★★★『お気に召すまま』シアタークリエ(東京日比谷)2017年1月4日〜2月4日★★★

原作 ウイリアム・シェクスピア 演出 マイケル・メイアー

出演者 柚希礼音(ロザリンド)、ジュリアン(オーランド)。
     橋本さとし(ジェークイズ、ル・ボー2役)、横田栄司(オリヴァー)、伊礼彼方(アミアンズ)、マイコ(シーリア)、小野武彦(公爵、フレデリック2役)、その他     の方々。

アメリカ、ブロードウェイでご活躍中の演出家マイケルさんはシェクスピアの作品「お気に召すまま」を肝心なセリフはそのままで、1967年代のアメリカ、サマー・オブ・ライフと呼ばれ、ヒッピーと呼ばれる若者達も登場した時代を描きました。
物語

ワシントンの宮廷、公爵は弟のフレデリックに公爵の座を奪われ、追放されてしまいます。公爵の娘ロザリンドはそのまま宮廷に残されます。
一方、公爵の側近だったボイス邸の主人が亡き後、長男オリヴァーが遺産や地位等、全てを奪い、次男や3男には遺言通りの配分がありません。
中でも優秀な3男オーランドは最も不公平な仕打ちを受けています。
ある時、3男オーランドは腕試しにフレデリック主催のレスリング試合に参加します。怪力と言われるほどの男チャールズと戦い、オーランドが大勝利します。
それを見に来ていたロザリンドはオーランドと出会い、お互い恋に落ちます。

ところがある時何かしら、フレデリックの怒りを受けたロザリンドは宮廷を追い出され、こっそり男装して仲良しのシーリアと連れ立って父親の行き先を求めて旅に出ます。
サンフランシスコ(ヘイト・アシュベリー)、ヒッピーの聖地「アーデンの森」を目指します。

そこで、偶然オーランドに再会するのですが、ロザリンドは男装の身、なかなか気付いてもらえません。
アーデンの森はとてものどかで、小鳥が歌い人々が平和に自由に暮らしています。音楽があり、恋に悩める者達もいますし、ロザリンドの父親はそこの住民です。
ロザリンドとシーリアはその地で憩いつつ、悩める人々の為に作を練ったり、すべてがハッピーエンドになるように導き、やがては欲深いフレデリックも回心してやって来ます。
ロザリンドの計らいで最後は笑顔、笑顔でみんながハッピーエンドで終わります。
感想
  
観る側の私は最初、異国風俗なのにセリフは古風でもどかしく、今一つ馴染めなくて難しく感じました。
一人2役の人もいて、人の名前が外国名で誰が誰だか理解しずらい。コメディなんだけど活舌とかも慣れていない出演者もいて、それほど笑えない、とか思いました。
私の観劇1回目は初日の翌日だったけど、2回目はその1週間後だったので、出演者達もコメディ作品に慣れて来て、流暢なセリフが自然に出て来るようになっており、大分解りやすく面白くもなっていました。

内容的には聞き覚えのある物語で、親が亡き後、財産や地位で兄弟が揉める。あの手この手で人間の欲深さや嫉妬を表現する。色々と案を練り、様々な人を巻き込んで、締めくくりは誰もが幸せになるように持って行く。
今回は多くの様々な地位の人間が入り混じって、変装したり、嘘をついたりと内面と違う事を複雑にやるから難しい訳ですね。

途中、伊礼彼方さんが奏でる歌声や音楽がとても楽しかったし、他にも歌が上手い方が沢山いらっしゃいました。柚希さんは女子なんだけど男子に変装した姿はやはり格好良かったです。一生懸命さが伝わってきましたよ。
コメデイ慣れしているベテランの方々がとても上手で笑えましたし、マイコさんは最初からセリフが流暢で感心しました。さすが、お芝居に慣れていますね。活舌がとても良かったですよ。
★★★
東京のシアタークリエが終わった後、一行は大阪、香川県、福岡県と周り、役者の皆さん方、とても楽しくより上手になって客席を沸かせて、帰って来られる事でしょうね。間違いなく、より良い作品になっていると思います。頑張って下さい。そしてお疲れ様です!
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