宝塚宙組編観劇記

2011年7月31日(日)宙組観劇感想

7月29日(金)、東京宝塚劇場にて、宙組公演グランドロマン『美しき生涯ー石田三成永遠の愛と義ー』レビューロマン『ルナロッサ』を観ました。

『美しき生涯ー石田三成永遠の愛と義ー』はしっかりした舞台創りで、時代物を観るのは久しぶりだ。
石田三成役は宙組男役トップスター
大空悠飛さん。存在感は抜群、表は義を重んじるしっかりとした武将で、内には静かな憂いを秘めた情感が漂っていた。
後の淀君、茶々役は
野々すみ花さん。品位があり、とても可愛らしく、演技も上手だった。
ここでは加賀の忍びである疾風が活躍するが、それを星組から移籍した2番手男役
凰稀かなめが演じている。長黒髪を後ろで少し結わえ、細身長身現代風な出で立ちは相変わらず綺麗な男役さんである。石田三成の味方で肝心の時に助け舟のように出てくるから目立ち役である。

大石静脚本はこれら3人を含む人々の繋がりが面白く綺麗に描かれている。NHKの大河ドラマ「江」とは着眼点も違うし描いた人も違うので、比べようも無いが三成側から書くとこんな風にもなるのかと面白かった。天国で光成と淀君は結ばれるのだからね〜。

一方、レビュー『ルナロッサ』は赤い月が照らす時、砂漠の遺跡が息づき、蘇る……。そこに彷徨う旅人は観客だろうか〜。中近東風の不思議な世界を次々と描いている。宝塚お得意のエキゾチックなコスチュームが素敵で、何処かで見たような古き宝塚の懐かしさが蘇るようだった。
大空悠飛さんのトップらしい存在感。娘役トップの野々すみ花さんが可愛く魅力的だ。
2番手の凰稀かなめさんは飄々としているが、何と言っても華がある。綺麗で怪しい魅力も備え、要所要所に発する男役の魅力も心得ている。
宙組には下級生に歌の上手い人が結構いる。当然ながらみっちゃんこと
北翔海莉さん(3番手)も上手い!銀橋を1人で渡る時の歌いっぷりがさすが立派。健気に頑張っている…。
フィナーレのトップデュエットダンスは赤の取り合わせで、娘役さんのドレスが赤にゴールドの変形縁取りが洒落ていてとても素敵。お似合いのカップルだった。
新人とも言える稲葉大地先生作「ルナロッサ」はなかなか素敵なエキゾチックレビューショーだった。


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