『長い春の果てに 』 ♪♪♪ 『With a Song in my Heart』


【長い春の果てに】 月組東京公演 2002年12月4日観劇記

昨年12月に、一度だけ観た作品です。何だかとても私自身忙しい時期だったので、すぐに感想が書けないまま、年を越してしまいました。ここへ来て、漸く、僅かな時間が生まれましたので、遠い記憶を辿って(笑)、私的感想を簡単に纏めてみたいと思います。
これは、原作『世界で一番好きな人』と言う映画を元にした作品なのですね。奇跡的で現代風おとぎ話のようで、とても爽やかに創り上げてあります。

ステファン演じる紫吹淳さん、孤独感のある格好良いお医者様、それも脳外科医なんですね。彼は、1人の少女が幼い時からずっと憧れを持つ位、素敵な王子様だし、大人の女性達からも愛され、ちやほやされる人だから、ほんとに格好良い人物なのですね!

1人の少女エヴァに映美くららさん、もう、ぴったり!凄く可愛くて、ちょっぴりおマセさんで、今風の女の子、おセンチな所もあるし、素直で優しい所もあり、とにかくエミクラちゃんならではの可愛らしい少女が出来上がっています。

その恋のライバルに大人の女性が2人、ナタリーとフローレンス、男役さんの抜擢で、大人の女性の魅力ムンムン!汐風さんのナタリーは気品ある知的な女医さん、素敵な白いスーツがお似合い。女弁護士には大空さん、スタイルが良くて少々大柄に見える女性、お色気ムンムン。そばに行かなくても高級な香水の香りがするよう…。(笑)身のこなしもバッチリなお二人です。
そんな大人の女性を相手に恋合戦。と言っても、エヴァは14歳の少女ですもの、女の子らしい優しさや素直さもあって、さらりと爽やかな風が吹いてますよ。大人達も思いっ切りが実にいいですしね。

2人のお姉様方には、其々、ひたすら慕ってくれる若者がいました。うんと生真面目な元麻酔医アルノー、霧矢さんですね。汐風さんと並ぶとお相手は年上の女性って感じです。ステファンの親友ブリスに大和さん、ちょっと、ひょうきんで、フローレンスにぞっこん!振られて、泥酔状態で出て来る所が、実に面白くて、笑っちゃいますね。

そして、ステファンのライバルに、外科医のクロード、湖月わたるさんですね。普段のシャープな男役に、汚れた部分と貫禄をプラスして登場です。プライドの高さも出ていますね。ここの所私は、わたるちゃんの死に際を何度も見ました。(笑)『大海賊』でしょ、『スイッチ』でしょ、そして外科医脳腫瘍とね。
今回は更に難しい役です。今までと全然違う死に様なんですものね。今までは悪で、ふてぶてしく死んでいたのが、今回は客を泣かせて、思いっきり格好良く死にますからねぇ〜。
つまり、医学会発展の為に、自分の亡骸を提供する勇気と、ライバルに頭を下げる勇気を発し、負ける事で真の強さを示した男の最後の言葉が、これまでの悪事を帳消されるかのようです。わたるちゃんの好演もあって、泣かずにはいられない場面ですね!!

その他、お父さん兼医院長の星原さん、立派で、貫禄充分ですね。奥さんにだけは頭が上がらない所が笑いです。奥さんは夏河さん、ステファンの愉快なお母さん、ステファンの夢の中にバレリーナのように、ヒョコン!と出て来る所が楽しい!!

新聞記者の汐美さん、鋭い記者をすっきりとした風貌で演じていますね。次世代のホープ、月船さららさん、クロードの助手ピエールですか?クロードの亡骸の前で泣く所は印象に残ります。

そんな人物達がステファンを取り巻き、一度無くした医者としての自信を取り戻しつつ、1呼吸置いて、ハッピーエンドとなる所が、宝塚的超ロマンチックな結末ですね。何処までもシンデレラ的物語で…。遅い素敵な春風が吹いています。

2003年2月11日yuko記


【 With a Song in my Heart 
ー君が歌、わが心に深くー 月組東京公演〔 2002年12/4観劇記 〕

リチャードロジャース生誕100年を祝って、作られたレビュー作品であり、
何度も耳にした懐かしい歌の調べに乗って、宝塚らしいファンタジックなショーでした。

『With a song in my heart』は、オーソドックスなプロローグに始まります。

リチャード・ロジャースの少年時代をイメージした場面では、軽やかなダンスとお茶目なストーリがあって、楽しめます。
いじめられっ子ディックに可愛い女の子ナタリー!夢の中でナタリーが沢山になって出て来ます。悪ガキの男の子4人組も、何故かナタリーと同じ姿の女の子になってますよぉ〜。1人のデカイ女の子は誰?黄色ぶちの大きなメガネをかけて、特大リボンを頭につけて、首降る癖がある子!(笑)ややっ?目立つと思ったら、わたるちゃんじゃないですかぁ〜。皆同じ服装だからどの子がナタリーかなぁ〜?って、まるで、ウォーリーを探せみたいです。(笑)
リズミカルなメロディーに乗って、軽やかに踊るからとても楽しいんですよね!「ちょっと、このステップ、私にも出来きそう…?」と思って、家でやってみたら、かなりしんどい、ドタドタとなってしまうぅ〜。あんな風に何度も繰り返して軽やかに飛んでるのに、実は結構大変なんだぁと身をもって凄く感心した私。(笑)さすがプロ達だわ…。(笑)スミマセン…。

『思い出の40th』、ここも良かったですねぇ〜、「Manhattan」「Lover」「Blue Moon」と、ファンタジックな水色の世界は宝塚らしくて、とても綺麗です!

そうして『オリエント・ファンタジー』、以前、花組でやった「アジアン・サンライズ」で、直ちゃんが子供達を連れて出て来た音楽と同じメロディに乗って、エミクラちゃんプリンセスが民族衣装を着て、他の娘役さん達と出て来ました。とんがり冠が良く似合って、ほんとに可愛いですね。「バリハイ」の音楽が流れると其々の王子様の登場です。
エミクラちゃんのお相手は、大和悠河さんでした。なかなかのお似合いカップルです。お芝居の時に、お色気ムンムンのフローレンスだった大空悠飛さんも、打って変わってクールビューティな王子様です。まるで別人のよう…。さっすが役者!その後に出て来る汐風さんにも同じ事が言えますね。

大詰めは『全ての頂上をめざして〜』「サウンド・オブ・ミュージック」からですね。美々杏里さんの歌が響き渡り、レモン、ウグイス、水色、オレンジ、藤色、ピンクとパステルカラーの衣装で全員登場。山を仰ぐようにファンタスティックな盛り上がりです。

ロケットは「オクラハマ」。
フィナーレ
はロジャースの写真、世界の子供達の表情などをスクリーンに映し出し、リチャード・ロジャースを称えて「エーデルワイス」「ドレミの歌」等歌って、幕です。

こんな風に、宝塚的ショーの中に「王様と私」「南太平洋」「サウンド・オブ・ミュージック」等からの名曲が織り交り、また違った形でリチャード・ロジャースの世界を、堪能することが出来ました。

2003年2月11日yuko記

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