『My MirageU』東京厚生年金会館(2004.10/15〜10/19)

構成・演出  太田哲則

出演者

ミュージカルアカデミー 屋良朝幸、米花剛史、町田慎吾
宝塚OG 瀬戸内美八真織由季、 伊織直加
  千珠晄、檀ひとみ、鷹月笙、二葉かれん、大洋あゆ夢
  瑠菜まり、苑宮令奈、夢月真生、さき望実、松本菜穂、かずゆうと、
光海あきほ、風見佳希、汐夏ゆりさ
ダンサー 二橋純 竹森直亮

第1部はミュージカルコメディ、第2部は宝塚OGとジャニーズの特質を生かしたショーになっています。
舞台は七色、衣装もカラフル。時には客席にも明るい光線が差し込んで眩しい位。まるで万華鏡のように、歌い、踊り、演じるコメディタッチのジャニーズアンド宝塚コラボレーションです。

第1部(私的なストーリー短縮解釈と感想)

半分天使で半分悪魔、残りの半分は、ただの人間である三つ子の男子(ジャック…町田、ルネ…屋良、デイビス…米花)が、ある時、本物の悪魔になる為に、大魔女(セリーヌ…瀬戸内)から難問を背負わされて人間界に降り立った。
ホテルに就職した三つ子の男子は、其々のパターンで見習い魔女とやらに変てこなクイズを出されるが、解答期限はたったの1週間しかない。
見習い魔女の第1パターンとは、ホテルに宿泊する我がまま美女客4人(イヴァ…壇、ジザベル…二葉、アシーナ…瑠菜、レイリー…苑宮)がジャックに問う。
第2のパターンは、ちょっと可愛い娘(ギリアン…真織)のいる借家にすむ事になったルネ、そこに潜む魔女エバーミン(千珠晄)はギリアンの姉だとか〜。姉がルネに問うたものは?
第3パターンはお色気丸出しの欲求不満婦人警官(ネティ…伊織)はデイビスに首ったけ!そこでクイズを…。
これら3つのクイズが解けないとゴキブリ悪魔になってしまうと言う。
ジャック、ルネ、デイビスが力を合わせてもなかなか解けないクイズの締め切りは迫るばかり!!

そんなある日、1人の哀れな老婆が悩みを抱えて困り果てていた。3人は知恵を絞り、その老婆に手を貸し、幸福になれるようにしてあげる。と言うか、老婆の涙が水玉アレルギーのデイビスに触れて、ピンポーン!と良い子ちゃんになる。それらも手伝ってヒントが閃き、一挙に難問が解ける。
そこで、3人の男の子は本物の悪魔に??実は本当の人間に変身!!(それとも悪魔かも?その辺は筆者としてはよく判らない)目出度し目出度し!

街は喜びに溢れ、歌や踊りが飛び交い、1部のフィナーレとなる。真織アンド伊織はボーイッシュないでたちで登場し、カラフルな衣装がパーティ会場に溢れ、『ペインマンボ』を全員で歌い踊る。ー終わりー

他愛無い話であるような、懲り過ぎのような太田先生作コメディであるけれど、役者の上手さで良し悪しも決まるので、初日はただのドタバタ喜劇って感じがして、少々しんどかったなぁ〜。
元タカラジェンヌ達は、芝居もダンスもお手の物で、ノリに乗っていたのに、MA君たちが開幕寸前まで忙しすぎて練習不足だったとみえて、今一つしっくりと役柄に馴染んでいなかった感じがしました。
ところが1日過ぎ、2日経つうちに勘の良い子達で、だんだん本来の実力を発揮!千秋楽には芝居の本質もつかんで、成長していました。

4人の魔女に扮したホテルの宿泊客も、この子達を盛り上げようと、ねっとりと、しかし、やたらに甲高く声を張り上げていたし、もちろん座長の瀬戸内さんですら初日の緊張感は伝わってきました。織織コンビ(真織、伊織)は最初から芝居が安定していたけれど、直ちゃん(伊織)は役柄上、お色気ムンムンのロイスキャラ婦人警官で、千秋楽は少し男声も出したりして、更にハイテンションだったなぁ〜……。(笑)
最後のパーティで、踊る若者に扮した真織、伊織コンビのショートカットヘヤーに、ピンクシャツ(真織さんはオレンジ)と黄色のパンツルックがとても清清しく爽やかで良かった!!

正直、1部に関して言えば千秋楽が始まりであり、完成って感じがしました。終わり良ければ全て良しかなぁ〜?!

第2部

マイミラージュ!其々の個性を生かしたデラックスショーです。プロローグは全員登場、『レッツダンス!』早いテンポの歌と踊りです。男性ダンサー2人が真織、伊織、其々にちょっと凄いリフトをしてくれています。黒のイメージでシックな乙女だけど、結構きついリフトかも…。

それが終わると、元タカラジェンヌコーナーです。
瀬戸内さんが『ラモーナ』を歌い、松本菜穂がソロダンスを見せます。
次は真織さん、さすがに歌が上手い!綺麗な声で『オルフェの歌』を歌い元男役の大洋あゆ夢、夢月真生、光海あきほ、風美佳希が格好良くバックで踊ります。
そして、伊織直ちゃんのソロです。白にオレンジの縁取り段々ドレスで、「スイッチ」より『ビューティフル マリア オブ マイ ソウル』です。中音で、直ちゃん本来の声質にマッチしており、耳に心地良く聞こえました。裏声発声の成長を感じますね。
瀬戸内さんを中心に『魅惑のサンバ』を軽やかに歌い踊って宝塚コーナーはおしまい。

ジャニーズコーナーは、その持てる技を充分に生かしたショーです。
特に力を入れたらしく、ラップ調の歌と踊りは慣れた物で、さすがに上手い!!
それでも初日は何となくぎこちなかったし、M.C.がもどかしく、観る側の私も馴染めなくて困ったけど、翌日位から慣れて来て、舞台もスムーズになり、千秋楽にはとっても上手かったです。
千秋楽は客席全体もかなり盛り上がっていたし、M.C.も良い感じに次々と話が出てきて面白かったですよ。もちろん其々のソロもあり、良く頑張っていました。ジャニーズファンには取っておきのコーナーだったと思います。

フィナーレへの誘いとして、幕前で瀬戸内さんが1曲歌い、大フィナーレとなります。
これぞジャニーズと宝塚のコラボレーション!!ジャニーズは黒のアクセント入り白いスーツで正装、バリバリに着こなしています。
瀬戸内さんは黒のドレスにフワフワ羽根のショールを肩から羽織り、伊織、真織は白のキラキラドレスで、元女役は白いドレスで、元男役は黒いスーツでピシッと決めて、男性ダンサーも黒いスーツで、其々が格調高く装い、『アレキサンダース ラグタイム バンド』の歌に合わせて、スピーディーなダンスで華やかに幕を閉じました。
千秋楽のカーテンコールでは瀬戸内さんを筆頭に、MA、真織さん、伊織さんの一言ご挨拶があったりして、カーテンコールが何度も続きました。

たった5日間の7回公演でしたから、あっという間に終わってしまいました。
連日、ジャニーズの先輩達が観劇されており、私の知る限りでは、17日夜にはあの堂本光一君が〜!初日は秋山君、楽には風間俊介君、嵐の櫻井ショー君(字が判らなくてごめん)だったかな??
MAファンも凄く多くて、千秋楽の出待ち風景にはビックリしました。あの台風前夜の土砂降り雨の中を限りないファンの列が続き、その1人1人に対して、とても丁寧に応対していた屋良、米花、町田君の姿が印象的でした。
今、飛び立とうとしている少年達、宝塚OGのお姉さん達に支えられて、大きな会館で演じられた事が、また1つ、彼らの自信に繋がったのではないでしょうか。素直で健気な態度がとても良かったですね!!もちろん、MAからも観客やOG達は若さと元気をもらったのではないでしょうか。

直ちゃんはMAに対してお姉さま振りを発揮したり、時には自分もキャピキャピと楽しんだり、ちょっと難しいリフトを大人のムードで綺麗に観せて、大きく踊って、自分の声質にあった歌を流暢に歌って、またまた新たな面を観せてくれました。
ピンクシャツに黄色のパンツルック姿が、やっぱり良かった!たまにはボーイッシュも良いですよね!!ファンの間で好評でしたもの!
普段は歌にダンスに勉強を重ねて、当然、美に対しても心掛けているご様子で、ますます女に磨きが掛かっていましたよ!(笑)
次は、直ちゃんの落ち着いた感じのお芝居なども観てみたいものです。

以上、私なりの感想でした。失礼があったらお許し下さいね。

2004年10/23yuko記

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