最初にして最後の絵麻緒さんとまひるちゃんのトップ公演を、宝塚友の会のお席で見せていただきましたので、私的な感想を少しだけ記録したいと思います。
お芝居『追憶のバルセロナ』 正塚晴彦(作・演出)
スペインの若者貴族フランシスコ(絵麻緒ゆう)がフランスと戦い記憶喪失になり、ジプシーの娘イサベル(紺野まひる)の介抱で記憶を取り戻したけれど、全ては遅かった〜〜。両親をなくし、恋人は他の人の物となっていた。
でも希望を失わずにスペインの為に前向きに戦うフランシスコを、ジプシー達が影となり日なたとなって助けた。
やがて、ジプシー達が去って行く時、娘イサベルは1人残り、フランシスコと共に明日を生きようと言う物語ですね。
黒い旋風と言う得体の知れないスーパーマンが5〜6人、入れ替わりに出て来るのですが、当然のごとくに絵麻緒さんは一番格好良いです。バルセロナに帰還した時、黒い旋風の姿のままで、結婚を約束していた恋人セシリアに、それとなくネックレスを見せて立去るのですが、マントをひるがえし、宝塚っぽくてなかなか格好良かったです。
上質感があるアントニオ(成瀬こうき)の衣装が、並外れてお洒落で、何度も目に止りました。ジプシーのリーダー格ロベルト(朝海ひかる)は、一味残る良い役柄ですね。未沙のえるさんはジャン・クリストフの部下役を、実に面白く演じていました。さすが専科のベテラン、演技力が光ります。あと、ジプシーの未来優希さんの歌は重量感があって、やっぱり上手い。
最後、2人だけになったフランシスコとイサベルを夕焼けの風景が包む所は、とても綺麗。
反面、サッパリし過ぎて、いまいちロマンチックさに欠ける所がちょっと物足りないかな…。(笑)
主題歌が素敵です。宝塚は歌詞が綺麗、この間まで外部公演の歌を聞いていて、日本語歌詞がリアルで、実に現実的だったから、よけいに感じるのかなぁ。
全体の舞台装置はちょっと貧弱!轟さん時代の豪華装置とはまるで違うかなぁ〜?その分ショーの方で、ある程度豪華だったけどね。
☆ショー『ON THE 5th』 草野旦(作・演出)
風変わりで、とても良かったです。アメリカ国旗をバックに、全員が白のスーツに銀の星、白いハットです。シャープ感溢れるアメリカのイメージですね。国旗が取り払われると黄金のエンパイヤステートビルが聳え立つ、茶系に衣装替えした全員のタップダンス。色合いがコーヒー色で洒落ていました。
シャインと紳士の出会いの場面、バックの電飾で表わした特大ハートから、小さなハートがいくつもこぼれ出る所が、とても楽しくて、お洒落。やがて一つの輝く星になるのね。なかなか舞台装置が凝ってます。
教会の前でジーンズの若者達が、あのテロの悲しい事件の結末を傷んで、絶唱し、踊る所が良いですね。コムちゃん(朝海ひかる)筆頭です。
まひるちゃん(シャイン)が所々に出現して、可愛かったです。大階段をバックに踊る2人のデュエットも素敵で、絵麻緒さんとまひるちゃんのピンクの衣装がとても綺麗です。
ピエロみたいなクラウンUSA(風早優、未来優希、愛曜子)の試みも面白かったし、特大風船お人形やりんごも珍しかったです。大階段のパレードの後、もう一度アメリカスタイルに戻り、全員が白いスーツに白いハットで、タップダンスを盛り上がらせる所は演出家の思いきったこだわりかな…?大階段をすぐに閉じて、全員の衣装替えは大変だったかも知れませんね。
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