宙組公演『カステル・ミラージュ〜消えない蜃気楼〜』
宝塚大劇場(2001年11月16日〜12月25日)
作・演出 小池修一郎

メインキャスト 

レオナード・ルビー(レオ=和央ようか) エヴァ・マリー(歌姫アリアーヌ=花總まり) ホテル・ブルー・バード*幸せの青い鳥*
リチャード・テイラー(新聞王=湖月わたる) アントニオ(マフィアのボス=伊織直加) 
フランク(アントニオの子分=成瀬こうきクラウディオ・ステファーノ(イタリア公爵=大峯麻友
ドリス(新聞記者=出雲綾)  ジョー・ガーナー(レオの幼馴染&親友=水夏希
ジュリエッタ(公爵夫人=陵あきの)  リック(アントニオの子分=久遠麻耶

 第1場A クリスマス・ディ(Las Vegas)

ホテル・ブルーバードのオーナーであるレオナードの死を知らせる電話が、新聞記者ドリスによって、新聞王テイラーの元に入った。テイラーは「暗黒街の天使、消えない蜃気楼を求め続けた男」と静かに呟き、その死を悼んだ。

 第1場B オープニング「Angels in the Underworld」

洒落た音楽、軽快なリズム、暗闇の舞台。ソフト帽にトレンチコート姿のエンジェル達(暗黒街の男達)がこれから始まる物語をイメージするように踊る。
水さん達の後、湖月さん、直ちゃん、成瀬さんが途中から現れてスマートで格好良いダンスを見せてくれます。直ちゃんはダークレッドのコートに黄色っぽいネクタイを締め、ビシッと決まっています。次に登場した和央さんを中心に、男達全員のダンスとなります】

 第2場A ヘルズ・キッチン(マンハッタン NY)

ここはマンハッタン、ウエストサイドの貧民街、「ヘルズ・キッチン(地獄の掃き溜め〜)」と呼ばれる所。
ジョー(水さん)の語りで始まります。
「レオ(レオナード)も俺もこの貧民街で育った。レオは仕立て屋だったが、親父さんが亡くなってからは魚市場で働きながら、夜学に通って会計士を目指していた。少年少女達が集まるストリートでは、俺達の情操教育である青空ダンス教室が開かれていた。ここでの人気ナンバーワンはエヴァ・マリーだ。」
【ヒャー、花ちゃん(エヴァ)、お久しぶり!可愛い綺麗な女の子に扮しています。(^.^)】
くるくると廻ってダンスしていたエヴァはやって来たレオにぶつかります。レオは突っ立っているので、彼女に電信柱君と言われています。
そこへ、フランクが仲間達とやって来て、ジョーに以前のバクチで貸している金を返せと、突っかかってきます。レオはジョーを庇って掛けをします。そこでエヴァが
勝利の女神「ミネルバァ」と称するペンダントをレオにオマジナイとして渡します。最初はクラップで勝負、次にフランクはロシアンルーレットを提案します。6発で弾は1発、命が掛かっています。フランクはすでにギャングの厄介になっており、実は銃に仕掛けをして、弾が出ないように細工をしていますが、レオは知りません。
いよいよ6発目の引き金を、レオが自分の頭に向かって引こうとした時、
「そこまでだ!」とドスの効いた大人の声がしました。ボス・アントニオの登場です。手下を2人連れて、洗濯物の影から現れます。フランクはボスの思いがけない出現に驚きます。
弾は入ってない事を確かめたボスは
「悪ふざけもいい加減にしろ!」とフランクを叱ります。
そこへ誰かが通報したらしく、巡査がやって来ますが、ボスは
「やぁートミー、お役目ご苦労」と言って札を握らせ、その場の小さな出来事をもみ消します。
「レオナード、いい度胸だ!それに賭け事の才能もあるようだ。おまえがユダヤ人でも、困った事があったら相談に来い!」と、ボスは威厳のある声で連絡先の紙をレオナードに渡して立去ります。
【ボスの直ちゃん、結構威厳があって怖いです。それになかなかの渋い紳士風で、声も良いですねぇ〜。巻き舌さえも使ってますよぉー。上質の黄土色のコートを羽織り、ソフト帽です。オープニングではなかったお髭をちゃんと付けています。今、糊付けで、鼻の下が焼け付くようにヒリヒリしている所ですね、きっと!(笑)】

ジョーは「この借りは必ず返すよ」と、レオにお礼を言って、パティ(かなみちゃん)を家まで送って行きます。レオはエヴァに勝利の女神『ミネルバァ』を返そうとすると、エバァは「ずっと持ってて!」と言って、父親の関係で自分達家族は、イタリアに戻らなければならない事を告げます。「サヨナラ、電信柱君!夜学を頑張って卒業して、会計士になってね!」と言い残して去ります。

 第2場B アパートの入口

レオは自分のアパートの所まで帰って来ると、帰りが遅いので母親が心配して外で待っていました。そこへ家主の嫌な旦那が借金取りに来ました。下心のある旦那は「金を払えないのなら、私の家に住み込みで面倒を見てやる」と、母親を誘惑しようとします。レオは母親思いの優しい子です。
「俺が金を作るから、あんな奴の言う事を聞かなくてよい」と言い、アントニオを尋ねる決意をします。

 第3場 カフェ・パレルモ

アントニオが仕切るカフェ・パレルモ【直ちゃんボスを中心に手下の男達や女が踊ります。】
アントニオを訪ねて、レオナードがやって来ました。
「おぉ、やっぱり来たなぁ〜、運の強いやつ」「金がいる、24時間以内に作らないと…」
「賭けるか?」「金は持ってないんです」「かまわん」
【この時の直ちゃんボスは、レオに対して父親のような暖かさを感じさせ、いい顔してますね。】

勝利の女神『ミネルバァ』が効いているのか、レオは勝ちまくります。
レオの才能と度胸を見込んだアントニオはレオに
「どうだ!仲間にならないか?おまえの度胸と才能があれば、家だって城だって買える」と誘います。レオは「ユダヤ人は出世しないと聞いた事がある」と断ると、
「確かに昔は〜〜。だが、ラッキーチェーンが大ボスになってからは、変わりつつある。『コーサ・ノストラ』我々のものと言う意味だ。」と、アントニオは低くドスの効いた声で説得します。
コーサ・ノストラの歌
『新しい大陸に〜、希望の光灯し、降り立った〜♪、踏みしめるぅ、大地の同じ地球のはずなのに〜、俺達の生きる場所、それは〜アンダーワールド。コーサ・ノストラ〜コーサ・ノストラ〜♪俺達が守る、俺達の掟、コーサ・ノストラ〜、コーサ・ノストラ〜♪俺達が創る、俺達の国よ〜。』
【直ちゃんが威厳のある声で、中心に歌い、手下達がバックコーラスを添えます。迫力のある合唱です】

「『仲間を裏切らず、組織に損失を与えず』それが掟だ!おまえに守れるか?」「守れるとも」とレオ。
『俺達の王国、それはアンダーワールド、コサ・ノストラ〜♪俺達が守る、俺達の掟、コサ・ノストラ〜、俺達が創る、俺達の国〜。』
こうして、レオはアントニオの仲間になり、ギャングとしての活躍が始まります。
「見込みのあるレオナードはギャンブルで素晴らしい才能を発揮した。ルイスキーからルビーに名を改めた。10年経った今では、ニューヨークの東海岸のカジノの元締めとして、経営にも腕を発揮。この10年の最大の変化はヨーロッパに戦争が始まった事だ。」
【ここの直ちゃん、ちょっと、レッド・パトラーみたいな口調で、ゾクゾクしませんかぁ?】

『アメリカが参戦した〜』と誰かの声です。
再び、ボスです。
「カジノは閉鎖だって〜?レオナードは将校クラスの客や戦争成金を見事に掴んだ。戦争による特需で景気は快復、銃後は潤ったのだ」
「レオナード、折り入って話がある。」とボス。「何でしょう」
「この10年で我々の東海岸のカジノチェーンは大いに発展した。レオナード、おまえの功績だ。」
「有難う御座います」
「次は西海岸に進出しようと思う。」
「ロサンジェルスにはフランクが行っている。」
「あぁー」
「あいつは競馬ネットワークと、ハリウッドの裏を取り仕切る。だが、カジノはまだだ。どうすれば西海岸で成功するのか調べるんだ」
「ハリウッドにはジョーがいる」
「よーし!大事な事がある」
「ロスには、シカゴマフィアのガンビーノがいる。やつはメキシコからドラッグを密かに流しているらしい。」「あいつなら、やりかねない」
「調べて、止めさせろ!」「拒否したら?」
「消せ!」
【この言い方が凄いのです。直ちゃんのお口が曲がってるみたいなニュアンスですね。(笑)私個人的にツボです。】
あいつが拘われば、俺達にルイが及ぶ。ドラッグが街中を流れるのは10年前のマフィアだぁ〜。へん、いいかぁ!俺達コーサ・ノストラは合法的に西海岸に侵出するんだ!」「解った!」
「何人かをハリウッドに連れて行け!フランクには、おまえがカジノの準備で行くと言ってある」

 第4場 Going Hollywood

ハリウッドでフランクと再会したレオナード。お互いに手下を4,5人連れている。銀橋でのご対面です。手下達のご挨拶が面白い、「うっす!」とか、ちょっとユーモア的に凄みを効かしているのです。フランクはテイラー邸のチャリティパーティに招かれている。「そこへ来てほしいとジョー・ガーナーから伝言を受けている」とフランクはレオナードに伝える。
【ここの音楽はちょっと以前に雪組でやった『コート・ダジュール』のメロディに似ていますね。あの時も長身のたか子さんが出ていましたね(^^)】

 第5場A テイラー邸「ザ・キャッスル」

幕が開くと、ここは華やかなテイラー邸のパーティ会場です。コンチネンタル・プレスの記者ドリスが司会をしています。今やミュージカル映画スターとなったジョー・ガーナー(水さん)が、歌とダンスで、オープニングを華やかに飾ります。
次に新聞王テイラー氏の紹介とご挨拶。
【とても落ち着いた立派な紳士のわたるちゃんです】
主賓はイタリアからの公爵ご夫妻だと紹介します。チャリティの収益金をイタリアに寄付する為にテイラー氏が招いたのです。
そして、テイラー氏ご自慢の歌姫、アリアーヌを紹介します。しっとりと美しく上品なご婦人、しかも可憐でほっそりとしていますが、何処となく憂いに満ちています。
【相変わらず見事に美しい花ちゃんですね。】
実は、彼女こそ昔のエバァ・マリーだった。今はアリアーヌと名前を変え、テイラーの元で女優として、1人の女性として、大切に扱われている身上。レオナードはすぐにそれがエバァだと判る。
勝利の女神『ミネルバァ』を返そうと彼女に近寄る。
テイラー氏はカジノを経営するこの野蛮な男?を歓迎しなかった。しかし、勝利の女神はレオとエバァを再びめぐり会わせ、レオナードのこれからの人生をも変えてしまうのです…。

 第5場B テイラー邸の各所

ジョーとレオは再会を懐かしんでいます。フランクは地方検事マクガバンとのやり取り、テイラー氏の秘書とのコカインの受け渡し等、怪しげな行動をしています。公爵夫人からの誘いで、レオはテイラー氏のリビングへ招かれる、等がテイラー邸の各所行われています。

 第6場A テイラーのプライベート・リビング

レオは「イタリアからの美術品の密輸ルートを作って欲しい」と、公爵夫妻から頼まれますが、「掟に反する」とキッパリと断ります。
そこへテイラーとアリアーヌ(エヴァ)がやってくるので、レオは隠れますが、エバァのこれまでの身の上話等を一部始終聞いてしまいます。
テイラーは秘書から特別のコーヒー豆(コカイン)が手に入った事を知らされ、別室に姿を消します。エバァが1人きりになった所に、レオが再び現れ、昔と変わらぬ純粋なお互いを見い出します。

 第6場B レオナードの帰路

レオナードはエヴァとの不思議な運命のめぐり合わせと、再会の喜びを歌で綴る。【和央さん(レオ)が銀橋を歌いながら渡ります】

 第7場 Club Sunset

フランクが仕切るクラブ。フランクはガンビーノとの癒着があり、マクがバンとも取引があるので、レオナードがやってきた事にいささかの不安を抱いています。
そこへ、レオナード達がやって来て、テイラーの秘書とバーテンがコーヒー豆(コカイン)のやり取りをしている現場を掴み、検事やガンビーノを見つけてしまいます。
フランクはアントニオにばれる事を恐れて、見逃して欲しいとレオナードに頼みます。ロシアンルーレット、一発で勝負しますが、元々、弾は抜いてあります。つまり、店を取り上げただけで、フランクの罪を軽くしてやったレオナード。
【ここが一番レオナードとして格好良い所です。観ている方も気持が良いですねぇ…。

気持よく一仕事を終えたレオナードは、ジョーに「明日、ネバタ砂漠へ行こう!エバァに連絡を取ってくれないか」と頼みます。

 第8場 テイラー邸

エバァは今ではテイラー氏に見出され、女優として、カステルに飼われたバードのようなものです。ヨーロッパは戦争でゴタゴタしており、イタリアではエヴァの家族がムッソリーニの親衛隊で危ない目にあっています。テイラーの傍にいるエヴァの身だけは安泰です。
イタリアの公爵夫妻がエヴァの家族の様子を知らせてくれています。エバァは多忙のテイラーに、留守中、パティ
【昔の女友達、ジョーのガールフレンド、彩乃かなみさんです】とドライブに行く許可を取ります。テイラーはあまりいい返事をしませんが、エバァは「食事をして帰る」とテイラーを説得します。

 第9場 ネバタ砂漠

さぁ、男女4人がネバタ砂漠にドライブです。レオとエバァ、ジョーとパテです。勝利の女神はレオとエヴァの変わらぬ愛を微笑んでいるようです。レオはエヴァの為にこの砂漠の真中に城を築き、ここを2人の愛の住処にしようと、とてつもない夢を描き、2人のデュエットになります。

 第10場 ホテル建設

「レオナードから電話です。」【アントニオの手下がなかなかの鋭い声で電話をボスに渡します。電話取次ぎ役のこの人(夢大輝さん)も若手ながらなかなかのアンチャン風で上手いですよね!イカレタような目つきにいつも感心しています(^^)】
「よぉー、レオナード!報告書は読んだ。ガンビーノとクラブ・サンセットの件は了解した。フランクは手下の巻き添えをくったってなぁー。」
「今、ネバタのラスベガスにいるんです。ここで、ホテルをやらして下さい。」
おまえ、砂漠の暑さで頭が逝かれたのか?」「ただのカジノではなくて、豪華なリゾートホテルを造るんです。融資して欲しいんです。」
「いくらいる?」「取り合えず、100万ドル」
「改修出来る見込みはあるのか?」「もっと、具体的に計画を立てないと………」
コーサ・ノストラの歌です。
『大きな夢に取り付かれ、足元が見えなくなる〜♪俺達の目的は〜、クールビジネス!俺達の使命は〜♪シビアなビジネス!』
【直ちゃんボスが歌い、途中から手下のバックコーラスが入ります】

アントニオはフランクに電話します。
「フランク、俺だ!レオナードに聞いた。手下がドラッグに手を出して、まき沿いを食ったってなぁー。」「あぁー」
「今度はおまえが友情を示す番だ!」「友情?」
「砂漠にホテルを造ると言い出した。ハリウッドで新しい女が出来たんじゃないかぁ?」「リチャード・テイラーの女です。」
「仕事一筋の男が女にはまると失敗する。よく観察するんだ!いいな!!」「はい!」
【もう、この辺なんか、凄い威厳で格好いいボス直ちゃんですよ】

『弾ける夢に浮かれて、自分を見失う〜、俺達の目的は〜クールビジネス!俺達の使命は〜♪シビアなビジネス!』

 第11場 テイラーのプライベート・リビング

エバァがジョーとパティに送ってもらい、帰宅すると、出張のはずのテイラーが航空機の不都合で、戻っていました。
ジョーとパティが理由をつけて、エバァを一生懸命庇うのですが、エバァは覚悟を決めて、砂漠に行っていた事の全てをテイラーに話します。
テイラーは怒り狂い、エバァは公爵夫妻が引き止めるのも聞かず、身一つで世話になったテイラーの元を去り、レオナードの所へ行ってしまいます。
公爵が「あの程度の女なら他にもいます。」とテイラー氏を慰めますが、テイラーは
「私がどんな女でもいいと思っているのか!君達が私の関心を買う為に彼女を紹介した事など、初めから判っていたさ!」と怒りをあらわにします。そして、テイラーはプライドを傷つけられたと同時に、自分にとって大切な人を失った悲しみを歌います。

『今日まで〜私の築いたこの城に相応しい王女がいた〜♪どんな絵画にもどんな物語にも描かれた事のない、美しく気高く、誇り高い歌姫アリアーヌ、私の持てる富の全てを掛けて愛しても惜しくない人。私の持てるプライドの全てに値する宝石のような人。その人が何ゆえに、泥にまみれた道端の石に恋する。この人が何ゆえ私の城を出て、砂漠の中に住処を求める〜♪この愛は幻か〜、ただ甘い夢をみていたのか〜ああ、この愛は陽炎か〜♪手の中で抜けて消えたアリアーヌ、アリアーヌ。この愛は〜幻か〜♪♪』
【わたるちゃん(テイラー)が感情を込めて歌いながら、銀橋を渡ります。とても素敵な歌ですね!ほろっと涙を誘います】

 第12場 Club Sunset

さぁ、いよいよホテル建設に向けての計画がなされています。そこへエバァが飛び込んで来ます。レオナードは両手を広げて自分の胸の中にエバァを受け入れます。ホテルの名は『ブルーバード』ー幸せの青い鳥ー。エバァが名付け親です。ホテルが完成後に2人は結婚する事を誓います。

 第13場A ホテル・ブルー・バード<アントニオ>

アントニオとレオのやり取りです。
「我々が経営者である事をマスコミが嗅ぎつけると逆効果だ」「俺はあくまでクリーンなビジネスを目指しています。戦争が終われば〜〜、日の当たる所に出来る事は出来る」
「おまえの運命に掛けよう!100万ドルを出そう!但し、組織に還元出来なかったら掟を破る事になる。いいな!!」「はい!この勝負、掛けているのは俺の命です。」
コーラス
『俺達が守る、俺達の掟〜〜♪』

 第13場B ホテル・ブルー・バード<レオナード>

ジョーやパテの助けを借りてホテル宣伝をし、仲間の分担を決め、ホテルは着々と完成に向かいます。

 第13場C ホテル・ブルー・バード<テイラー>

ところが、テイラー氏は黙っていません。自分の権力を使って、ホテル建設の妨害をします。ジョーまで、撮影所の契約を降ろされてしまいます。

 第13場D ホテル・ブルー・バード<資金難>

世の中が不景気で、建設にも資金難が押し寄せて来ます。その上、テイラーの妨害で、放送局からの宣伝もなくなりました。ジョーは仕事を断ち切られてしまいましたが、男優の仕事がなくてもレオナードを何処までも助けて行く事を誓います。

 第13場E ホテル・ブルー・バード<フランク>

アントニオとフランクのやり取りです。
「コンチネンタル・プレスはホテル開設の疑惑を書き続けている。おまけにラジオまで…。」「仕方ありません、テイラーを敵にまわしちまったんですから…」
「その女をテイラーに返したらどうなんだ!?」「レオは返しっこない、その女は初恋の相手だ」
「テイラーが匿っていたイタリア娘…。フランク!イタリアのマフィアに連絡を取ってその女の身辺を調べるんだ!」

 第13場F ホテル・ブルー・バード<エヴァ・マリー>

エバァは意を決して、ホテル建設妨害を続けているテイラーの所に出掛けて行って、「私が貴方の所に戻ってもいいから、妨害を止めて欲しい」と頼みます。テイラーは「君が払う愛の犠牲を喜んで受け入れるほど、愚かな男だと思うのか!」と言い放ち、ホテル妨害を止めて、男らしく身を引きます。そして、自分の所の記者にも取材をするように命令します。【こう言う所が格好良くて、立派な紳士ですね!】

 第13場G ホテル・ブルー・バード<勝利>

ホテル建設の資金ぐりが苦しくなり、レオはアントニオに「もう一度資金を出して欲しい。」と更なる融資を願います。
「今まで、いくら出したと思う!?100万ドルの予定がすでに400万ドル近くになってるんだぞ!」「最後の頼みだ!」
「利子は25パーセント、初日から納めてもらう!払えるのか?!」「戦争が終われば活気づく!お願いします!」
【直ちゃんボスの低くて怖ーい声が響きます。貫禄充分ですね】

「戦争が終結したぞぉー!兵士達が帰って来る。」フランクの声が聞こえます。
「いったい、いつ完成するんだ!!」とドスの効いた太く低いアントニオの声です。「クリスマス・イヴに完成させます」とレオ。
【まるで、ロシア皇帝がミケランジェロに天井画の完成を問う場面のようですね!未沙のえるさんとタモさんのお顔が目に浮かびます。「私が終わったと言う時だ!」ではなかったですね。(笑)】

 第14場 オープニング・ナイト

「戦争が終わり、平和の鐘が鳴る〜オー♪暗い時代にグッバイ♪明るい時代がやって来る〜ラスベガスへ行こうよ!」とジョーが歌い、ホテルオープニングの日です【ジョーこと水さんが銀橋から客席まで下りて来て、お客様に向けてインタビューするなど大サービス。「何処からいらっしゃいましたか?」「西宮?おぉ、アメリカ人だからよく判らなーい」とか日替わりのアドリブで笑いを誘っていましたね。(^^)】
ロビーには客が溢れ、大変な賑わいを見せています。そこへ正装したアントニオがフランクや手下達を連れてやって来ました。
【直ちゃん達はビッシと黒のスーツを着こなしています。さすがに綺麗に決まっていますねぇ〜】

「レオナード、大した賑わいだなぁー」とボス。「えぇ、ジョーが推薦してくれたおかげです。ほとんどが招待客で一般客は50パーセント以下です。」「後で帳簿を見せてもらおうか」「現ナマもな」とフランク達が言い、午前2時に会う約束をします。
ボスがレオナードに問い掛けます。
「ところでおまえ、本気であの女と結婚するつもりか?!」「えぇ、ホテルが起動に乗ったら」
「やめた方がいい!!彼女の弟はムッソリーニの親衛隊だ。イタリアの仲間を厳しく取り締まった。今では釈放されたマフィアが親衛隊を粛正している。」「弟は捕まったんですか?」
「あぁ、あの女との結婚は組織が許さない。仲間の敵は自分の敵なのだ。例え誰であろうと掟を破れば命はない!」「……」
「女なら、いくらでもいる」そう言ってボス達は2階の自分達の控え室に消えます。
【なかなかの威厳と凄味を効かしてますねぇー、直ボス君!貫禄も充分で、だんだん怖くなってきましたよ(笑)。手下にカーテンを開けさせ、2階の何処かに格好良く消えます。でも、「レオナードを助けてあげて」って叫びたくなりますね!】

レオナードはイタリアの公爵に弟を助ける為の資金を渡し、エバァを連れてイタリアにすぐに発つように頼みます。資金の事を知らないエバァは何となくレオの事を気使いながらも、公爵夫妻と共に弟を助ける為に、イタリアに向かいます。そして、レオは旅の無事を守ってくれるように勝利の女神『ミネルバァ(ペンダント)』をエバァに返します。

 第15場 レオナードの幻想

全てを悟り、掟に反した事に覚悟を決め、レオナードはしばし放心状態のようになります。
辺りは薄暗くなり、髪を振り乱したレオ、時計の秒針のような音楽リズムが、やけに大きく響きます。
『女ならいくらでもいるぞ』『午前2時に会おう』『現ナマを見せてもらおうか』『例え誰であろうと掟を破れば命はない』今まで拘わった人物の声が響き渡り、走馬灯のようにレオの頭を駆け巡ります。
直ちゃんボスや他のギャング達がソフト帽を被り、後ろ向きに忍び寄って来て、束になってレオを痛めつけるように踊ります。テイラーも出て来ます。ジョーが必死にレオを庇います。散々痛めつけられたレオが
『エバァ・マリン!』と叫んで倒れます。そこへ花嫁姿のエバァが静かに近寄って来てレオを起こし、背中のほこりを優しく払うようにして、去ります。
【大詰めの素晴らしいダンス表現ですね!緊急を知らせるかのようなメロディとリズムが、やけにキンキンと耳に響きました。】

 第16場 クリスマス・イブ(午前2時)

レオがハッと我に返ると、フランクが「午前2時だ!帳簿を見せてもらおうか!」と言って立っています。大した収益に皆が驚きますが、現金が足りない事に仲間の1人が気付きます。1万2千ドルあるはずのものが、2千ドルしかありません。掟を破ったレオはロシアンルーレットをやらしてくれるように頼みます。1発のはずが、5発まで撃ち続けたレオに、フランクがビックリして、「女の為か?」と聞きます。
何も答えず、レオは覚悟を決めたように6発目の引き金を自分の頭めがけて発射します。辺りに銃の音が鳴り響き、レオはその場に倒れます。
【見事な最後ですね!倒れ方もスマートで、格好良いです。余談ですが、お怪我をなさってからは右手を先に着いてから、自然に倒れていらっしゃいました。違和感はありませんでしたよ。さすがプロです。】

 第17場A 空港

ジョーが小型飛行機を用意しました。悲しみに暮れたエバァはレオの遺灰を砂漠に撒く為に、ラスヴェガスに降り立ったのです。

 第17場B ラスヴェガス

現在のラスベガスがスクリーンに映し出されました。スモークが立ち込め、雲の上にいるかのように、トレンチコート姿のレオナードが浮かび上がります。まるで今もラスヴェガスの街を見守っているかのように主題歌を歌います。 ー
【何とも言えない悲しみが通り過ぎて行きますねぇ。愛する女の為に、折角築いた夢の城に住む事もなく、オープン当日に自殺しなければならない運命に、無念な気持ちが残ります。
男の優しさと言うか、律儀さですかぁ〜?たか子さん(和央さん)に相応しい主人公、レオナードだったような気がします。
直ちゃんもなかなかの重要役所で、貫禄のボスをとってもお上手に演じられましたね!!
プライドの高いテイラー氏、わたるちゃんの悲しみも胸を打ちますね。フランクの成瀬さんも、はまり役で良かったですよね!(^^)】

長々とお読み下さった方、真に有難う御座いました。
聞き間違っていた部分や理解不十分の所は、どうか、どうかお許し下さいませ。 m(__)m  12月末日  筆者

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