が終わると別離が待っていると言うのに、フレッド(湖月わたる)とバーバラ(白羽ゆり)の恋のゆくえはどうなるの〜〜?切ない思いを乗せて船は行く〜。人それぞれの思いもむなしく、別れの夜明けが近い〜。舞台の盆が回り、時の過ぎるさまを表現しています。
その辺りの作者側の演出も上手く、ロマンに溢れ、胸が熱くなりますね。♪愛するには短すぎる……♪と歌われ、さよなら公演と重ねたかのようなストーリーでそことなく哀愁が漂い、涙を誘います。

湖月わたるさんはダークなスーツ姿が飛び切り似合い、ダンディなのにどことなくおっとりとした心温かく気の良い青年を見事に演じていました。白羽さん演じるバーバラもとても良かったですし、主題歌も良いですね。

『ネオ・ダンディズム』ロマンチックレビュー 作・演出 岡田敬二

これは、もう、綺麗、格好良い、素晴らしい、です!!
幕開きから大階段を使い、青いチャイナ服男役が勢ぞろい、そこへ男役トップスターの湖月さんが、ダイナミックでモダンなドラゴン刺繍入りの白いチャイナ服姿で登場、その貫禄と言い、これぞ男役の美学であり、洗練されたプロローグに目を見張るばかりです。

続いて、ネオ・ダンディズムの世界へと…。美しいバラの乙女達が華やかに舞い、盆が回り、クラシカルな装いの男役たち、それはそれは美しく、夢見るような風景です。私的にはここが一番好きです。

次にパンパミーヤ。湖月さんを中心とする星組男役主要メンバーが黒のたっぷりとした衣装に色とりどりのスカーフをきりりと腰に巻き、鞭を片手にピシッパシッ!と打ちさばき、タンゴを踊ります。力強く、たくましさが表現されていて素敵ですね。

そして、お馴染みのキャリオカ。黒スーツ姿の男役と淡い色とりどりのソフトドレスの娘役達、スカートのヒラヒラとなびく様が美しく、最も宝塚らしい場面で、一気に盛り上がります。観ていて気持ちが良いですね。

謝先生振り付けによる惜別、オマージュです。これもまた素晴らしく、全員銀色の衣装を纏い、高度なダンスナンバー、飛んで、跳ねて、回ります。1人1人が湖月さんとの別れを惜しみ、今風な雰囲気で素敵な場面を構成しています。
ーAll by myselfー♪安蘭さんの歌声が劇場いっぱいに響き渡り、大詰めを告げます。

黒燕尾の男役達が大階段に勢ぞろい、湖月さんを中心にボレロを踊ります。宝塚定番、これがなくっちゃ!って感じですかね。観ていて本当に気持ち良いです。男役たちが引いた後は、湖月さんと白羽さんのデュエットダンスです。2人の息の合った瞬間に起こる話題のリフトは、湖月さんの見事な腕さばきが見所ですね!!一瞬緊張が走るけど、思わず拍手が沸き起こります!!

そして、ついにパレードです。エトワールは音花ゆりさんが抜擢!透き通った美声で歌います。(これからも頑張れ!)
こうして無駄の無いショータイムはあっという間に過ぎていきました。

湖月さんの魅力全開のさよなら公演だったのではないでしょうか〜。お疲れ様!
まもなく千秋楽がやってくるけれど、わたるさんファンの方々には幾千万もの名残は尽き無い事でしょうね……。時間は無いけれど、今のうちに数え切れないほどの幸せな思い出をストックされますように…。

素晴らしい公演を本当に有難うございました。2006年11月7日yuko記

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